5年生(親世代) 製作中
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見えたのは、倒れこんでいく先に突き出た、木の杭。
とっさに抱きかかえて、後ろに突き出た杭からかばった。
手の甲に杭がわずかに刺さった感触とともに、ずしり、と手に重みが掛かる。
ほっと、息を吐き出す。
同時に、背筋が凍りつく。
杭の先端は、きれいにとがっていた。
間違いなく、その身体を貫こうとするように。
それも、金属ではなく、抜きにくい木の杭。
いかに癒者が優秀でも、これでは、即死になりかねない。
それほどの憎悪か、殺意か。
それを向けられていたのだ。サクラは。
その事実に、ぞっとした。
湧き上がってきたのは、怒り。
またいつもの調子で敵を作ったのだ。
この、馬鹿は!!
「動くなよ?危ないからな」
「へ?」
へ?じゃない。
「なにやってんだ、お前は・・・」
「なにやってんだっていわれてもー・・・ね?」
呑気な答えにげっそりして、責めたくなる言葉を飲み込む。
こいつは、
「・・・空間をつなぐ魔法か。少なくとも4年生以上だな」
「空間をつなぐ魔法?」
「姿現しと同じ原理だ。一瞬で空間を移動する魔法の理論を応用して、空間と空間をつなげる。壁やドアを使えば簡単ではないけれど勉強さえすればできる」
「・・・へえ」
「このホグワーツでは姿現しはできないが、その理論を応用した術はあちこちにある。応用は可能ということだ」
「なるほどね」
呑気な返事にため息をついて、少し引き寄せて、腕の中に抱きしめる。
少しでも、杭から遠ざけたかった。
けれど、足場もそれほど多くない。
「・・・シリウス」
「ん?」
「痛い」
「・・・・・・我慢してろ」
ちょっとでも手を緩めると危ないような気がして、力を抜くどころじゃなかった。
だというのに。
なんだかごそごそしてるな、と思ったら、ずるっと足を滑らせやがった。
「危ない!」
ぎょっとして伸ばした手はサクラの肩をしっかりと抱きとめたけれど・・・少し遅かった。
ごん、とすさまじい音がしてこわばっていた、捕まえた身体がくたりと解ける。
「サクラ!?」
完全に目を回していた。
とりあえず、頭を打ったのは壁で、後頭部には傷もなかったし出血もしていなかった。
・・・・・・・・・熱を持ったでかいこぶはあったけれど。
「ほんっと、抜けてんだよなあ・・・」
変なところでしっかりもので、へんなところで抜けている。
頼れるんだか頼れないんだかわからない。
時々やらかす無茶が心配でならない。
昔はもう少し頼れて、安心してみていられたし、頼もしくすら感じたことがあるのに。
いつからこんなに心配になったのやら。
ただ、であったときから変わっていない彼女が、なんとなく嬉しいのは確かだ。
でも心配になるし、イライラする。
こんなに心配しているのに、こいつは何をやっているんだか。
次から次へと騒動を起こして、余計なところに首を突っ込んで。
そんなに強いわけでも、魔法に長けているわけでも、狡猾でもないのに。
だから危ないから寄るなといっても、首を突っ込んでくる。
あげくがこの事態だ。
まったくイライラする。
だからブラック家に近づくな、俺にかまうな、と散々言ったのに。
人の話を聞かない彼女を見捨ててやろうと思うこともあるのに、なぜかそうできない。
昔から変わらずニコニコしている彼女を見ると、腰に手をあてて怒る彼女を見ると、なんだか仕方ないなあという気分になる。
そんなの、世界中でこの女だけだ。
かかわるのをやめようとしたとたんに何かを起こしてくれる。
で、申し訳なさそうに謝るのだ。
ごめんね、と。
で、シリウスがいい加減にしろと怒ると、今度はむっとした顔で唇を尖らせる。
「子どもかってんだ」
レギュラスでももう少し大人だ。
ふいに、腕の中の身体を意識した。
「・・・こんなに、小さかったか」
大きく見えていた。
あのベラトリクスやルシウスに堂々と目をキラキラさせてとんでもない台詞を言った。
ブラック家ブラック家とうるさくシリウスを庇護しようとした教授たちに煙に巻くような毒舌を放った。
アンドロメダを駆け落ちさせるために泥をかぶって。
誰もに冷たい目で見られても、何を言われても、まっすぐに背中を伸ばしていた。
