1年生(親世代) 完結 (99話)
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「お月様は、好きですか?」
ぽつんと一人、月を見上げているその場所は、いつもシリウスがいるところだった。
なんでみんなここにくるのかしら。
人を呼ぶ場所ってあるのかもね。
「・・・・・・・・・・・・サク?」
「だって、今にも口あけて食べそうな顔して見上げてるんだもの」
cry for the moon
月がほしいといって泣いた子ども。
そんな様子で、執拗なほどに月を眺めていた。
もっとも。ほしいってわけじゃないだろうけど。
「…そんなこといわれたの、初めてだ…」
どこか苦しそうに、苦く笑いながら、リーマスはぽつり、とつぶやいた。
そんな笑い方が、11歳の顔にふさわしくなくて…
悲しかった。
だけど。一緒に沈むことが、するべきことだとは思わないから。
「そう?…そうねえ……でも、今にも食べてなくしてしまいたいって顔してたわよ?」
そういって、にっこりと笑う。
それこそが、リーマスの本当の望みだろう。
この世から、月など消えてしまえ、と…。
いや…どうだろう。
あたしが、ボガートを見たら…果たして、蛾になるか、と聞かれたら…答えられない。
純粋に嫌いなものなのか、恐れているものなのか…
それ以上に…恐れている、という気持ちと嫌悪というものが一緒なのか。
…よくわからないけど。
ちょっと違う気持ちのような気がする。
「…その」
「なあに?」
よいしょっと隣に腰を下ろして。
「…ごめんなさい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なにが。
「こないだ・・・怪我、させて・・・」
「…ああ!」
いや。ごめん。
本気で忘れてた。
のどもと過ぎると忘れるタイプなのよね。
根に持つことは覚えてるけど。
あ、あと失敗もしつこく覚えてるけど。
ま、これでお前がどじだったから悪いんだとかあんなので怪我をするなんて間抜けだとか言ったり僕は悪くないッとか叫ばれたら後悔して反省できるようになるまで色々と考えさせてもらうけど。
「いいのよ。すぐ治ったし。…あたしも、無神経だったしね。ごめんなさい」
「そんなこと、ないよ…」
ぎゅっとひざを抱え込んで、ひざに顔を埋めるみたいにしてリーマスがぼそぼそとしゃべる。
「サクは、いつだって…人のこと、よくみてて…びっくりするぐらい…」
そ、そうかな…。
昔から鈍いだの無神経だの人に気を使えないだの言われてきたけど。
そんなこといわれたのは初めてだ!
「…ねえ?リーマス」
「なに?」
「……なにか、悩みでもあるの?」
話してみれば、楽になることだってあるのよ。
本当の悩みを聞いて解決なんて、できないだろうけど。
「話したいけど話せないことあるんだったら…話してみたら?」
秘密は守るわよ、とにっこり笑ったら…
ちょっと。なんで引くのよ。
なんで顔引きつらせて遠ざかるのかしらぁ?
にっこり笑ったつもりなんだけど…そういえばこないだシリウスにお前が笑うとなんかたくらんでるみたいとか失礼なこといわれたわね。
「あの…サク、なにか…聞いてる?」
「ん?」
「…最近…シリウスや…ジェームズやピーターが…変で」
「…そう、ね」
そりゃあもう、白々しいくらいに。
理由はしってるけど。
知ってるけど…あれはひどいわね。
「…なにか、聞いてる?」
「なにも」
「そっか…」
ほっとしたように、がっかりしたように。
深く息を吐き出して、リーマスは黙り込んだ。
あたしは、静寂は嫌いじゃない。
しゃべってないと落ち着かないという性格でもないし、静かな空間…お互いに黙り込んでる空間というのも嫌いじゃない。
…ここまで重苦しくなければ。
「…もし、ね…」
「うん?」
「もし、僕が…その…皆に…隠し事、が…あって」
「うん」
先をせかすことはしない。
話したいと思ってるから、リーマスはあたしを話し相手に選んだ。
だから、聴くだけだ。
リーマス自身の心の中で、整理がつくまで。
「それを…必死で隠してたのに…知られてしまったかもしれない…そんなとき… サクなら、どうする?」
「……リーマスが悩んでるのは、隠し事をしていること?それとも…その、隠し事の中身?」
隠していることがつらいのか。その中身が、つらいのか。
両方なのか。
「…わからない」
…そりゃそうね…
「でも心配されるたびに、叫びだしたくなる…本当はって…」
ぎゅっとにぎりしめられた手が、力の入りすぎで真っ白になっている。
「…絶対に、バレちゃいけないんだ」
「隠し事?」
「……やくそく、だから」
「…約束なら、守らなきゃいけないわね」
結局。
あたしは、リーマスの力になんてなれないのだ、と…思い知らされただけのような気がした。
話を聞いたから、何だというんだろう。
彼の背負うものはあまりに重過ぎて。
あたしなんかの手には負えない。
そのことを思い知らされただけだ。
無力だな、と実感する。
こんなとき、ダンブルドアだったら、どうするんだろう。
あの人なら、きっと…何かを変えられるのかもしれない。
そんな気がする。
