1年生(親世代) 完結 (99話)
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「しぃりぃうぅすぅ」
「・・・・・・・お前かよ」
へへ、と笑ってしもべ妖精からもぎ取ってきたおつまみにジュースをどさどさどさっとシリウスの前に広げた。
いつもの夜の屋上でのおしゃべりタイム。
だけど、まだクリスマス休暇は終わってないもの。これぐらいいいわよね。
「おわっ!?なんだ、これ・・・」
「おつまみ~ほら!飲もう!」
「飲もうって、これジュース…じゃねえ!酒かよ!」
「うんw」
20歳未満の飲酒喫煙は法律で禁止されております。
良い子は絶対にまねしないように。
背伸びなくなるし頭馬鹿になるよ。
いや、ほんとに。
あたし?あたしは20歳すぎてるものw
「お前…子どものくせに…」
「シリウスだって子どもでしょー?クリスマスパーティーの時、飲んでたくせに」
「…まぁ、な」
あたしは見逃してないわよ~
「シリウスはこっちね」
「ジュースかよ。俺だけ」
「子どもは飲酒禁止」
大人としてこれだけは節度守んないとね。
「お前も同い年だろ!」
「はっはっは」
都合の悪いときは笑ってごまかせ。
これ鉄則ね。
「・・・・・・・・・・・・・お前なぁ・・・」
ふかーくため息をつくシリウスのグラスにカチン、とグラスを合わせて。
あたしはぐいっとあおった。
うまー!!
ワインはダメでもカクテルならいけるっっ
「…ねえ、シリウス?」
「・・・・・・なんだ?」
「…お疲れ様」
本当に。
あんな家で、よくがんばってきたね。
すごいと思うよ。
「なにがだよ」
「そういいたかったの」
「…お前、わけわかんねえ」
でもどこかうれしそうなのはなんでかなー?
あの家にいるよりも、ずっと楽しそうで、自然に息してると思うんだけどな。
今のほうが、ずっとずっと楽しそう。
「ま、いいや」
お。あきらめたぞ。
「よこせよ。俺にも」
シリウスが指差してるのは、シードル。
「だめだって」
「いいだろ、少しぐらい」
「だーめー!」
「独り占めすんなよ」
伸びてくる手をかいくぐりながらこれ見よがしにぐいーっとシードルを飲み干した。
「あーっお前な・・・!」
「た~の~し~そ~う~だ~ねぇ~」
うわっきもちわるっ
「おわっどっからわいてでた!?」
ルーモスの光で顔をあごの下から照らしたジェームズが背後にしゃがみこんでいた。
怖いです。やめてください。
「ふたりっきりで・・・僕をのけ者にして・・・ひどいよ、二人とも・・・」
しくしくしくしくしくしくしくしくしくしくしくしく・・・
ええいっうっとうしいっ
「ほら!ここいらっしゃいよ!」
ぽんっとあたしとシリウスの前を示して。
いそいそと座り込んだジェームズと、シリウスと、あたしでお菓子の山とジュースを三角形で囲むように。
「いっつも二人だけでここにいるだろ?気になってたんだよね」
あら。そうだったのか。
「それで、シリウス、クリスマスはどうだった?」
「いつもどおり最低なクリスマスだったさ」
うわ。一刀両断。
うん。気持ちはわからなくもない…あ~…やなこと思い出した…
「クリスマスなのに?」
「一族が集まるとろくなことはない」
実感こもってる…。
「サクは?」
「あたしも…今年はちょっと…」
「うちなんかに来るからだ」
いや、それなりに楽しかったけどね。
あんまりにもデスイーター祭りで。
「…そのパーティー、よりも…ちょっと…余興が、ねぇ…」
正確に言えば、余興の後の…感情、かな。
「余興?」
「聞かないほうが幸せでいられる」
「・・・・・・・・・・・」
黙り込んだジェームズの顔には、くっきりと『どんなパーティーだ』と書いてある。
「…ねえ、シリウス?」
「なんだ?」