自分の信じる道を突き進む姿はいっそ爽快だった。
いつだって明るくて、元気で・・・大きく見えていた。
こんなに、小さかったのか。
他の女達のように、この腕に収まってしまうほどに。
いや・・・東洋人だからか。
彼女は、他の女たちより、小さく感じた。
きっと、おきていないからだ。
小さいといったら、いつものいきおいできっと怒るのだろう。
シリウスを小さい子どもを守るように庇護しようとする、サクラは。
そう思ったとたん、イラっとした。
いつまでもこちらだって子どもではないのだ。
大体、同じ年だろうが。
子ども扱いされるいわれはない。
こんな、小さいやつに。
本当に手がかかる。
妹がいたら、こんなかんじなのだろうか。
そう思いながら抱えなおす。
ふわっと、良いにおいがした。
「・・・なんだ、香水つけてたのか」
そういうしゃれっ気と無縁だと思っていた。
彼女の好きな香りなのだろう。
似合っているな、と思った。
そういえば、こんなに間近で見るのは初めてだ。
その肩を引き寄せたことはある。
抱き上げてやったり、受け止めてやったり・・・そういや、色々してるのではないだろうか。
この俺が、随分お人よしなまねをしている。
―――キスを
ん?
―――――キスをしたいと思ったことはないの?
あいつの声が蘇った。
最近、やたらとサクラを意識させようとせっせと画策してる、あのバカ。
大きなお世話だ。
こいつを女と思ったことは一度も、ない。
「キス、か・・・」
うっすらと開いた唇を見つめる。
他の女と、変わらない。
これが開けば次から次へと毒舌があふれ、笑い声があふれ、けらけらと笑って、人を脅かす言葉を吐くのだからたちが悪い。
キスをしろというなら、簡単に出来る。
ああ、簡単だ。
他の女達のように、引き寄せて、唇で触れればいい。
その唇を舌でなぞって開かせて、その口腔にねじこめばいい。
あとはむさぼるだけだ。
だが、こいつにそれをしたいと思ったことはない。
今の今まで。
だが・・・この唇に、口付けたやつがいる。
ジェームズは、そう言った。
想像すら、しなかった。
この身体が、男の腕の中にあること。
この唇が、男の唇に奪われること。
この瞳が、男を見つめること。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ちょっとムカついた。
妹がいて、恋人を連れてきたら、こんな気持ちになるのだろうか。
誰かが、この唇にキスをしたのだろうか。
―――キス、を、したいと思ったことは・・・。
「ない」
だが、そんなこと、簡単だ。
簡単じゃないか。
そう。触れればいいだけだ。
この、唇に。
ちょっと触れればいいだけだ。
重なった唇は、温かくて、やわらかかった。
ふにゃっとした感触が触れるのも、口付けた瞬間に感じる温度も、なにも他と違わない。
いつもどおりだ。
ほら。
簡単じゃないか。
キスをするなんて、簡単だ。
触れてしまえば、離れるのが惜しくなった。
あれだけけしかけられて、キスをしたんだ。
サクラもおきてない。
なら、もっとしていても悪くない。
だって、気づいていないのだから。
別に、キスをしたって悪くない。
これでジェームズに「してみたけどなんとも思わなかった」といえるじゃないか。
そうだ。ちょっと触れただけじゃわからないんだから。
キスをしたっていいじゃないか。
ルシウスとそういう関係だったというのなら、初めてじゃ、ないんだし。
少しぐらい、いいはずだ。
そう思いながら、唇を重ねる。
かすかに漂う香りに、酔いそうだった。
とっさに抱きかかえて、後ろに突き出た杭からかばった。
手の甲に杭がわずかに刺さった感触とともに、ずしり、と手に重みが掛かる。
ほっと、息を吐き出す。
同時に、背筋が凍りつく。
杭の先端は、きれいにとがっていた。
間違いなく、その身体を貫こうとするように。
それも、金属ではなく、抜きにくい木の杭。
いかに癒者が優秀でも、これでは、即死になりかねない。
それほどの憎悪か、殺意か。
それを向けられていたのだ。サクラは。
その事実に、ぞっとした。
湧き上がってきたのは、怒り。
またいつもの調子で敵を作ったのだ。
この、馬鹿は!!
