5年生(親世代) 製作中
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「あの・・んな・・」
「こん・・・・・レギュラスさま・・・・」
ちらり、と聞こえてきた名前が気になった。
レギュラス?
あの弟が、どうかしたのだろうか。
物静かで、決して家の不利になることはしない弟。
両親のお気に入りの息子。
・・・もっと、自由に生きても良いと思うのに。
そう思いながらとめた足を動かそうとした瞬間。
「あのひと、シリウスさまに振られたら今度はレギュラスさまですって!?」
「なんて節操がないの!!」
今度ははっきりと聞こえてきた。
あの、ひと?
蘇ったのは、母に言われた、言葉。
―――あの子は、あなたが思っているような女性ではありませんよ。
彼女が今、どんな目にあっているかは知っていた。
だが、その原因も知っていた。手だしをする気はなかった。
彼女に原因があるのだから、自分で気付いて改善しない限りはどうにもならない。
シリウスは、それに手を貸す気はなかった。
それだけだった、はずなのだ。
母の言った言葉など、今の今まで、蘇ることすらなかったのに。
なぜ、今。
「なんだと?」
「あ・・・・・・っ」
「シリウスさま・・・」
「シリウス!」
ひときわ明るい声を上げたのは、確か、何度か寝たことのある女だった。
下級生だったはずだ。
ハッフルパフの、何年生だったか。
「今の話は、どういうことだ?」
「ア・・・・・・・・・」
お互いにつつきあいながら顔を見合わせる少女たちにイラだつ。
「どういうことだ?」
「・・・その、キリュウ、先輩なんですけど」
予想していた、けれど、そうであって欲しくなかった名前に、しらず、顎が痛くなるほど、歯をかみ締めていた。
「キリュウさんが、レギュラスさまとご一緒していたって・・・」
「とっても親しげなご様子だったって見た人がいるんです」
「噂では、レギュラスさまにその・・・」
「乗り換えたんじゃないかっていう話なのよ!ひどいでしょう!?」
ためらう少女たちの中でただひとり、憤る女。
名前は・・・そう。名前は、マギー、だったはずだ。
グリフィンドールの同級生と同じ名前だったから、記憶に残っている。
「本当の話か?」
鵜呑みにする気にはなれない。
彼女が今置かれている状況を作り出しているのは、目の前の女達のはずだ。
これが、彼女に対する嫌がらせの一部でないと誰が言えるだろう。
「ルシウスさまといい、ウィリアムさまといい、シリウスさまにレギュラスさま・・・つくづくあの方は名家がお好きなのね」
「・・・・・・・・・・・ウィリアム?」
「あ・・・・・・・・っ」
「ウィリアムとは?」
問い詰めたシリウスに、しぶしぶというようにその女が口を開く。
いつもマギーの影からシリウスをうかがって、発情期の猫のような目をしているやつだ。
「・・・・・・・・・・ウィリアム・ポッター先生ですわ」
亡くなった、ジェームズの叔父の名。
かつて、サクラがなついていた教師だった。
「最近では とも一緒にいたとか・・・節操のない・・・」
ここぞ、とばかりにあれこれ言いつけてくる女達の言葉を右から左に聞き流し、情報を整理する。
噂はともかく、レギュラスの名前が浮上してきたからには理由があるはずだ。
耳に、不意にその言葉だけが飛び込んできた。
「キリュウ家の名と血を名家にすがりついて残そうとしている、と噂するものもいますわ」
どくん、と心臓がはねる。
―――彼女が狙っているのは、キリュウ家の再興。もしくは、その血と名を残すこと。
蘇った声。
「シリウスもポッターさまも地位や家を狙われているのですわ!」
「あんな女、どうして側においていらっしゃいますの?」
「それに・・・レギュラスさまとも・・・その、人気のない部屋から出てきたのを、わたくし見てしまいましたの」
まあ、と口々に憤りの声を上げる女達の声が、耳に突き刺さる。
「シリウスさま!あんな女にだまされないでくださいませ!」
「そうですわ。レギュラスさまもだまされているんです!」
「・・・・・・・・・うるさい」
「はい?」
「うるさい!放っておけ!」
そのまま少女たちを置き去りにして、シリウスはレギュラスをさがして校内を歩き回った。
―――どちらにしろ、ブラック家という名は彼女にとってなによりも有益なものでしょう。
そんなことはない、と叫びだしたかった。
(うるさい。うるさいうるさい・・・っ)
だが、否定できなかった。
家の大切さは、身にしみている。
だからこそ、彼女がキリュウ家を再興したいと願うのは、当然だと思った。
―――あなたでも、レギュラスでも良いと、あの娘はいいました。
いつだって明るい笑顔だった。
悩んでいるとき、疲れたとこぼしてしまいそうになったとき、不思議なほど、彼女が側にいた。 救われる言葉を、くれた。
その全てが、全て、そのためだったとしたら。
―――あの娘から離れなさい。シリウス。これは命令です。
(・・・・・・・・・・うるさい!)
