1年生(親世代) 完結 (99話)
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83
あれから、ジェームズたちに目だった動きはない。
ただ、時折…ジェームズがリーマスを意識している様子は見て取れた。
そして…シリウスも、ジェームズのそんな様子をひどく気にしている。
それぐらいだった。
思考をさえぎる羽音に顔を上げれば、ジェームズのフクロウがなにやら小包を抱えている。
ばさっと落とされたそれを見事に受け取って、ジェームズはぱっと顔を輝かせた。
「やった!ずっとねだってたんだ!」
「なんだ?それ・・・」
「実はね…」
ごしょごしょと耳元で打ち明けられたシリウスが歓声を上げる。
…ん?ひょっとして~…
「すげ。よく貸してくれたな」
「僕もすんなり貸してもらえるとは思わなかったよ」
あー。やっぱり。
透明マントね。
解かれた荷物から垣間見えるそれは…たしかに、本で形容されていたそれとそっくりだった。
映画のとは、ちょっと違う感じがするけれど。
「すごい・・・これ、なに?」
リーマスやピーターにも同じように耳元にささやけば、二人とも目を丸くしている。
うん。間違いなさそう。」
「あ、手紙」
がさごそと広げた手紙をジェームズが小さな声で読み上げるのが聞こえた。
『ジェームズへ。何に使うんだか知らないがこれはお前にそのままやろう。実はこっそりクリスマスの帰りにお前にやろうと思ってたんだが母さんの目が厳しくてな~。ちょうど良い機会だ!楽しく活用しなさい!』
それでいいのか。
それでいいのか、ポッター家!!
「…良い親父さんだな~…」
「さっすが父さん!よくわかってるー!!」
いや。それはわからなくていいと思う。
まぁ?ダンブルドアの話だとこっそり食料確保したり悪戯に使ってただけだって言うし…。
これがないと夜のお散歩いけないだろうから…そっとしておこう。うん。
…ん?ところで、なんでジェームズはわざわざお父さんから貸してもらったんだ??
………なぞ。
「じゃあ…」
「気をつけて」
談話室で繰り広げられる別れの光景に、今日は満月か、とようやく気づいた。
いつものように母の見舞いに、と姿を消すリーマスの笑顔が、曇っていた。
あれからずっとだけど、あたし避けられてるのよね~
話したくても出来ないし。
無理ないけどさ…
「うん。行ってくるね」
にこっと笑って、リーマスが談話室から姿を消した途端。
「急げ!!」
・・・は?
なにが??
どったんばったんと今まで座ってたソファをひっくりかえして何かをもって走り出す3人を談話室にいた全員が呆然と見送る。
・・・・・・・・・・・・・・な、なにが・・・
あれ、透明マント・・・だったわよね・・・?
・・・・・・・・・・・・・・・・あやしい。
というか。もう出歩いちゃ駄目な時間…
…………………
「リリー」
「なあに?」
「ちょっとでてくるから、ごまかしといて?」
「は?」
最悪ダンブルドアに呼ばれたことにしよう。
うん。
リーマスのためなの。ってお願いポーズとってみよう。
ちょうど真っ黒な上下でよかったー。
黒のタートル。黒のジーンズ。黒のバレエシューズ。
いや。たまたまなんだけど。
「んじゃ!」
よし。杖もあるし。
寒くないといいなあ…うー絶対寒そう。
「レディ、ちょとごめんねー」
「あら。こんな時間にまたなの?」
「うん。あの3人組どっちいったの?」
「ルーピンを追いかけてあっちにいったわ」
「ありがとー」
よしよし。さて。お立会い。
こんなこともあろうかと。
じゃんじゃかじゃーん。
「…ミス・キリュウ?」
「なあに?レディ」
「その…毛糸玉は一体…」
毛糸玉。
何の変哲もない毛糸玉。
色はけいこうぴんく。
ただし。
「ああ、端はジェームズの透明マントに結んであるの」