「ねえ、サク」
「なあに?」
「…僕が、化け物だったら…どうする…?」
「お月様は、好きですか?」
ぽつんと一人、月を見上げているその場所は、いつもシリウスがいるところだった。
なんでみんなここにくるのかしら。
人を呼ぶ場所ってあるのかもね。
「・・・・・・・・・・・・サク?」
「だって、今にも口あけて食べそうな顔して見上げてるんだもの」
cry for the moon
月がほしいといって泣いた子ども。
そんな様子で、執拗なほどに月を眺めていた。
もっとも。ほしいってわけじゃないだろうけど。
「…そんなこといわれたの、初めてだ…」
どこか苦しそうに、苦く笑いながら、リーマスはぽつり、とつぶやいた。
そんな笑い方が、11歳の顔にふさわしくなくて…
悲しかった。
だけど。一緒に沈むことが、するべきことだとは思わないから。
「そう?…そうねえ……でも、今にも食べてなくしてしまいたいって顔してたわよ?」
そういって、にっこりと笑う。
それこそが、リーマスの本当の望みだろう。
この世から、月など消えてしまえ、と…。
いや…どうだろう。
あたしが、ボガートを見たら…果たして、蛾になるか、と聞かれたら…答えられない。
純粋に嫌いなものなのか、恐れているものなのか…
それ以上に…恐れている、という気持ちと嫌悪というものが一緒なのか。
…よくわからないけど。
ちょっと違う気持ちのような気がする。
「…その」
「なあに?」
よいしょっと隣に腰を下ろして。
「…ごめんなさい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なにが。
「こないだ・・・怪我、させて・・・」
「…ああ!」
いや。ごめん。
本気で忘れてた。
のどもと過ぎると忘れるタイプなのよね。
根に持つことは覚えてるけど。
あ、あと失敗もしつこく覚えてるけど。
ま、これでお前がどじだったから悪いんだとかあんなので怪我をするなんて間抜けだとか言ったり僕は悪くないッとか叫ばれたら後悔して反省できるようになるまで色々と考えさせてもらうけど。
「いいのよ。すぐ治ったし。…あたしも、無神経だったしね。ごめんなさい」
「そんなこと、ないよ…」
ぎゅっとひざを抱え込んで、ひざに顔を埋めるみたいにしてリーマスがぼそぼそとしゃべる。
「サクは、いつだって…人のこと、よくみてて…びっくりするぐらい…」
そ、そうかな…。
昔から鈍いだの無神経だの人に気を使えないだの言われてきたけど。
そんなこといわれたのは初めてだ!
「…ねえ?リーマス」
「なに?」
「……なにか、悩みでもあるの?」
話してみれば、楽になることだってあるのよ。
本当の悩みを聞いて解決なんて、できないだろうけど。
「話したいけど話せないことあるんだったら…話してみたら?」
秘密は守るわよ、とにっこり笑ったら…
ちょっと。なんで引くのよ。
なんで顔引きつらせて遠ざかるのかしらぁ?
にっこり笑ったつもりなんだけど…そういえばこないだシリウスにお前が笑うとなんかたくらんでるみたいとか失礼なこといわれたわね。
「あの…サク、なにか…聞いてる?」
「ん?」
「…最近…シリウスや…ジェームズやピーターが…変で」
「…そう、ね」
そりゃあもう、白々しいくらいに。
理由はしってるけど。
知ってるけど…あれはひどいわね。
「…なにか、聞いてる?」
「なにも」
「そっか…」
ほっとしたように、がっかりしたように。
深く息を吐き出して、リーマスは黙り込んだ。
あたしは、静寂は嫌いじゃない。
しゃべってないと落ち着かないという性格でもないし、静かな空間…お互いに黙り込んでる空間というのも嫌いじゃない。
…ここまで重苦しくなければ。
「…もし、ね…」
「うん?」
「もし、僕が…その…皆に…隠し事、が…あって」
「うん」
先をせかすことはしない。
話したいと思ってるから、リーマスはあたしを話し相手に選んだ。
だから、聴くだけだ。
リーマス自身の心の中で、整理がつくまで。
「それを…必死で隠してたのに…知られてしまったかもしれない…そんなとき… サクなら、どうする?」
「……リーマスが悩んでるのは、隠し事をしていること?それとも…その、隠し事の中身?」
隠していることがつらいのか。その中身が、つらいのか。
両方なのか。
「…わからない」
…そりゃそうね…
「でも心配されるたびに、叫びだしたくなる…本当はって…」
ぎゅっとにぎりしめられた手が、力の入りすぎで真っ白になっている。
「…絶対に、バレちゃいけないんだ」
「隠し事?」
「……やくそく、だから」
「…約束なら、守らなきゃいけないわね」
結局。
あたしは、リーマスの力になんてなれないのだ、と…思い知らされただけのような気がした。
話を聞いたから、何だというんだろう。
彼の背負うものはあまりに重過ぎて。
あたしなんかの手には負えない。
そのことを思い知らされただけだ。
無力だな、と実感する。
こんなとき、ダンブルドアだったら、どうするんだろう。
あの人なら、きっと…何かを変えられるのかもしれない。
そんな気がする。
「ねえ、サク」
「なあに?」
「…僕が、化け物だったら…どうする…?」