5年生(親世代) 製作中
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2
「・・・早いな」
その声に、あたしはゆっくりと振り返った。
緑の原の真ん中に、黒いローブを頭からすっぽりかぶった仮面の顔無し、もとい、死喰い人。
明るい昼間の清清しい緑の草原の中、青空を背景にもさもさと草を掻き分けて歩いてくる。
・・・・・・・・・あんまし麗しくない。
つか、素顔で来てくれた方が目には麗しい。
仮面怖い。
顔無しもっと怖い。
頭から地面まですっぽりローブってどうなのよ。
さらに頭のてっぺんとがってるし。
どんだけー。
とりあえずじーっとこの辺に目がありそうなあたりを見つめる。
視線があたしを見つめてるのがわかる。
合わない。まだ合わない。
視線が、微妙にそらされてるのを感じる。
あ。
ぴたり、とあたしとルシウスの視線があったのを感じた。
じーっと見つめる視線の圧力に負けたのは・・・・・・・あたし、だった。
う、だめだ。
じーっと見つめられ続けるの苦手。
なにしろやましいことがあれとかこれとかそれとか山のようにあるもんで。
だけど、負けたままじゃいられない。
にこっと、あたしが微笑むと、ルシウスがたじろぐ気配があった。
よしゃ。第2ラウンドはあたしの勝ち。
「はずして、くれないの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「見たいな。久しぶりに。あなたの、顔」
そっと、ローブの中から伸びた白い手が仮面をつかんで・・・・・・はずした。
「久しぶり。ルシウス」
その言葉を、あたしは万感の思いで告げた。
たった、一言だけを。
なのにそれは、とても、とても重かった。
人殺しなのだ。目の前にいる人は。
人を殺して、悔いることも、罪を償うこともせずにのうのうと生きている。
そんな、人殺しなのだ。
けれど、あの、ルシウスなのだ。
お茶を飲んで、からかわれて、時には真剣に命の危険を感じるような目に合わされて。
あの夜に、手を差し伸べてくれた、ルシウスなのだ。
覚えている。
リリーにも、シリウスにも、セブルスにも、みんなに背を向けられた日に、ルシウスが、ローブを貸してく れた。
そのことを、覚えている。
味方になってもいいと、そう示してくれたことを、覚えている。
あの、ルシウスなのだ。
「・・・・・・元気、だった?」
ルシウスは、黙って微笑んだ。
さらさらと風に流れるプラチナブロンドをうっとうしげに払って、ルシウスが広げたローブの上に寝転ぶ。
断言しても良い。暑いだろう。
というか、熱を集める黒を真夏にまとってのこのこ出てくるな。
暑いから!!
だけどこの人、汗ひとつかかないのよね。
涼しい顔しちゃって・・・。
そういえば、魔法族って割りとそういうとこあるわね。
暑いのに涼しいって顔してたり、寒いのに平気そうな顔で歩いてたり。
なんか秘密あるのかしら。
「それで、話とはなんだ?」
「・・・・・・・・・んー」
えーと。
「なんだっけ」
「おい」
・・・ツッコミ早くなったねえ、ルシウス。
というか、ツッコミの楽しさを覚えたな!
前なら冷たい目で見て終わりだったのに!
よしよし。人生は楽しいことが必要だからねー。その調子だよ。
「冗談よ」
「・・・・・・・・・・・お前というやつは」
「・・・1年前よね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ」
「訊きたかったの」
ずっと、ずっと。
あれさえなければ、あたしは、すべてを憎しみに変えることができた。
「なんで、あたしのとこに、来たの?」
あの日。
1年前のあの日に、どうして、あたしの傍に来たの?
なぜ、あの一言を言ったの?
