このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

Kyrie ―哀れみたまえ―




 一人、立ち尽くした荒野。


 生き物の気配のない大地に俺はただひとり立つ。
 

紋章たちの歓喜の声。
 

腕の中に何かがあった。
 



 見たくない。
 

その意思に反して、俺の目はそれを捉える。

 

さらりと流れる黒い髪。

夜空にも似た深い青の瞳は

絶望と恐怖と苦悶の色を刻んで見開かれていた。


 どんな像よりも肖像画よりも美しく思えた優しい顔をゆがめて

 

涙と血で彩られた顔・・・頭だけが、俺の腕の中にあった。

 
1/15ページ
スキ