聞こえてくる声を断ち切るようにして、声を上げた。
「レギュラス!」
「兄上、今お会いしに行こうと思っていました」
駆け寄るレギュラスが続けた言葉に、向けかけた笑顔がこわばった。
「サクラのとこなのですが・・・」
今まで、レギュラスはミス・キリュウと呼んでいたはずだった。
それが、あの話を裏付けるような気がして、胸の中にもやっとしたものが生まれた。
「今、僕は彼女と・・・」
「レギュラス」
シリウスの声音に、レギュラスの顔が引き締まった。
「はい、兄上」
「これ以上、あいつにかかわるな」
「は!?しかし・・・!」
「ダメだ」
「兄上!今しばらくご容赦ください!今は、それどころでは・・・」
「・・・なんだというのだ」
「彼女の立場が今、非常に危険なことはご存知でしょう?今彼女の側を僕が離れれば、ますます窮地に追い込まれます。いま少し、安全を確保しましてから・・・」
レギュラスが言い募れば言い募るほど、そこが見える、と思った。
最初から、言えばよいものを。
そうすれば、反対などしない。
気に食わない部分もあるが、サクラの性根が曲がっているとは思わない。
むしろ、ひどくまっすぐで、まがることを知らない彼女は、いつか折れてしまいそうにすら見える。
だが、そうはならない。
驚くほどの強靭さでもって、彼女は幾度折れそうになっても、再び笑顔を持って立ち上がるのだ。
あのまっすぐさに、救われた事がないと言えば嘘になる。
それは、レギュラスにとっても変わりないだろう。
だからこそ、レギュラスが本気で彼女を好きだというのなら、心から祝福も出来たというのに。
まずいのは、噂の広がり方だ。
こういった形で耳に入った話は、歓迎できる方向には決して向かわない。
「ブラック家の名を汚すな」
「・・・・・・兄上・・・」
一瞬、レギュラスが泣きそうな顔になった。
「しばらく謹慎して頭を冷やせ」
ためらうようなそぶりをみせるレギュラスに、苛々した。
「レギュラス」
「承知、仕りました・・・」
顔を見せないように下を向いて礼をして。
それきり、振り返ることなく去っていった。
それを見送ってため息をつく。
いつから、こんな事態になっていたのだろう。
よもや、レギュラスと己が、一人の女を取り合うというような噂すら立てられているとは。
本気で、レギュラスがあいつを好きだというならば。
だが、それは嫌だと思う自分がいる。
そうであってはならない、と。
レギュラスの妻として、理想的だろうかと問われれば、そうではない。
もっと・・・苦労しなくても良い、純血の娘がたくさんいる。
あんな猪突猛進な、後先を考えないで動いて、強情で、感情の移り変わりが激しくて、決して、人前で涙を見せないのに、声を殺して泣くような、あんな女相手にしたら、レギュラスでは受け止められない。
もっと、優しくて、穏やかな女と、家と血統を守っていくことこそ、レギュラスに似合うことだろうから。
だから、嫌なのだ。
レギュラスの隣に、彼女にいてほしくない、と思うのだ。
「こん・・・・・レギュラスさま・・・・」
ちらり、と聞こえてきた名前が気になった。
レギュラス?
