3年生(親世代) 完結 (52話)
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33
人気のないのを確かめて。
さらに防音の魔法までかけたウィルの行動の意味はなんとなくわかる。
二人で、教師と生徒じゃなくてウィルとサクとして話そうってこと。
「…ねえ、ウィル」
「なんだ?」
「ジェームズなんだけど」
「…ブラックもやっかいな真似をしてくれるもんだ。無神経なところはあの一族らしいな」
「やっぱり、ウィルもブラック家ってそう見てるんだ」
「唯一“らしくない”ブラック家だとは認めるがな。あれじゃ、家にさぞ生き難いだろうよ」
「そうね」
「行ったことでもあるのか?」
「一度だけ」
2年前のクリスマスの日に。
「すごい家だなって思ったわ」
「俺は行きたくもない」
「でしょうね」
「…従兄どのは違う意見のようだがな」
「従兄?」
「ブラック家から妻をもらった人だ」
「は!?」
まって。ねえ、ブラック家とポッターってつながってたの!?
あー、そういや前にジェームズがんなこと言ってたかもー。すんごい嫌そうに。
「純血の家だからな」
「はぁ・・・・・・」
・・・ブラック家の家系図って、ほんっとどうなってんだろ。
「その純血の最たる家の直系がマグル生まれと付き合う・・・前代未聞だぞ」
「あら。アンドロメダもいるじゃない」
「二人で前例を作る元婚約者同士ってのもどうかと思うがな」
ま、そりゃそうだけど。
「いいのよ。二人が幸せなら。他に好きな人がいるのに、それを押し殺して違う方を見続けるほど不幸なことってないわ」
そういいきったあたしをまじまじと見て、ウィリアム・ポッターは微笑んだ。
「惜しいな。あと10年早く生まれていたら放っておかないのに」
「あら。ありがとう。だけど、そんな心にもないこと言わなくて結構よ」
「本心だよ。俺はアルファードと違って嘘は言えない体質なんだ」
「ウソツキ」
それだけでも嘘でしょ。
いざとなったら平気な顔して嘘でもなんでも突き通せるでしょう。
それぐらい、わかるわよ。
「ユリウスと出会わなかったら、サクが10年早く生まれていれば・・・ひょっとしたら、な」
「光栄だけど、仮定だけじゃ意味ないわ」
あたしは今ここにいて。ここにしか、いられなくて。
今ここにいるのでさえ、偶然なのか奇跡なのかわからない。
本来なら、あたしはまだ生まれてすらいないんだから。
「ウィル」
「あたしはね、あなたと・・・あなたたちと出会えたことだけでも、うれしいわ」
故郷と遠く切り離されて、両親にも会えなくて、友達とも離れて。
今まで過ごしてきた時間、大切なもの、そのすべてと切り離されて、辛くないわけじゃない。
寂しくないわけじゃない。
だけど、それでも、今この時間をすごしていて楽しいと思えるのはあなたたちとであったから。
出会えるはずのない人たちと出会って、一緒の時間をすごして。
寂しさや悲しさを思うより、楽しいことや喜びを数えたほうがいいと思わせてくれたのはあなたたちだから。
「シリウスも、ジェームズも、リリーも、ウィルも・・・ダンブルドアも。あたしは、出会えてよかったと思うから。今を一生懸命生きるだけなのよ」
戻ることをあきらめることはない。
それでもいつか戻ったときに、あたしの過ごしてきた時間を無駄だと思いたくない。
胸を張って、あたしはホグワーツにいたといえるように。
そんな時間をすごしたい。
「・・・サク、今、いくつだ?」
「えー?・・・今、23、かな・・・22かな・・・それぐらいだと思うわ」
あの時。
この世界に来たとき、あたしは20歳だった。
それから、丸2年。3年目に入った。
あちらから来た時期とここの季節はずれていて。
正確な年を数えることはやめてしまった。
「・・・・・・そうか。・・・初めて、聞いたな。正確な年」
「あたしも、初めて言ったわ」
ここにきて、初めて。
「ということは、キリュウ家の娘じゃないな」
「・・・・・・・・・・・・うん」
「マグル生まれか?」
迷った。
それを告げるのを、あたしはとても迷った。
だけど、迷うことは失礼なことのような気がした。
大丈夫よね。
これを告げても。
この人なら、大丈夫よね。
「違うわ・・・あたしは、マグルなのよ」
「は?」
「ウィル。あたしは、マグルだった。生まれて20年、ずっとマグルだった。マグル以外のものになったこと、ないの。でも、ここにきたら・・・魔女になってたわ」
それを聴いて、黙り込んで。
何を言おうか、迷っているようだった。
「これ、秘密だからね。ダンブルドアしか知らないの」
「そう、か・・・・・・」
「そう。気にしないで。今のあたしは魔女だし、そうじゃなければここに入学してないわ。あたしはキリュウ家のサクラ。それだけよ。誰に口外する気もないし、言いふらすことじゃないのもわかってるから」
「そうか」
「・・・もう、あたしと仲良くするの、嫌になった?」
「・・・23歳に仲良くするとか言われるとなんだかなあ・・・」
「・・・・・・・・・・・ああ、そう。ごめんなさいね!!」
い、いまのは自分でもちょっと子どもっぽかったかな、とは思ったわよ!思ったけどね!