「・・・・・・・・・きをつけていってらっしゃい・・・」
「行ってきます」
くるくると糸を順調に出していく毛糸をたどりながらあたしはなるべく足音を立てないようにひそっと3人の後をつけ始めた。
はっけーん。
よしよし。
くるくると糸を巻き取りながらくっついてきたあたしは、運良く誰にもあったり見つかったりしないまま糸の出所にたどり着いた。
5メートルぐらい残してそっと後をつける。
その前方にリーマス発見。
あー…やっぱり、リーマスつけてきたわね…この3人。
それにしても。
何で気づかないんだろう。
気づこうよ。
これだけ堂々と毛糸結んでんだからさ…。
ずっと気づかれなかったらどうしよう…
「さあ、行きましょうか」
「はい、マダム…」
お。リーマスくん、出発ですな。
「気をつけて。…もう、あんな怪我をしないでください、リーマス」
「・・・はい、マクゴナガル先生」
「帰りを待っておるからの」
「はい、ダンブルドア校長先生…」
二人に力なく笑って、リーマスはマダムと一緒に歩いていった。
…毛糸の動きから、3人がその後をつけるか迷っているのが見て取れる。
「アルバス…どうして、あの子がこんな目にあうのでしょう…良い子なんです。とても、良い子なんです…」
「ミネルバ、それは言ってもせん無いことじゃ。…彼が帰ってこれる場所を作って待っていてやるだけじゃよ」
「でも…あの子が…どうしてウィアウルフ…っ」
・・・・・・・・・・・・うわっ
今のイエローカード!!
それって生徒がうろついてるかもしれないとこで言うことじゃないでしょっっ
「ミネルバ!それは言ってはならん。…さあ、我々は戻ろう」
「はい…」
扉を閉める直前、はっと我に返ったらしいジェームズたちが動き出した。
まてまてまてまて!あんたたちは抜けれてもあたしは無理だ!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・こんばんはー」
案の定。
あたし一人みつかったー・・・えぐえぐ
「なにをしているんですか!!」
ばっちりしまった扉の向こうに3人組は無事に消え。
あたしはつかまりましたー。
「ちょっとリーマスの様子が気になったものですから」
「消灯時間は過ぎてますが」
「…サクラ。お前さんだけか?」
おっさすがにするどいねー。
さすがダンブルドア。
「え?あたしは毛糸の後をつけてきただけです」
「その毛糸、どこにつながっておるんじゃ?」
「・・・・・・・・・・・・・」
にこっと笑う。
やれやれ、と…肩を落として。それでも、ダンブルドアはいつもの顔で笑った。
「・・・気をつけて帰っておいで。帰りはマダムの後をついてくるといい」
「アルバス!」
「行ってきます」
ひらひらっと手を振って。
扉の外。
そこから…毛糸が見えた。
よし。断ち切れてなくて良かったー。
と。
暴れ柳発見。
その前にマダムとリーマス発見。
よしよし。
こっそり木の影に隠れながら抜き足差し足忍び足。
ようやく、声が聞こえてきた。
「リーマス。気をつけて」
「はい」
ぎゅっと、荷物を握り締めて。
簡素なローブ一枚だけ着たリーマスがマダムに笑う。
「ありがとうございます、マダム」
首を振って、マダム・ポンフリーはリーマスに小さなバスケットを渡した。
「食べ物と、飲み物よ。…しっかり食べてちょうだい」
「ありがとうございます。マダム」
ぎゅっと、目を瞑って。
「こんな」
「こんな人狼なんかに…」
「あなたのせいではないわ」
ぺこり、と礼をして、暴れ柳の影に下りていくリーマスを見送り、身震いを一つしてマダム・ポンフリーが城に戻っていっても。
毛糸の先は、動かなかった。
するり、とマントが地に落ちる。
月明かりに照らされた、3つの人影は、みじろぎ一つしなかった。
ただただ、その場に立ち尽くして。
