5年生(親世代) 製作中
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41
目を覚ましたら、リリーがぼろぼろ泣いていた。
心臓にずしっときた。
そうだよなあ、心配かけたよなあ。
ここにいるってことはマダムが根負けしたかもう入れていいっていう話になったかどっちかな んだろうとは思うんだけど。
「・・・リリー」
「馬鹿」
うお、直球。
「・・・・・うん」
「馬鹿馬鹿馬鹿!ほんっとにバカなんだから!」
いや、リリーさん、さすがにバカ5連発はちょっとひどいっすよ。
バカなのは認めるけど。
「なんで、言ってくれないの!?」
「・・・リリー」
「私・・・っわたし、確かにた、頼りないかもしれないけどっ!友達じゃないの!?ブラックやポッターや・・・セブルスじゃなきゃだめなの!?」
「リリー」
違う。そんなことない。
リリーの頭を抱き寄せたかったけれど、手がそこまで届かない。
「違う、よ。あたし、死ぬ気なんてなかった。まったくなかった。そこまで追い詰められていることに、自分で気付かなかった」
本当に、なかったのだ。
そんなつもり、かけらも。
自殺したいとも、死にたいとも、何一つ思わなかった。
楽になりたいとも思わなかったのだ。
ただ、水が冷たくて気持ちいいと思っただけだったのに。
「き、気付かなくて・・・止められなくて・・・っ」
「リリーのせいじゃない。リリーは・・・アリスも、マギーも、なにも悪くない。あたしはみんなを友達だと思ってるし、シリウスやジェームズやセブルスと比べたことも一回もない。区別したこともない。みんな、あたしの大事な友だちで、ずっと、一緒に生きたい人で、ただ、あたしが失敗しただけ。誰も、誰も悪くなんてない」
冗談でもシリウスだ、なんていったら今すぐ殺しに行きそうな勢いなのでそれは言わない。
それに、冗談でごまかしていいことじゃないんだから。
「ごめんなさい。心配かけた。セブルスが気づいてくれなかったら、大変なことになっていたと、思う」
いまさらになって、背筋が凍る。
あの瞬間、私は死んでいてもおかしくなかった。
人間が自殺する瞬間って、こんなものなのかと思った。
死んだら、とも思わなかったし、それが何につながるのかも、考え付かなかった。
それがなによりも怖かった。
「あたしって、弱いなあって・・・思ってたの。
「弱くないわよ・・・サクは、強いわ」
「・・・あたしは、弱虫だよ。いつだって怖くて、虚勢はって生きてる。それがはがれたらうろたえて、自分でどうにもできなくなったらぐらぐらして。思いつきできめた信念なんて、何年も持つものじゃないんだと思い知らされた」
この世界で、シリウスたちと生きると決めたのは、ほんの一瞬の思いつきと、目の前の幸運に飛びついたから。
みんなを助けたいという気持ちと、この夢のような世界で過ごしたいという思いと。
みんなを知れば知るほど、一緒にすごせばすごすほど、その思いつきが薄っぺらなものなように感じた。
だから余計に、そのことにこだわった。
ただいたくてふらふらしてるわけじゃない、シリウスの周りに群がってる女の子たちとは違う。あたしにはやらなきゃならないことがあって、それは未来を知っているあたしにしかできないんだって。
こだわってこだわって、自分を締め付けて、シリウスやジェームズにそれを押し付けて。
その自分がおろかだと気づいているのに、何度もぐだぐだと悩んで、同じことで堂々巡りで、何度も何度も・・・懲りずに、ついには周りを傷つけて、なのに、自分でどうにもできなくて。
傷つけることを止めることも、自分を見つめなおすこともできなくて、結局、最後はこうなった。
思い知らされたといいながら、これから先どうしていいかわからなくなっただけ。
「・・・重かったんだね」
ぽつりとかけられた言葉に、そこにリーマスがいたのを知った。
いつもの、どこか超越したような笑みを浮かべていた。