あの弟が、どうかしたのだろうか。
物静かで、決して家の不利になることはしない弟。
両親のお気に入りの息子。
・・・もっと、自由に生きても良いと思うのに。
そう思いながらとめた足を動かそうとした瞬間。
「あのひと、シリウスさまに振られたら今度はレギュラスさまですって!?」
「なんて節操がないの!!」
今度ははっきりと聞こえてきた。
あの、ひと?
蘇ったのは、母に言われた、言葉。
―――あの子は、あなたが思っているような女性ではありませんよ。
彼女が今、どんな目にあっているかは知っていた。
だが、その原因も知っていた。手だしをする気はなかった。
彼女に原因があるのだから、自分で気付いて改善しない限りはどうにもならない。
シリウスは、それに手を貸す気はなかった。
それだけだった、はずなのだ。
母の言った言葉など、今の今まで、蘇ることすらなかったのに。
なぜ、今。
「なんだと?」
「あ・・・・・・っ」
「シリウスさま・・・」
「シリウス!」
ひときわ明るい声を上げたのは、確か、何度か寝たことのある女だった。
下級生だったはずだ。
ハッフルパフの、何年生だったか。
「今の話は、どういうことだ?」
「ア・・・・・・・・・」
お互いにつつきあいながら顔を見合わせる少女たちにイラだつ。
「どういうことだ?」
「・・・その、キリュウ、先輩なんですけど」
予想していた、けれど、そうであって欲しくなかった名前に、しらず、顎が痛くなるほど、歯をかみ締めていた。
「キリュウさんが、レギュラスさまとご一緒していたって・・・」
「とっても親しげなご様子だったって見た人がいるんです」
「噂では、レギュラスさまにその・・・」
「乗り換えたんじゃないかっていう話なのよ!ひどいでしょう!?」
ためらう少女たちの中でただひとり、憤る女。
名前は・・・そう。名前は、マギー、だったはずだ。
グリフィンドールの同級生と同じ名前だったから、記憶に残っている。
「本当の話か?」
鵜呑みにする気にはなれない。
彼女が今置かれている状況を作り出しているのは、目の前の女達のはずだ。
これが、彼女に対する嫌がらせの一部でないと誰が言えるだろう。
「ルシウスさまといい、ウィリアムさまといい、シリウスさまにレギュラスさま・・・つくづくあの方は名家がお好きなのね」
「・・・・・・・・・・・ウィリアム?」
「あ・・・・・・・・っ」
「ウィリアムとは?」
問い詰めたシリウスに、しぶしぶというようにその女が口を開く。
いつもマギーの影からシリウスをうかがって、発情期の猫のような目をしているやつだ。
「・・・・・・・・・・ウィリアム・ポッター先生ですわ」
亡くなった、ジェームズの叔父の名。
かつて、サクラがなついていた教師だった。
「最近では とも一緒にいたとか・・・節操のない・・・」
ここぞ、とばかりにあれこれ言いつけてくる女達の言葉を右から左に聞き流し、情報を整理する。
噂はともかく、レギュラスの名前が浮上してきたからには理由があるはずだ。
耳に、不意にその言葉だけが飛び込んできた。
「キリュウ家の名と血を名家にすがりついて残そうとしている、と噂するものもいますわ」
どくん、と心臓がはねる。
―――彼女が狙っているのは、キリュウ家の再興。もしくは、その血と名を残すこと。
蘇った声。
「シリウスもポッターさまも地位や家を狙われているのですわ!」
「あんな女、どうして側においていらっしゃいますの?」
「それに・・・レギュラスさまとも・・・その、人気のない部屋から出てきたのを、わたくし見てしまいましたの」
まあ、と口々に憤りの声を上げる女達の声が、耳に突き刺さる。
「シリウスさま!あんな女にだまされないでくださいませ!」
「そうですわ。レギュラスさまもだまされているんです!」
「・・・・・・・・・うるさい」
「はい?」
「うるさい!放っておけ!」
そのまま少女たちを置き去りにして、シリウスはレギュラスをさがして校内を歩き回った。
―――どちらにしろ、ブラック家という名は彼女にとってなによりも有益なものでしょう。
そんなことはない、と叫びだしたかった。
(うるさい。うるさいうるさい・・・っ)
だが、否定できなかった。
家の大切さは、身にしみている。
だからこそ、彼女がキリュウ家を再興したいと願うのは、当然だと思った。
―――あなたでも、レギュラスでも良いと、あの娘はいいました。
いつだって明るい笑顔だった。
悩んでいるとき、疲れたとこぼしてしまいそうになったとき、不思議なほど、彼女が側にいた。 救われる言葉を、くれた。
その全てが、全て、そのためだったとしたら。
―――あの娘から離れなさい。シリウス。これは命令です。
(・・・・・・・・・・うるさい!)