真剣に考えたあたしが馬鹿みたいじゃない!!
「怒るな。・・・今、魔女ならそれでいい。・・・いや、サクなら、マグルでも気にしない。本当に、惜しい。あいつなんかにやるのがもったいないよ」
「あいつ?」
「ああ。…お前、ブラックとジェームズ、どっちが好きだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・はぁ?」
またここでもその話!?
「
シリウスとジェームズ・・・ねえ」
「ああ」
「どっちもそういう観点で見たことないわ」
「本当に?」
「ええ」
「そうか。思ったより鈍いな」
「・・・・・・・・はあ!?」
なによ、突然。
「自分の気持ちには鈍いな、君は」
「だから」
「素直になったほうがいいぞ。・・・明日も知れないこの世の中だ」
「・・・・・・・・・ウィル?」
「俺には、サクが浮き上がってるように見えるときと、溶け込んでいるように見えるときがある」
なにを、言いたいのかわからない。
何を言おうとしているのかも。
「同年代の中で、大きく浮き上がって違和感がある。それは、生徒の中に教師が混じってるみたいなもんだ。・・・だけど、それが溶け込んでいるときは、特定の連中と一緒にいるときだけ」
「特定?」
「ジェームズと、シリウスだよ」
「・・・・・・・・・・・・・」
困惑、しかできなかった。
だって、リリーやマギーやアリスとは友達よ。
ルシウスだって、アンドロメダだって、セブルスだって。
それに、あたしは十分自分らしく、でも子どもらしくなるようにしているつもりだ。
「ほかの連中といるとき、サクは目立つ。違和感があるんだ。なぜ、一人だけあそこに混ざっているのか、っていう・・・な」
「それが、ジェームズやシリウスといるときは?」
「溶け合ってる。二人とだけじゃない。ほかの皆とも、だ。・・・シリウスやジェームズを世界につなげているのはサクだけれど、サクを世界に同化させられるのも、ジェームズとシリウスだけなのだと、俺は思うよ」
「・・・・・・・・・・そう」
「だから聴いたのさ。ジェームズとシリウス、どっちが好きだ?」
「どっちも、好きよ」
恋愛とか、そういう意味じゃなくて。
特別という意味でもなくて。
人間として、好きよ。あの二人のことは。
「まあ・・・鈍い同士、お似合いだな」
「・・・さっきからなんなのよ」
「いや、いいんだ。年寄りのたわごとだと思って聞き流せ」
「・・・そうさせてもらうわ」
ほんとにわけわかんないったら・・・・・・。
「君はまだ23だろう?俺は君よりずっと年上だ。だからわかることもあるのさ」
「・・・・・・・・・嫌な感じ」
「それはおそらく君の友達が君に感じてることじゃないかな」
どきっとした。
シリウスに言われたせりふが、蘇る。
―――すぐ、見透かしたような言い方するよな。俺の考えなんかお見通しだって・・・
―――俺は、お前のそういうところ、嫌いだよ
「シリウスに、言われたわ」
「そうか。・・・どう思った?」
「別に・・・。でも、気にはなってるわ」
そういうと、ウィルがにっこりと笑った。
「とりあえず、俺のかわいい甥っ子は将来泣かなくてもよさそうだな。一安心だ」
「はあ?」
ほんっとに何を言いたいの、この人?
こういう大人ってわけわかんないっ!!
人気のないのを確かめて。
さらに防音の魔法までかけたウィルの行動の意味はなんとなくわかる。
二人で、教師と生徒じゃなくてウィルとサクとして話そうってこと。
「…ねえ、ウィル」
「なんだ?」
「ジェームズなんだけど」
「…ブラックもやっかいな真似をしてくれるもんだ。無神経なところはあの一族らしいな」
「やっぱり、ウィルもブラック家ってそう見てるんだ」
「唯一“らしくない”ブラック家だとは認めるがな。あれじゃ、家にさぞ生き難いだろうよ」
「そうね」
「行ったことでもあるのか?」
「一度だけ」
2年前のクリスマスの日に。
「すごい家だなって思ったわ」
「俺は行きたくもない」
「でしょうね」
「…従兄どのは違う意見のようだがな」
「従兄?」
「ブラック家から妻をもらった人だ」
「は!?」
まって。ねえ、ブラック家とポッターってつながってたの!?