リーマスの消えた場所を見つめていた。
あたしは、ただ。
3人を…ずっと、見守っていた。
あれから、ジェームズたちに目だった動きはない。
ただ、時折…ジェームズがリーマスを意識している様子は見て取れた。
そして…シリウスも、ジェームズのそんな様子をひどく気にしている。
それぐらいだった。
思考をさえぎる羽音に顔を上げれば、ジェームズのフクロウがなにやら小包を抱えている。
ばさっと落とされたそれを見事に受け取って、ジェームズはぱっと顔を輝かせた。
「やった!ずっとねだってたんだ!」
「なんだ?それ・・・」
「実はね…」
ごしょごしょと耳元で打ち明けられたシリウスが歓声を上げる。
…ん?ひょっとして~…
「すげ。よく貸してくれたな」
「僕もすんなり貸してもらえるとは思わなかったよ」
あー。やっぱり。
透明マントね。
解かれた荷物から垣間見えるそれは…たしかに、本で形容されていたそれとそっくりだった。
映画のとは、ちょっと違う感じがするけれど。
「すごい・・・これ、なに?」
リーマスやピーターにも同じように耳元にささやけば、二人とも目を丸くしている。
うん。間違いなさそう。」
「あ、手紙」
がさごそと広げた手紙をジェームズが小さな声で読み上げるのが聞こえた。
『ジェームズへ。何に使うんだか知らないがこれはお前にそのままやろう。実はこっそりクリスマスの帰りにお前にやろうと思ってたんだが母さんの目が厳しくてな~。ちょうど良い機会だ!楽しく活用しなさい!』
それでいいのか。
それでいいのか、ポッター家!!
「…良い親父さんだな~…」
「さっすが父さん!よくわかってるー!!」
いや。それはわからなくていいと思う。
まぁ?ダンブルドアの話だとこっそり食料確保したり悪戯に使ってただけだって言うし…。
これがないと夜のお散歩いけないだろうから…そっとしておこう。うん。
…ん?ところで、なんでジェームズはわざわざお父さんから貸してもらったんだ??
………なぞ。
「じゃあ…」
「気をつけて」
談話室で繰り広げられる別れの光景に、今日は満月か、とようやく気づいた。
いつものように母の見舞いに、と姿を消すリーマスの笑顔が、曇っていた。
あれからずっとだけど、あたし避けられてるのよね~
話したくても出来ないし。
無理ないけどさ…
「うん。行ってくるね」
にこっと笑って、リーマスが談話室から姿を消した途端。
「急げ!!」
・・・は?
なにが??
どったんばったんと今まで座ってたソファをひっくりかえして何かをもって走り出す3人を談話室にいた全員が呆然と見送る。
・・・・・・・・・・・・・・な、なにが・・・
あれ、透明マント・・・だったわよね・・・?
・・・・・・・・・・・・・・・・あやしい。
というか。もう出歩いちゃ駄目な時間…
…………………
「リリー」
「なあに?」
「ちょっとでてくるから、ごまかしといて?」
「は?」
最悪ダンブルドアに呼ばれたことにしよう。
うん。
リーマスのためなの。ってお願いポーズとってみよう。
ちょうど真っ黒な上下でよかったー。
黒のタートル。黒のジーンズ。黒のバレエシューズ。
いや。たまたまなんだけど。
「んじゃ!」
よし。杖もあるし。
寒くないといいなあ…うー絶対寒そう。
「レディ、ちょとごめんねー」
「あら。こんな時間にまたなの?」
「うん。あの3人組どっちいったの?」
「ルーピンを追いかけてあっちにいったわ」
「ありがとー」
よしよし。さて。お立会い。
こんなこともあろうかと。
じゃんじゃかじゃーん。
「…ミス・キリュウ?」
「なあに?レディ」
「その…毛糸玉は一体…」
毛糸玉。
何の変哲もない毛糸玉。
色はけいこうぴんく。
ただし。
「ああ、端はジェームズの透明マントに結んであるの」
「・・・・・・・・・きをつけていってらっしゃい・・・」
「行ってきます」