「…命って、…難しいね」
「は?」
「どうしたの?唐突に」
不意に、あのときの重苦しい気持ちが、襲ってきた。
「ちょっとね~…自分がナサケナイなって思って」
「・・・・・・・・・なにを言ってるんだ?」
かくかくしかじか。
とクリスマスの時の会話を説明して。
「スリザリンの意見なんてまともに聞いたら耳が腐るよ」
「ジェームズ…言いすぎよ」
そこまで言いますか…。
「命、ねぇ…」
平等な命。
でも。目の前でおこる、殺害。
それを厭う気持ちと、平等であるという理性。
その折り合いが、うまくつかない。
「俺は、自分の守りたいもので守れるものを守るだけで精一杯だ。命を奪うのがいいとか悪いとか、そういう問題じゃない」
ぎゅっと握り締めた自分の手を見つめて。
そんなことを言うシリウスの目は、思いつめたような色をしていた。
「こんな手でつかめるものはほんの少しだ。だから、つかめるものだけ守る。それ以外は…どうしようもない」
「シリウス…」
あまりにも、重みを持った言葉で。
あたしは、何もいえなかった。
と、うんうんうなって頭をひねっていたジェームズが頭を抱えて…突然しゃべりだした。
「・・・・・・僕は、そんなこと考えたことなかったからよくわからないけど」
「ジェームズ?」
「命って、大切にするのが当然じゃないのかい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・そうね」
「そりゃそうだな」
「でも、僕たち、命を奪わなきゃ生きていけないのも事実だろ?」
「その通りね」
「間違ってないな」
「その区別って…つけなきゃならないのかい?」
・・・・・・・・・・・・ええっと。
な、何を言いたいんだろう…
「目の前で何かが殺されそうになったら止めるのが当たり前だろ?それを簡単にするやつなんて最低だし」
「何が言いたいんだよ、お前」
よく言った!シリウス!
「だから…あ~…僕もなんかわからなくなってきた」
がしがしと頭をかき混ぜるジェームズ。
…いや、そんなに悩んでくれなくても…。
「でもさ。僕は、目の前で何かが殺されるのは嫌だよ。だから目の前でされたら、嫌だっていう」
「じゃあ、魔法薬学の材料とかは?」
「嫌だよ。でも仕方ないじゃないか。やらなきゃならないんだから」
…いや、だから…。
それが命の優劣とか、優先順位っていうことになるのかなって…。
「大事なのは、それを殺しているってことをわかってるかってことじゃないかな」
「もう、やめようぜ。この話…気分悪ぃ…」
「そ、そうね…ごめんなさい。変なこと言って」
「このジュース美味しいねえ」
「あ!それジュースじゃなくてシードルよ!お酒よ!お酒!!」
話題はそれても。
なんとなく、重苦しい空気がどっしりと居座ってしまったような気がした。
…悪いことしたな…。
ぽつり、と唐突にジェームズが言った。
「乾杯、しようか」
「いいわね」
「何にだよ?」
「…僕たちの友情に?」
「俺にきくな」
「よし。じゃあ一人一つずつ!」
「は!?」
「サク…君、どういう発想してるのさ…」
「いいじゃない。別に」
だって。良い気分なんだものー。
「よぉし。んじゃ、ジェームズから!」
「…じゃあ、僕たちの友情に」
やっぱりそれでくるんですか。
じゃあねえ・・・
「この美しい星空に!」
「お。なかなかロマンティックだね」
「…シリウスは?」
「シリウスは何に乾杯するんだい?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
空を見上げて、何かを考え込むような顔をしていたシリウスが、ふっと、笑った。
息を呑むほど、綺麗な笑顔。
「幸運に」
幸運に。
なんの幸運なのか。