「死喰い人なら、必要ないでしょ?自分の前だけ見て歩いていけばいい」
「確かめたかった」
「なにを?」
きゅっと、綺麗な眉が寄せられる。
開きかけた唇が、閉じる。
何か言おうかと思ったけど、やめた。
言葉が、うまくみつからなかった。
「どうして、今日も、来てくれたの?」
だって、手紙には「会いたい」としか書かなかったのだ。
なのに、ルシウスは即応じた。
これは、おかしい。
理由がなければ、会わないはずだ。
暇なわけではないはずだし、死喰い人たちは常に闇払いに追われている。
まして、今は不死鳥の騎士団も組織されようとしている。
こんなところに、のこのこと来ている暇はないはずなのだ。
「・・・・・・・・・」
「つかまるとか、思わなかった?」
あたしは、ダンブルドア側の人間で、ベラトリクスやルシウスが死喰い人であることを知っている人間だ 。
罠だと、思わなかったのか?
あたしが、ダンブルドアやオーラーたちに味方して、捕まえようとしているとは思わなかった?
その問いに、ルシウスは大きく目を見開いた。
ひどく、思いがけないことを聴いたとでも、いうように。
「思いつきも、しなかった」
「・・・・・・・・そう」
実際、そんなことはしない。
もしやれ、と言われたら、なにがあっても拒否するだろう。
・・・場合による・・・かもしれないときもあるけど。
いつだって色々な可能性を考えて、対応していたルシウスなのに。
「だって、お前はそのようなことをしないだろう?」
息が、心臓が、止まるかと思った。
ただ、呆然とルシウスを見つめているしか出来なかった。
「どうした、呆けた顔をして」
「だっ、て・・・・・・・・」
言葉がのどに詰まる。
あたしは、ルシウスを自分と同じ属性の人間だと思っていたのだ。
大事な友達であっても、自分のために、何かのために、あたしを裏切ることがあるかもしれない。
あたしは、大切だと思っているから裏切るなんて、しないけど。
だけど、相手は裏切るかもしれない。
だって、あたしのことを自分や、自分にとって大切なものを犠牲にしてまで大事にしようとしてくれる人 がそんなにたくさんいるはずがない。
だから、ルシウスといるのは楽だった。
彼は―――そんなこと、しないから。
最初からわかってる。
ルシウスは、自分にとって大切なものを、基本的に作らない。
自分と引き換えにしてでも大切にしたいものを作らない。
だから、その関係はひどく楽だった。
最初から、何をするかわからないのだ。
なら、自分の思いも適当なところまで預けておけばいい。
そして、何かをしたら「ルシウスだもの、やっぱりね」って笑って済ませればいいのだ。
それだけだ。
なのに。
言われた言葉が、重い。
「どうして・・・」
「ん?」
「どうして、そう、思ったの・・・?あたしが、裏切らないって・・・」
「裏切らないとは思っていない。お前だって、人間なのだから」
「そう、だけど」
「・・・そういわれて見れば、なぜ思いつかなかったのだろう・・・。まったく思いもしなかった」
「そ、そう・・・」
「だが、実際に裏切っていないのだ。問題あるまい?」
いや、そうなんだけど・・・・・。
どうし、よう。
思いつきもしなかった、というのは・・・疑うことをしなかった・・・そんなことはないと信じているということ だ。
―――『我々も、お前のためにそうしただろう』
ああ、そういうことか。
ピーターを信じた、シリウス。
それを受け入れた、ジェームズ。
そして、裏切られた、その、痛み。
あれは、3巻だ。
シリウスの、ルーピン先生の、言葉。
命を無意識に預けることが出来るほど、信用している。
そういう関係。
だめだ。勝てるわけがない。
こんな信頼を出来る人たち相手に、互いを信じていない集団が、勝てるわけがないのだ。
ヴォルデモートが、勝てるはずがない。
だって、あたしがもし、闇の陣営に入っても・・・誰にも、命なんて預けられない。
たとえば・・・相手の命を預かっていたり、裏切られたら即殺せる保障がない限り―――
「ああ、そういうこと・・・」
印で縛り、恐怖で縛り、利益で縛り。