くるくると糸を順調に出していく毛糸をたどりながらあたしはなるべく足音を立てないようにひそっと3人の後をつけ始めた。
はっけーん。
よしよし。
くるくると糸を巻き取りながらくっついてきたあたしは、運良く誰にもあったり見つかったりしないまま糸の出所にたどり着いた。
5メートルぐらい残してそっと後をつける。
その前方にリーマス発見。
あー…やっぱり、リーマスつけてきたわね…この3人。
それにしても。
何で気づかないんだろう。
気づこうよ。
これだけ堂々と毛糸結んでんだからさ…。
ずっと気づかれなかったらどうしよう…
「さあ、行きましょうか」
「はい、マダム…」
お。リーマスくん、出発ですな。
「気をつけて。…もう、あんな怪我をしないでください、リーマス」
「・・・はい、マクゴナガル先生」
「帰りを待っておるからの」
「はい、ダンブルドア校長先生…」
二人に力なく笑って、リーマスはマダムと一緒に歩いていった。
…毛糸の動きから、3人がその後をつけるか迷っているのが見て取れる。
「アルバス…どうして、あの子がこんな目にあうのでしょう…良い子なんです。とても、良い子なんです…」
「ミネルバ、それは言ってもせん無いことじゃ。…彼が帰ってこれる場所を作って待っていてやるだけじゃよ」
「でも…あの子が…どうしてウィアウルフ…っ」
・・・・・・・・・・・・うわっ
今のイエローカード!!
それって生徒がうろついてるかもしれないとこで言うことじゃないでしょっっ
「ミネルバ!それは言ってはならん。…さあ、我々は戻ろう」
「はい…」
扉を閉める直前、はっと我に返ったらしいジェームズたちが動き出した。
まてまてまてまて!あんたたちは抜けれてもあたしは無理だ!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・こんばんはー」
案の定。
あたし一人みつかったー・・・えぐえぐ
「なにをしているんですか!!」
ばっちりしまった扉の向こうに3人組は無事に消え。
あたしはつかまりましたー。
「ちょっとリーマスの様子が気になったものですから」
「消灯時間は過ぎてますが」
「…サクラ。お前さんだけか?」
おっさすがにするどいねー。
さすがダンブルドア。
「え?あたしは毛糸の後をつけてきただけです」
「その毛糸、どこにつながっておるんじゃ?」
「・・・・・・・・・・・・・」
にこっと笑う。
やれやれ、と…肩を落として。それでも、ダンブルドアはいつもの顔で笑った。
「・・・気をつけて帰っておいで。帰りはマダムの後をついてくるといい」
「アルバス!」
「行ってきます」
ひらひらっと手を振って。
扉の外。
そこから…毛糸が見えた。
よし。断ち切れてなくて良かったー。
と。
暴れ柳発見。
その前にマダムとリーマス発見。
よしよし。
こっそり木の影に隠れながら抜き足差し足忍び足。
ようやく、声が聞こえてきた。
「リーマス。気をつけて」
「はい」
ぎゅっと、荷物を握り締めて。
簡素なローブ一枚だけ着たリーマスがマダムに笑う。
「ありがとうございます、マダム」
首を振って、マダム・ポンフリーはリーマスに小さなバスケットを渡した。
「食べ物と、飲み物よ。…しっかり食べてちょうだい」
「ありがとうございます。マダム」
ぎゅっと、目を瞑って。
「こんな」
「こんな人狼なんかに…」
「あなたのせいではないわ」
ぺこり、と礼をして、暴れ柳の影に下りていくリーマスを見送り、身震いを一つしてマダム・ポンフリーが城に戻っていっても。
毛糸の先は、動かなかった。
するり、とマントが地に落ちる。
月明かりに照らされた、3つの人影は、みじろぎ一つしなかった。
ただただ、その場に立ち尽くして。
リーマスの消えた場所を見つめていた。
あたしは、ただ。
3人を…ずっと、見守っていた。