「重いものを、背負ってたんだね」
ほろりと涙がこぼれた。
暖かい、涙だった。
「わかってたよ、サクがなにか重たいものを背負っていることは。それが何かは知らないし、僕には背負えないものだけれど」
そう、重いものを持っていた。誰とも分かち合えない、分かち合ってはいけないものだった。
「荷物って、重すぎると重いって思えなくなる。自分の背中にのしかかってるのに耐えることに一生懸命になってしまって、ただその荷物を降ろしたり、一緒に持ってくれるひとと分かちあえばいいだけのなのに、それがどうしてもできないことのように思えてしまって」
リーマスの細くかさついた指があたしの額にかかった髪をさらりとよけた。
「背中にはりつけたまま、進んで進んで、顔も上げられないぐらいどんどん重くなって、耐え切れなくなってどこに進めばよかったのかもわからなくなってしまって途方にくれるんだ」
なのに、どうにかしようとあがいた。あがいてあがいて、ついにはその荷物につぶされた。
「リリーも、君も、僕も、シリウスやジェームズも、そんな荷物をたくさん背負っているね」
ただ淡々とそう告げるリーマスの負った荷物もまた、とんでもなく重いものだ。
「自分の荷物は自分で背負わなきゃいけないし、僕も僕の荷物は自分で背負っていかなければならないんだ。下ろせたような気になっていたら、ああ、やっぱりそのまま僕の背中に張り付いていたんだって思う。だけどね、サク。僕が一瞬でも重さを忘れることができたのも、やっぱり君のおかげなんだ」
「・・・ジェームズは、自分で気づいたのよ」
あたしじゃ、ない。
「でもね、僕たちを支えて、ばらばらになりそうだったのをもう一度結びつけてくれたのは、君だよ」
え、と思った。
そんなことがあっただろうか。
「化け物だって言ったらどうするって聞いた僕に、君は『どうもしない』と言った。あの時、君はもう僕が人狼だって、知っていたのに」
ひゅっと、リリーが息を呑んだ音がした。
ああ、そうか、リリーは知らなかったんだ。
「ジェームズの背中を押してくれたのも、君だ。ジェームズが言っていた。あの時、サクがあっさり肯定してくれたから、あの一歩を踏み出せたって。だから、あの時から僕は決めたんだよ。君がその背負っているものに押しつぶされそうになるときがきたら、迷いなく君を支えるって」
そんなことを言ったことも忘れていた。
たったそれだけのことを、きっとあたしはなにも考えずにやっていたんだろう。
それだけのことに、リーマスがそこまで言ってくれるなんて、あたしは思いもしなかった。
「君がやってきた何気ないことには、それだけの威力があったんだ。一生懸命になること、誰かのために尽くせること、計算なんて関係なく、人の利害に関係なく、誰かのために尽くせること。その尊さを、君の姿に感じた。君に助けられた人は多い。そのことを忘れないで。否定しないで」
「さ、最近・・・」
「うん?」
「ないてばっかり・・・・・・そのうち、目が溶けるんじゃないかしら、あたし・・・」
「うーん。とけたらきっとシリウスが悲しむよ」
そっちかい。
心が溶けていくみたいだった。
身体中の力が抜けて、心の力も抜けて。
きっと、目が覚めたら、素直にもう一度、考えられる。
きっと。
「ありがとう、リーマス。リリー」
そう自分を信じてみたいと、思った。
「もう、うじうじ悩むの、止めるわ。あたしらしくないじゃない?」
二人とも、にっこり笑ってうなずいてくれた。
もう悩むのは止めた。
もう一度、最初に戻ればいい。
もう忘れていた、リーマスたちを支えたというあたし。
ちくしょう、うらやましいぞ、過去のあたし。いつの間にそんな素敵なことしてるのよ。
あんなにも重大なことを、あっさりと決めることができたあたし。
今なんて余計なことばっかり考えて、ぜんぜん答えを見つけられない。
それどころか、過去と同じ決断は、今のあたしにはできないだろう。
それはきっと、心の違い。