「動くなよ?危ないからな」
「へ?」
へ?じゃない。
「なにやってんだ、お前は・・・」
「なにやってんだっていわれてもー・・・ね?」
呑気な答えにげっそりして、責めたくなる言葉を飲み込む。
こいつは、
「・・・空間をつなぐ魔法か。少なくとも4年生以上だな」
「空間をつなぐ魔法?」
「姿現しと同じ原理だ。一瞬で空間を移動する魔法の理論を応用して、空間と空間をつなげる。壁やドアを使えば簡単ではないけれど勉強さえすればできる」
「・・・へえ」
「このホグワーツでは姿現しはできないが、その理論を応用した術はあちこちにある。応用は可能ということだ」
「なるほどね」
呑気な返事にため息をついて、少し引き寄せて、腕の中に抱きしめる。
少しでも、杭から遠ざけたかった。
けれど、足場もそれほど多くない。
「・・・シリウス」
「ん?」
「痛い」
「・・・・・・我慢してろ」
ちょっとでも手を緩めると危ないような気がして、力を抜くどころじゃなかった。
だというのに。
なんだかごそごそしてるな、と思ったら、ずるっと足を滑らせやがった。
「危ない!」
ぎょっとして伸ばした手はサクラの肩をしっかりと抱きとめたけれど・・・少し遅かった。
ごん、とすさまじい音がしてこわばっていた、捕まえた身体がくたりと解ける。
「サクラ!?」
完全に目を回していた。
とりあえず、頭を打ったのは壁で、後頭部には傷もなかったし出血もしていなかった。
・・・・・・・・・熱を持ったでかいこぶはあったけれど。
「ほんっと、抜けてんだよなあ・・・」
変なところでしっかりもので、へんなところで抜けている。
頼れるんだか頼れないんだかわからない。
時々やらかす無茶が心配でならない。
昔はもう少し頼れて、安心してみていられたし、頼もしくすら感じたことがあるのに。
いつからこんなに心配になったのやら。
ただ、であったときから変わっていない彼女が、なんとなく嬉しいのは確かだ。
でも心配になるし、イライラする。
こんなに心配しているのに、こいつは何をやっているんだか。
次から次へと騒動を起こして、余計なところに首を突っ込んで。
そんなに強いわけでも、魔法に長けているわけでも、狡猾でもないのに。
だから危ないから寄るなといっても、首を突っ込んでくる。
あげくがこの事態だ。
まったくイライラする。
だからブラック家に近づくな、俺にかまうな、と散々言ったのに。
人の話を聞かない彼女を見捨ててやろうと思うこともあるのに、なぜかそうできない。
昔から変わらずニコニコしている彼女を見ると、腰に手をあてて怒る彼女を見ると、なんだか仕方ないなあという気分になる。
そんなの、世界中でこの女だけだ。
かかわるのをやめようとしたとたんに何かを起こしてくれる。
で、申し訳なさそうに謝るのだ。
ごめんね、と。
で、シリウスがいい加減にしろと怒ると、今度はむっとした顔で唇を尖らせる。
「子どもかってんだ」
レギュラスでももう少し大人だ。
ふいに、腕の中の身体を意識した。
「・・・こんなに、小さかったか」
大きく見えていた。
あのベラトリクスやルシウスに堂々と目をキラキラさせてとんでもない台詞を言った。
ブラック家ブラック家とうるさくシリウスを庇護しようとした教授たちに煙に巻くような毒舌を放った。
アンドロメダを駆け落ちさせるために泥をかぶって。
誰もに冷たい目で見られても、何を言われても、まっすぐに背中を伸ばしていた。
自分の信じる道を突き進む姿はいっそ爽快だった。