そうでもしないと、怖くて仕方ないだろう。
いつ、殺されるか、いつ、裏切られるか。
眠っている間に何かされるかもしれない。
食事になにか仕込まれるかもしれない。
怖くて、怖くて、生きていくことが大変だろう。
とんでもない道を選んだものだ。
ヴォルデモートも。
「ああ・・・思いつかなかった」
・・・・・・・・・・・・・・・ごめん、ルシウス、いたんだ。
今かなり忘れてた。
「・・・早いな」
その声に、あたしはゆっくりと振り返った。
緑の原の真ん中に、黒いローブを頭からすっぽりかぶった仮面の顔無し、もとい、死喰い人。
明るい昼間の清清しい緑の草原の中、青空を背景にもさもさと草を掻き分けて歩いてくる。
・・・・・・・・・あんまし麗しくない。
つか、素顔で来てくれた方が目には麗しい。
仮面怖い。
顔無しもっと怖い。
頭から地面まですっぽりローブってどうなのよ。
さらに頭のてっぺんとがってるし。
どんだけー。
とりあえずじーっとこの辺に目がありそうなあたりを見つめる。
視線があたしを見つめてるのがわかる。
合わない。まだ合わない。
視線が、微妙にそらされてるのを感じる。
あ。
ぴたり、とあたしとルシウスの視線があったのを感じた。
じーっと見つめる視線の圧力に負けたのは・・・・・・・あたし、だった。
う、だめだ。
じーっと見つめられ続けるの苦手。
なにしろやましいことがあれとかこれとかそれとか山のようにあるもんで。
だけど、負けたままじゃいられない。
にこっと、あたしが微笑むと、ルシウスがたじろぐ気配があった。
よしゃ。第2ラウンドはあたしの勝ち。
「はずして、くれないの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「見たいな。久しぶりに。あなたの、顔」
そっと、ローブの中から伸びた白い手が仮面をつかんで・・・・・・はずした。
「久しぶり。ルシウス」
その言葉を、あたしは万感の思いで告げた。
たった、一言だけを。
なのにそれは、とても、とても重かった。
人殺しなのだ。目の前にいる人は。
人を殺して、悔いることも、罪を償うこともせずにのうのうと生きている。
そんな、人殺しなのだ。
けれど、あの、ルシウスなのだ。
お茶を飲んで、からかわれて、時には真剣に命の危険を感じるような目に合わされて。
あの夜に、手を差し伸べてくれた、ルシウスなのだ。
覚えている。
リリーにも、シリウスにも、セブルスにも、みんなに背を向けられた日に、ルシウスが、ローブを貸してく れた。
そのことを、覚えている。
味方になってもいいと、そう示してくれたことを、覚えている。
あの、ルシウスなのだ。
「・・・・・・元気、だった?」
ルシウスは、黙って微笑んだ。
さらさらと風に流れるプラチナブロンドをうっとうしげに払って、ルシウスが広げたローブの上に寝転ぶ。
断言しても良い。暑いだろう。
というか、熱を集める黒を真夏にまとってのこのこ出てくるな。
暑いから!!
だけどこの人、汗ひとつかかないのよね。
涼しい顔しちゃって・・・。
そういえば、魔法族って割りとそういうとこあるわね。
暑いのに涼しいって顔してたり、寒いのに平気そうな顔で歩いてたり。
なんか秘密あるのかしら。
「それで、話とはなんだ?」
「・・・・・・・・・んー」
えーと。
「なんだっけ」
「おい」
・・・ツッコミ早くなったねえ、ルシウス。
というか、ツッコミの楽しさを覚えたな!
前なら冷たい目で見て終わりだったのに!
よしよし。人生は楽しいことが必要だからねー。その調子だよ。
「冗談よ」
「・・・・・・・・・・・お前というやつは」
「・・・1年前よね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ」
「訊きたかったの」
ずっと、ずっと。
あれさえなければ、あたしは、すべてを憎しみに変えることができた。
「なんで、あたしのとこに、来たの?」
あの日。
1年前のあの日に、どうして、あたしの傍に来たの?
なぜ、あの一言を言ったの?