添えられる言葉もなく、ただそれだけをつむいで、シリウスは空にむかって、グラスを掲げた。
「乾杯!」
「しぃりぃうぅすぅ」
「・・・・・・・お前かよ」
へへ、と笑ってしもべ妖精からもぎ取ってきたおつまみにジュースをどさどさどさっとシリウスの前に広げた。
いつもの夜の屋上でのおしゃべりタイム。
だけど、まだクリスマス休暇は終わってないもの。これぐらいいいわよね。
「おわっ!?なんだ、これ・・・」
「おつまみ~ほら!飲もう!」
「飲もうって、これジュース…じゃねえ!酒かよ!」
「うんw」
20歳未満の飲酒喫煙は法律で禁止されております。
良い子は絶対にまねしないように。
背伸びなくなるし頭馬鹿になるよ。
いや、ほんとに。
あたし?あたしは20歳すぎてるものw
「お前…子どものくせに…」
「シリウスだって子どもでしょー?クリスマスパーティーの時、飲んでたくせに」
「…まぁ、な」
あたしは見逃してないわよ~
「シリウスはこっちね」
「ジュースかよ。俺だけ」
「子どもは飲酒禁止」
大人としてこれだけは節度守んないとね。
「お前も同い年だろ!」
「はっはっは」
都合の悪いときは笑ってごまかせ。
これ鉄則ね。
「・・・・・・・・・・・・・お前なぁ・・・」
ふかーくため息をつくシリウスのグラスにカチン、とグラスを合わせて。
あたしはぐいっとあおった。
うまー!!
ワインはダメでもカクテルならいけるっっ
「…ねえ、シリウス?」
「・・・・・・なんだ?」
「…お疲れ様」
本当に。
あんな家で、よくがんばってきたね。
すごいと思うよ。
「なにがだよ」
「そういいたかったの」
「…お前、わけわかんねえ」
でもどこかうれしそうなのはなんでかなー?
あの家にいるよりも、ずっと楽しそうで、自然に息してると思うんだけどな。
今のほうが、ずっとずっと楽しそう。
「ま、いいや」
お。あきらめたぞ。
「よこせよ。俺にも」
シリウスが指差してるのは、シードル。
「だめだって」
「いいだろ、少しぐらい」
「だーめー!」
「独り占めすんなよ」
伸びてくる手をかいくぐりながらこれ見よがしにぐいーっとシードルを飲み干した。
「あーっお前な・・・!」
「た~の~し~そ~う~だ~ねぇ~」
うわっきもちわるっ
「おわっどっからわいてでた!?」
ルーモスの光で顔をあごの下から照らしたジェームズが背後にしゃがみこんでいた。
怖いです。やめてください。
「ふたりっきりで・・・僕をのけ者にして・・・ひどいよ、二人とも・・・」
しくしくしくしくしくしくしくしくしくしくしくしく・・・
ええいっうっとうしいっ
「ほら!ここいらっしゃいよ!」
ぽんっとあたしとシリウスの前を示して。
いそいそと座り込んだジェームズと、シリウスと、あたしでお菓子の山とジュースを三角形で囲むように。
「いっつも二人だけでここにいるだろ?気になってたんだよね」
あら。そうだったのか。
「それで、シリウス、クリスマスはどうだった?」
「いつもどおり最低なクリスマスだったさ」
うわ。一刀両断。
うん。気持ちはわからなくもない…あ~…やなこと思い出した…
「クリスマスなのに?」
「一族が集まるとろくなことはない」
実感こもってる…。
「サクは?」
「あたしも…今年はちょっと…」
「うちなんかに来るからだ」
いや、それなりに楽しかったけどね。
あんまりにもデスイーター祭りで。
「…そのパーティー、よりも…ちょっと…余興が、ねぇ…」
正確に言えば、余興の後の…感情、かな。
「余興?」
「聞かないほうが幸せでいられる」
「・・・・・・・・・・・」
黙り込んだジェームズの顔には、くっきりと『どんなパーティーだ』と書いてある。
「…ねえ、シリウス?」
「なんだ?」
「…命って、…難しいね」
「は?」
「どうしたの?唐突に」