もう一度、そうなりたい。
もう一度、そんな風に進めるような自分になりたい。
目を覚ましたら、リリーがぼろぼろ泣いていた。
心臓にずしっときた。
そうだよなあ、心配かけたよなあ。
ここにいるってことはマダムが根負けしたかもう入れていいっていう話になったかどっちかな んだろうとは思うんだけど。
「・・・リリー」
「馬鹿」
うお、直球。
「・・・・・うん」
「馬鹿馬鹿馬鹿!ほんっとにバカなんだから!」
いや、リリーさん、さすがにバカ5連発はちょっとひどいっすよ。
バカなのは認めるけど。
「なんで、言ってくれないの!?」
「・・・リリー」
「私・・・っわたし、確かにた、頼りないかもしれないけどっ!友達じゃないの!?ブラックやポッターや・・・セブルスじゃなきゃだめなの!?」
「リリー」
違う。そんなことない。
リリーの頭を抱き寄せたかったけれど、手がそこまで届かない。
「違う、よ。あたし、死ぬ気なんてなかった。まったくなかった。そこまで追い詰められていることに、自分で気付かなかった」
本当に、なかったのだ。
そんなつもり、かけらも。
自殺したいとも、死にたいとも、何一つ思わなかった。
楽になりたいとも思わなかったのだ。
ただ、水が冷たくて気持ちいいと思っただけだったのに。
「き、気付かなくて・・・止められなくて・・・っ」
「リリーのせいじゃない。リリーは・・・アリスも、マギーも、なにも悪くない。あたしはみんなを友達だと思ってるし、シリウスやジェームズやセブルスと比べたことも一回もない。区別したこともない。みんな、あたしの大事な友だちで、ずっと、一緒に生きたい人で、ただ、あたしが失敗しただけ。誰も、誰も悪くなんてない」
冗談でもシリウスだ、なんていったら今すぐ殺しに行きそうな勢いなのでそれは言わない。
それに、冗談でごまかしていいことじゃないんだから。
「ごめんなさい。心配かけた。セブルスが気づいてくれなかったら、大変なことになっていたと、思う」
いまさらになって、背筋が凍る。
あの瞬間、私は死んでいてもおかしくなかった。
人間が自殺する瞬間って、こんなものなのかと思った。
死んだら、とも思わなかったし、それが何につながるのかも、考え付かなかった。
それがなによりも怖かった。
「あたしって、弱いなあって・・・思ってたの。
「弱くないわよ・・・サクは、強いわ」
「・・・あたしは、弱虫だよ。いつだって怖くて、虚勢はって生きてる。それがはがれたらうろたえて、自分でどうにもできなくなったらぐらぐらして。思いつきできめた信念なんて、何年も持つものじゃないんだと思い知らされた」
この世界で、シリウスたちと生きると決めたのは、ほんの一瞬の思いつきと、目の前の幸運に飛びついたから。
みんなを助けたいという気持ちと、この夢のような世界で過ごしたいという思いと。
みんなを知れば知るほど、一緒にすごせばすごすほど、その思いつきが薄っぺらなものなように感じた。
だから余計に、そのことにこだわった。
ただいたくてふらふらしてるわけじゃない、シリウスの周りに群がってる女の子たちとは違う。あたしにはやらなきゃならないことがあって、それは未来を知っているあたしにしかできないんだって。
こだわってこだわって、自分を締め付けて、シリウスやジェームズにそれを押し付けて。
その自分がおろかだと気づいているのに、何度もぐだぐだと悩んで、同じことで堂々巡りで、何度も何度も・・・懲りずに、ついには周りを傷つけて、なのに、自分でどうにもできなくて。
傷つけることを止めることも、自分を見つめなおすこともできなくて、結局、最後はこうなった。
思い知らされたといいながら、これから先どうしていいかわからなくなっただけ。
「・・・重かったんだね」
ぽつりとかけられた言葉に、そこにリーマスがいたのを知った。
いつもの、どこか超越したような笑みを浮かべていた。
「重いものを、背負ってたんだね」
ほろりと涙がこぼれた。