いつだって明るくて、元気で・・・大きく見えていた。
こんなに、小さかったのか。
他の女達のように、この腕に収まってしまうほどに。
いや・・・東洋人だからか。
彼女は、他の女たちより、小さく感じた。
きっと、おきていないからだ。
小さいといったら、いつものいきおいできっと怒るのだろう。
シリウスを小さい子どもを守るように庇護しようとする、サクラは。
そう思ったとたん、イラっとした。
いつまでもこちらだって子どもではないのだ。
大体、同じ年だろうが。
子ども扱いされるいわれはない。
こんな、小さいやつに。
本当に手がかかる。
妹がいたら、こんなかんじなのだろうか。
そう思いながら抱えなおす。
ふわっと、良いにおいがした。
「・・・なんだ、香水つけてたのか」
そういうしゃれっ気と無縁だと思っていた。
彼女の好きな香りなのだろう。
似合っているな、と思った。
そういえば、こんなに間近で見るのは初めてだ。
その肩を引き寄せたことはある。
抱き上げてやったり、受け止めてやったり・・・そういや、色々してるのではないだろうか。
この俺が、随分お人よしなまねをしている。
―――キスを
ん?
―――――キスをしたいと思ったことはないの?
あいつの声が蘇った。
最近、やたらとサクラを意識させようとせっせと画策してる、あのバカ。
大きなお世話だ。
こいつを女と思ったことは一度も、ない。
「キス、か・・・」
うっすらと開いた唇を見つめる。
他の女と、変わらない。
これが開けば次から次へと毒舌があふれ、笑い声があふれ、けらけらと笑って、人を脅かす言葉を吐くのだからたちが悪い。
キスをしろというなら、簡単に出来る。
ああ、簡単だ。
他の女達のように、引き寄せて、唇で触れればいい。
その唇を舌でなぞって開かせて、その口腔にねじこめばいい。
あとはむさぼるだけだ。
だが、こいつにそれをしたいと思ったことはない。
今の今まで。
だが・・・この唇に、口付けたやつがいる。
ジェームズは、そう言った。
想像すら、しなかった。
この身体が、男の腕の中にあること。
この唇が、男の唇に奪われること。
この瞳が、男を見つめること。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ちょっとムカついた。
妹がいて、恋人を連れてきたら、こんな気持ちになるのだろうか。
誰かが、この唇にキスをしたのだろうか。
―――キス、を、したいと思ったことは・・・。
「ない」
だが、そんなこと、簡単だ。
簡単じゃないか。
そう。触れればいいだけだ。
この、唇に。
ちょっと触れればいいだけだ。
重なった唇は、温かくて、やわらかかった。
ふにゃっとした感触が触れるのも、口付けた瞬間に感じる温度も、なにも他と違わない。
いつもどおりだ。
ほら。
簡単じゃないか。
キスをするなんて、簡単だ。
触れてしまえば、離れるのが惜しくなった。
あれだけけしかけられて、キスをしたんだ。
サクラもおきてない。
なら、もっとしていても悪くない。
だって、気づいていないのだから。
別に、キスをしたって悪くない。
これでジェームズに「してみたけどなんとも思わなかった」といえるじゃないか。
そうだ。ちょっと触れただけじゃわからないんだから。
キスをしたっていいじゃないか。
ルシウスとそういう関係だったというのなら、初めてじゃ、ないんだし。
少しぐらい、いいはずだ。
そう思いながら、唇を重ねる。
かすかに漂う香りに、酔いそうだった。