1年生(親世代) 完結 (99話)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
56
ぽん、とその柱を叩いたシリウスが上から下まで眺めて、ふと表情を緩めた。
「グランドハープか」
「へ?ハープってそんなに種類あったっけ」
サイズの違いじゃなくて?
「ああ。ペダルのないアイリッシュ。弓形のアルパ。小型のゲルトナー…ライアーともいうな」
おお。詳しい。
「でも、ホントに弾けるんだー」
「・・・・・お前、何だと思って俺を指名したんだ?」
「良い家のお坊ちゃんだから変なことでも出来るかと思って」
「・・・お前、やっぱりいっぺんどっかで頭かち割って来い」
やれやれ、と言いたげにテーブルに飛び乗り、ジェームズの差し出した椅子に座ったシリウスが…その手を弦に伸ばした。
「これは・・・」
「月の光・・・」
ドビュッシーのベルガマスク組曲第3番。
手のひらに比べて長い、細くて関節がくっきりとした形の良い指が弦に絡みつくように音を鳴らす。
まるで、その大きな楽器を抱き寄せるようにしながら、シリウスはその美しい曲をつむぎだした。
目を閉じて。楽器の声を聴く。
シリウスが歌わせる、楽器の声を。
それは、清冽で。
差し込む月の光のやわらかさではなく…夜空に君臨する王のような輝きそのままのような音だった。
たとえるならば…夏の月。
あの熱い夜の中でも、そこだけは凛と涼やかで。
明るく、その光で大地を照らし出すかのような。
いや、それとも・・・冬だろうか。
凍えた夜の空気を裂くようにさしこむ光。
そして・・・その月を失った夜に、全天で最も輝く灼熱の星。
青白く輝く…あの星。
と、演奏が止まる。
同時に、割れんばかりの拍手が起こった。
この争いに関係ない人たちからもあがる拍手。
シリウスの演奏は、すばらしかった。掛け値なしに。
「すばらしいですわ・・・さすがブラック家のシリウスさま・・・」
「ええ。本当に」
ささやき交わすスリザリン生たちに、あたしはびしっと人差し指を突きつけた。
あ、人を指差してはいけないわよ?
「これに懲りたらあたしに喧嘩を売るのはやめるのね!」
「・・・なんですって?」
「だからっどうしてシリウスさまとあなたとの喧嘩に関係あるのよ!!」
「ほほう。喧嘩を売ったことは認めるわけね?」
「・・・・・・・・・・・・・・っ」
「あ、あなたにまともになんて付き合っていられないわ!ばかばかしい!」
あらそ。ありがとう。
行きましょう、と去っていくその後姿に、ジェームズがにこやかに告げた。。
「今後喧嘩を売るなら相手を考えるんだね。いつだってお相手するよ。シリウスが!」
信じられない、というようにこちらを見たスリザリン生。と、テーブルからコケ落ちるシリウス。
「お前らと俺って・・・なんで友達なんだろうな…」
答えは、なんと。
全く同時だった。
「やぁねえ!」
「やだなあ!」
「僕(あたし)たちがシリウスを愛してるからに決まってるじゃない!」
「もう、いい・・・・・・好きにしてくれ・・・」
放置された楽器を片付けたところで、シリウスが仏頂面で口を開いた。
「これっきりだからな」
「うん。ありがと」
でもね。
「でもさ、シリウス」
「ん?」
「めっちゃ似合わなかった。ハープ」
なんというかね。ハープという楽器の持ってる繊細さと無縁だからさ。シリウスって。
ほら。優美とか繊細とかシリウスにおおよそ似合わない形容詞がつく楽器だもんね。
シリウスは顔を目を見開いて、顔を真っ赤にした。
「・・・・・・・・・・てめえ!言うに事欠いてそういうことを言うか!!」
ぽん、とその柱を叩いたシリウスが上から下まで眺めて、ふと表情を緩めた。
「グランドハープか」
「へ?ハープってそんなに種類あったっけ」
サイズの違いじゃなくて?
「ああ。ペダルのないアイリッシュ。弓形のアルパ。小型のゲルトナー…ライアーともいうな」
おお。詳しい。
「でも、ホントに弾けるんだー」
「・・・・・お前、何だと思って俺を指名したんだ?」
「良い家のお坊ちゃんだから変なことでも出来るかと思って」
「・・・お前、やっぱりいっぺんどっかで頭かち割って来い」
やれやれ、と言いたげにテーブルに飛び乗り、ジェームズの差し出した椅子に座ったシリウスが…その手を弦に伸ばした。
「これは・・・」
「月の光・・・」
ドビュッシーのベルガマスク組曲第3番。
手のひらに比べて長い、細くて関節がくっきりとした形の良い指が弦に絡みつくように音を鳴らす。
まるで、その大きな楽器を抱き寄せるようにしながら、シリウスはその美しい曲をつむぎだした。
目を閉じて。楽器の声を聴く。
シリウスが歌わせる、楽器の声を。
それは、清冽で。
差し込む月の光のやわらかさではなく…夜空に君臨する王のような輝きそのままのような音だった。
たとえるならば…夏の月。
あの熱い夜の中でも、そこだけは凛と涼やかで。
明るく、その光で大地を照らし出すかのような。
いや、それとも・・・冬だろうか。
凍えた夜の空気を裂くようにさしこむ光。
そして・・・その月を失った夜に、全天で最も輝く灼熱の星。
青白く輝く…あの星。
と、演奏が止まる。
同時に、割れんばかりの拍手が起こった。
この争いに関係ない人たちからもあがる拍手。
シリウスの演奏は、すばらしかった。掛け値なしに。
「すばらしいですわ・・・さすがブラック家のシリウスさま・・・」
「ええ。本当に」
ささやき交わすスリザリン生たちに、あたしはびしっと人差し指を突きつけた。
あ、人を指差してはいけないわよ?
「これに懲りたらあたしに喧嘩を売るのはやめるのね!」
「・・・なんですって?」
「だからっどうしてシリウスさまとあなたとの喧嘩に関係あるのよ!!」
「ほほう。喧嘩を売ったことは認めるわけね?」
「・・・・・・・・・・・・・・っ」
「あ、あなたにまともになんて付き合っていられないわ!ばかばかしい!」
あらそ。ありがとう。
行きましょう、と去っていくその後姿に、ジェームズがにこやかに告げた。。
「今後喧嘩を売るなら相手を考えるんだね。いつだってお相手するよ。シリウスが!」
信じられない、というようにこちらを見たスリザリン生。と、テーブルからコケ落ちるシリウス。
「お前らと俺って・・・なんで友達なんだろうな…」
答えは、なんと。
全く同時だった。
「やぁねえ!」
「やだなあ!」
「僕(あたし)たちがシリウスを愛してるからに決まってるじゃない!」
「もう、いい・・・・・・好きにしてくれ・・・」
放置された楽器を片付けたところで、シリウスが仏頂面で口を開いた。
「これっきりだからな」
「うん。ありがと」
でもね。
「でもさ、シリウス」
「ん?」
「めっちゃ似合わなかった。ハープ」
なんというかね。ハープという楽器の持ってる繊細さと無縁だからさ。シリウスって。
ほら。優美とか繊細とかシリウスにおおよそ似合わない形容詞がつく楽器だもんね。
シリウスは顔を目を見開いて、顔を真っ赤にした。
「・・・・・・・・・・てめえ!言うに事欠いてそういうことを言うか!!」