聞こえてくる声を断ち切るようにして、声を上げた。
「レギュラス!」
「兄上、今お会いしに行こうと思っていました」
駆け寄るレギュラスが続けた言葉に、向けかけた笑顔がこわばった。
「サクラのとこなのですが・・・」
今まで、レギュラスはミス・キリュウと呼んでいたはずだった。
それが、あの話を裏付けるような気がして、胸の中にもやっとしたものが生まれた。
「今、僕は彼女と・・・」
「レギュラス」
シリウスの声音に、レギュラスの顔が引き締まった。
「はい、兄上」
「これ以上、あいつにかかわるな」
「は!?しかし・・・!」
「ダメだ」
「兄上!今しばらくご容赦ください!今は、それどころでは・・・」
「・・・なんだというのだ」
「彼女の立場が今、非常に危険なことはご存知でしょう?今彼女の側を僕が離れれば、ますます窮地に追い込まれます。いま少し、安全を確保しましてから・・・」
レギュラスが言い募れば言い募るほど、そこが見える、と思った。
最初から、言えばよいものを。
そうすれば、反対などしない。
気に食わない部分もあるが、サクラの性根が曲がっているとは思わない。
むしろ、ひどくまっすぐで、まがることを知らない彼女は、いつか折れてしまいそうにすら見える。
だが、そうはならない。
驚くほどの強靭さでもって、彼女は幾度折れそうになっても、再び笑顔を持って立ち上がるのだ。
あのまっすぐさに、救われた事がないと言えば嘘になる。
それは、レギュラスにとっても変わりないだろう。
だからこそ、レギュラスが本気で彼女を好きだというのなら、心から祝福も出来たというのに。
まずいのは、噂の広がり方だ。
こういった形で耳に入った話は、歓迎できる方向には決して向かわない。
「ブラック家の名を汚すな」
「・・・・・・兄上・・・」
一瞬、レギュラスが泣きそうな顔になった。
「しばらく謹慎して頭を冷やせ」
ためらうようなそぶりをみせるレギュラスに、苛々した。
「レギュラス」
「承知、仕りました・・・」
顔を見せないように下を向いて礼をして。
それきり、振り返ることなく去っていった。
それを見送ってため息をつく。
いつから、こんな事態になっていたのだろう。
よもや、レギュラスと己が、一人の女を取り合うというような噂すら立てられているとは。
本気で、レギュラスがあいつを好きだというならば。
だが、それは嫌だと思う自分がいる。
そうであってはならない、と。
レギュラスの妻として、理想的だろうかと問われれば、そうではない。
もっと・・・苦労しなくても良い、純血の娘がたくさんいる。
あんな猪突猛進な、後先を考えないで動いて、強情で、感情の移り変わりが激しくて、決して、人前で涙を見せないのに、声を殺して泣くような、あんな女相手にしたら、レギュラスでは受け止められない。
もっと、優しくて、穏やかな女と、家と血統を守っていくことこそ、レギュラスに似合うことだろうから。
だから、嫌なのだ。
レギュラスの隣に、彼女にいてほしくない、と思うのだ。