暖かい、涙だった。
「わかってたよ、サクがなにか重たいものを背負っていることは。それが何かは知らないし、僕には背負えないものだけれど」
そう、重いものを持っていた。誰とも分かち合えない、分かち合ってはいけないものだった。
「荷物って、重すぎると重いって思えなくなる。自分の背中にのしかかってるのに耐えることに一生懸命になってしまって、ただその荷物を降ろしたり、一緒に持ってくれるひとと分かちあえばいいだけのなのに、それがどうしてもできないことのように思えてしまって」
リーマスの細くかさついた指があたしの額にかかった髪をさらりとよけた。
「背中にはりつけたまま、進んで進んで、顔も上げられないぐらいどんどん重くなって、耐え切れなくなってどこに進めばよかったのかもわからなくなってしまって途方にくれるんだ」
なのに、どうにかしようとあがいた。あがいてあがいて、ついにはその荷物につぶされた。
「リリーも、君も、僕も、シリウスやジェームズも、そんな荷物をたくさん背負っているね」
ただ淡々とそう告げるリーマスの負った荷物もまた、とんでもなく重いものだ。
「自分の荷物は自分で背負わなきゃいけないし、僕も僕の荷物は自分で背負っていかなければならないんだ。下ろせたような気になっていたら、ああ、やっぱりそのまま僕の背中に張り付いていたんだって思う。だけどね、サク。僕が一瞬でも重さを忘れることができたのも、やっぱり君のおかげなんだ」
「・・・ジェームズは、自分で気づいたのよ」
あたしじゃ、ない。
「でもね、僕たちを支えて、ばらばらになりそうだったのをもう一度結びつけてくれたのは、君だよ」
え、と思った。
そんなことがあっただろうか。
「化け物だって言ったらどうするって聞いた僕に、君は『どうもしない』と言った。あの時、君はもう僕が人狼だって、知っていたのに」
ひゅっと、リリーが息を呑んだ音がした。
ああ、そうか、リリーは知らなかったんだ。
「ジェームズの背中を押してくれたのも、君だ。ジェームズが言っていた。あの時、サクがあっさり肯定してくれたから、あの一歩を踏み出せたって。だから、あの時から僕は決めたんだよ。君がその背負っているものに押しつぶされそうになるときがきたら、迷いなく君を支えるって」
そんなことを言ったことも忘れていた。
たったそれだけのことを、きっとあたしはなにも考えずにやっていたんだろう。
それだけのことに、リーマスがそこまで言ってくれるなんて、あたしは思いもしなかった。
「君がやってきた何気ないことには、それだけの威力があったんだ。一生懸命になること、誰かのために尽くせること、計算なんて関係なく、人の利害に関係なく、誰かのために尽くせること。その尊さを、君の姿に感じた。君に助けられた人は多い。そのことを忘れないで。否定しないで」
「さ、最近・・・」
「うん?」
「ないてばっかり・・・・・・そのうち、目が溶けるんじゃないかしら、あたし・・・」
「うーん。とけたらきっとシリウスが悲しむよ」
そっちかい。
心が溶けていくみたいだった。
身体中の力が抜けて、心の力も抜けて。
きっと、目が覚めたら、素直にもう一度、考えられる。
きっと。
「ありがとう、リーマス。リリー」
そう自分を信じてみたいと、思った。
「もう、うじうじ悩むの、止めるわ。あたしらしくないじゃない?」
二人とも、にっこり笑ってうなずいてくれた。
もう悩むのは止めた。
もう一度、最初に戻ればいい。
もう忘れていた、リーマスたちを支えたというあたし。
ちくしょう、うらやましいぞ、過去のあたし。いつの間にそんな素敵なことしてるのよ。
あんなにも重大なことを、あっさりと決めることができたあたし。
今なんて余計なことばっかり考えて、ぜんぜん答えを見つけられない。
それどころか、過去と同じ決断は、今のあたしにはできないだろう。
それはきっと、心の違い。
もう一度、そうなりたい。
もう一度、そんな風に進めるような自分になりたい。