「死喰い人なら、必要ないでしょ?自分の前だけ見て歩いていけばいい」
「確かめたかった」
「なにを?」
きゅっと、綺麗な眉が寄せられる。
開きかけた唇が、閉じる。
何か言おうかと思ったけど、やめた。
言葉が、うまくみつからなかった。
「どうして、今日も、来てくれたの?」
だって、手紙には「会いたい」としか書かなかったのだ。
なのに、ルシウスは即応じた。
これは、おかしい。
理由がなければ、会わないはずだ。
暇なわけではないはずだし、死喰い人たちは常に闇払いに追われている。
まして、今は不死鳥の騎士団も組織されようとしている。
こんなところに、のこのこと来ている暇はないはずなのだ。
「・・・・・・・・・」
「つかまるとか、思わなかった?」
あたしは、ダンブルドア側の人間で、ベラトリクスやルシウスが死喰い人であることを知っている人間だ 。
罠だと、思わなかったのか?
あたしが、ダンブルドアやオーラーたちに味方して、捕まえようとしているとは思わなかった?
その問いに、ルシウスは大きく目を見開いた。
ひどく、思いがけないことを聴いたとでも、いうように。
「思いつきも、しなかった」
「・・・・・・・・そう」
実際、そんなことはしない。
もしやれ、と言われたら、なにがあっても拒否するだろう。
・・・場合による・・・かもしれないときもあるけど。
いつだって色々な可能性を考えて、対応していたルシウスなのに。
「だって、お前はそのようなことをしないだろう?」
息が、心臓が、止まるかと思った。
ただ、呆然とルシウスを見つめているしか出来なかった。
「どうした、呆けた顔をして」
「だっ、て・・・・・・・・」
言葉がのどに詰まる。
あたしは、ルシウスを自分と同じ属性の人間だと思っていたのだ。
大事な友達であっても、自分のために、何かのために、あたしを裏切ることがあるかもしれない。
あたしは、大切だと思っているから裏切るなんて、しないけど。
だけど、相手は裏切るかもしれない。
だって、あたしのことを自分や、自分にとって大切なものを犠牲にしてまで大事にしようとしてくれる人 がそんなにたくさんいるはずがない。
だから、ルシウスといるのは楽だった。
彼は―――そんなこと、しないから。
最初からわかってる。
ルシウスは、自分にとって大切なものを、基本的に作らない。
自分と引き換えにしてでも大切にしたいものを作らない。
だから、その関係はひどく楽だった。
最初から、何をするかわからないのだ。
なら、自分の思いも適当なところまで預けておけばいい。
そして、何かをしたら「ルシウスだもの、やっぱりね」って笑って済ませればいいのだ。
それだけだ。
なのに。
言われた言葉が、重い。
「どうして・・・」
「ん?」
「どうして、そう、思ったの・・・?あたしが、裏切らないって・・・」
「裏切らないとは思っていない。お前だって、人間なのだから」
「そう、だけど」
「・・・そういわれて見れば、なぜ思いつかなかったのだろう・・・。まったく思いもしなかった」
「そ、そう・・・」
「だが、実際に裏切っていないのだ。問題あるまい?」
いや、そうなんだけど・・・・・。
どうし、よう。
思いつきもしなかった、というのは・・・疑うことをしなかった・・・そんなことはないと信じているということ だ。
―――『我々も、お前のためにそうしただろう』
ああ、そういうことか。
ピーターを信じた、シリウス。
それを受け入れた、ジェームズ。
そして、裏切られた、その、痛み。
あれは、3巻だ。
シリウスの、ルーピン先生の、言葉。
命を無意識に預けることが出来るほど、信用している。
そういう関係。
だめだ。勝てるわけがない。
こんな信頼を出来る人たち相手に、互いを信じていない集団が、勝てるわけがないのだ。
ヴォルデモートが、勝てるはずがない。
だって、あたしがもし、闇の陣営に入っても・・・誰にも、命なんて預けられない。
たとえば・・・相手の命を預かっていたり、裏切られたら即殺せる保障がない限り―――
「ああ、そういうこと・・・」
印で縛り、恐怖で縛り、利益で縛り。
そうでもしないと、怖くて仕方ないだろう。
いつ、殺されるか、いつ、裏切られるか。
眠っている間に何かされるかもしれない。
食事になにか仕込まれるかもしれない。
怖くて、怖くて、生きていくことが大変だろう。
とんでもない道を選んだものだ。
ヴォルデモートも。
「ああ・・・思いつかなかった」
・・・・・・・・・・・・・・・ごめん、ルシウス、いたんだ。
今かなり忘れてた。