不意に、あのときの重苦しい気持ちが、襲ってきた。
「ちょっとね~…自分がナサケナイなって思って」
「・・・・・・・・・なにを言ってるんだ?」
かくかくしかじか。
とクリスマスの時の会話を説明して。
「スリザリンの意見なんてまともに聞いたら耳が腐るよ」
「ジェームズ…言いすぎよ」
そこまで言いますか…。
「命、ねぇ…」
平等な命。
でも。目の前でおこる、殺害。
それを厭う気持ちと、平等であるという理性。
その折り合いが、うまくつかない。
「俺は、自分の守りたいもので守れるものを守るだけで精一杯だ。命を奪うのがいいとか悪いとか、そういう問題じゃない」
ぎゅっと握り締めた自分の手を見つめて。
そんなことを言うシリウスの目は、思いつめたような色をしていた。
「こんな手でつかめるものはほんの少しだ。だから、つかめるものだけ守る。それ以外は…どうしようもない」
「シリウス…」
あまりにも、重みを持った言葉で。
あたしは、何もいえなかった。
と、うんうんうなって頭をひねっていたジェームズが頭を抱えて…突然しゃべりだした。
「・・・・・・僕は、そんなこと考えたことなかったからよくわからないけど」
「ジェームズ?」
「命って、大切にするのが当然じゃないのかい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・そうね」
「そりゃそうだな」
「でも、僕たち、命を奪わなきゃ生きていけないのも事実だろ?」
「その通りね」
「間違ってないな」
「その区別って…つけなきゃならないのかい?」
・・・・・・・・・・・・ええっと。
な、何を言いたいんだろう…
「目の前で何かが殺されそうになったら止めるのが当たり前だろ?それを簡単にするやつなんて最低だし」
「何が言いたいんだよ、お前」
よく言った!シリウス!
「だから…あ~…僕もなんかわからなくなってきた」
がしがしと頭をかき混ぜるジェームズ。
…いや、そんなに悩んでくれなくても…。
「でもさ。僕は、目の前で何かが殺されるのは嫌だよ。だから目の前でされたら、嫌だっていう」
「じゃあ、魔法薬学の材料とかは?」
「嫌だよ。でも仕方ないじゃないか。やらなきゃならないんだから」
…いや、だから…。
それが命の優劣とか、優先順位っていうことになるのかなって…。
「大事なのは、それを殺しているってことをわかってるかってことじゃないかな」
「もう、やめようぜ。この話…気分悪ぃ…」
「そ、そうね…ごめんなさい。変なこと言って」
「このジュース美味しいねえ」
「あ!それジュースじゃなくてシードルよ!お酒よ!お酒!!」
話題はそれても。
なんとなく、重苦しい空気がどっしりと居座ってしまったような気がした。
…悪いことしたな…。
ぽつり、と唐突にジェームズが言った。
「乾杯、しようか」
「いいわね」
「何にだよ?」
「…僕たちの友情に?」
「俺にきくな」
「よし。じゃあ一人一つずつ!」
「は!?」
「サク…君、どういう発想してるのさ…」
「いいじゃない。別に」
だって。良い気分なんだものー。
「よぉし。んじゃ、ジェームズから!」
「…じゃあ、僕たちの友情に」
やっぱりそれでくるんですか。
じゃあねえ・・・
「この美しい星空に!」
「お。なかなかロマンティックだね」
「…シリウスは?」
「シリウスは何に乾杯するんだい?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
空を見上げて、何かを考え込むような顔をしていたシリウスが、ふっと、笑った。
息を呑むほど、綺麗な笑顔。
「幸運に」
幸運に。
なんの幸運なのか。
添えられる言葉もなく、ただそれだけをつむいで、シリウスは空にむかって、グラスを掲げた。
「乾杯!」