人間の子。概念の子。
あるところに、まだ生まれたばかりの小さな小さなふたりがいた。
死と月。それがその子たちの名前だ。
死は焦げ茶色のふわふわとした髪の毛に、青色のくりくりとした目を持った子だ。銀色の飾りがところどころに散りばめられた黒いローブを着ており、小さな頭にいつもフードを被っていた。
月は薄い茶色と濃い茶色の2色の髪の毛に、月色のいつも眠たそうな目をしている子だ。頭から背中にかけて×印の縫い目が続く白いコートを着ており、死と同じくいつもフードを被っていた。
その子たちがまだ言葉すらも理解できていない頃から、それぞれの親代わりである先代たちは、ふたりにこう語りかけていた。
「お前はどちらになるのだろう。人間か、概念か」
死と月を見つめる先代たちの顔は、とても穏やかだ。
もちろんまだ言葉を理解できない小さなふたりは、よく分からずに首を傾げるだけだった。
死と月。それがその子たちの名前だ。
死は焦げ茶色のふわふわとした髪の毛に、青色のくりくりとした目を持った子だ。銀色の飾りがところどころに散りばめられた黒いローブを着ており、小さな頭にいつもフードを被っていた。
月は薄い茶色と濃い茶色の2色の髪の毛に、月色のいつも眠たそうな目をしている子だ。頭から背中にかけて×印の縫い目が続く白いコートを着ており、死と同じくいつもフードを被っていた。
その子たちがまだ言葉すらも理解できていない頃から、それぞれの親代わりである先代たちは、ふたりにこう語りかけていた。
「お前はどちらになるのだろう。人間か、概念か」
死と月を見つめる先代たちの顔は、とても穏やかだ。
もちろんまだ言葉を理解できない小さなふたりは、よく分からずに首を傾げるだけだった。
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