あー、そういや前にジェームズがんなこと言ってたかもー。すんごい嫌そうに。
「純血の家だからな」
「はぁ・・・・・・」
・・・ブラック家の家系図って、ほんっとどうなってんだろ。
「その純血の最たる家の直系がマグル生まれと付き合う・・・前代未聞だぞ」
「あら。アンドロメダもいるじゃない」
「二人で前例を作る元婚約者同士ってのもどうかと思うがな」
ま、そりゃそうだけど。
「いいのよ。二人が幸せなら。他に好きな人がいるのに、それを押し殺して違う方を見続けるほど不幸なことってないわ」
そういいきったあたしをまじまじと見て、ウィリアム・ポッターは微笑んだ。
「惜しいな。あと10年早く生まれていたら放っておかないのに」
「あら。ありがとう。だけど、そんな心にもないこと言わなくて結構よ」
「本心だよ。俺はアルファードと違って嘘は言えない体質なんだ」
「ウソツキ」
それだけでも嘘でしょ。
いざとなったら平気な顔して嘘でもなんでも突き通せるでしょう。
それぐらい、わかるわよ。
「ユリウスと出会わなかったら、サクが10年早く生まれていれば・・・ひょっとしたら、な」
「光栄だけど、仮定だけじゃ意味ないわ」
あたしは今ここにいて。ここにしか、いられなくて。
今ここにいるのでさえ、偶然なのか奇跡なのかわからない。
本来なら、あたしはまだ生まれてすらいないんだから。
「ウィル」
「あたしはね、あなたと・・・あなたたちと出会えたことだけでも、うれしいわ」
故郷と遠く切り離されて、両親にも会えなくて、友達とも離れて。
今まで過ごしてきた時間、大切なもの、そのすべてと切り離されて、辛くないわけじゃない。
寂しくないわけじゃない。
だけど、それでも、今この時間をすごしていて楽しいと思えるのはあなたたちとであったから。
出会えるはずのない人たちと出会って、一緒の時間をすごして。
寂しさや悲しさを思うより、楽しいことや喜びを数えたほうがいいと思わせてくれたのはあなたたちだから。
「シリウスも、ジェームズも、リリーも、ウィルも・・・ダンブルドアも。あたしは、出会えてよかったと思うから。今を一生懸命生きるだけなのよ」
戻ることをあきらめることはない。
それでもいつか戻ったときに、あたしの過ごしてきた時間を無駄だと思いたくない。
胸を張って、あたしはホグワーツにいたといえるように。
そんな時間をすごしたい。
「・・・サク、今、いくつだ?」
「えー?・・・今、23、かな・・・22かな・・・それぐらいだと思うわ」
あの時。
この世界に来たとき、あたしは20歳だった。
それから、丸2年。3年目に入った。
あちらから来た時期とここの季節はずれていて。
正確な年を数えることはやめてしまった。
「・・・・・・そうか。・・・初めて、聞いたな。正確な年」
「あたしも、初めて言ったわ」
ここにきて、初めて。
「ということは、キリュウ家の娘じゃないな」
「・・・・・・・・・・・・うん」
「マグル生まれか?」
迷った。
それを告げるのを、あたしはとても迷った。
だけど、迷うことは失礼なことのような気がした。
大丈夫よね。
これを告げても。
この人なら、大丈夫よね。
「違うわ・・・あたしは、マグルなのよ」
「は?」
「ウィル。あたしは、マグルだった。生まれて20年、ずっとマグルだった。マグル以外のものになったこと、ないの。でも、ここにきたら・・・魔女になってたわ」
それを聴いて、黙り込んで。
何を言おうか、迷っているようだった。
「これ、秘密だからね。ダンブルドアしか知らないの」
「そう、か・・・・・・」
「そう。気にしないで。今のあたしは魔女だし、そうじゃなければここに入学してないわ。あたしはキリュウ家のサクラ。それだけよ。誰に口外する気もないし、言いふらすことじゃないのもわかってるから」
「そうか」
「・・・もう、あたしと仲良くするの、嫌になった?」
「・・・23歳に仲良くするとか言われるとなんだかなあ・・・」
「・・・・・・・・・・・ああ、そう。ごめんなさいね!!」
い、いまのは自分でもちょっと子どもっぽかったかな、とは思ったわよ!思ったけどね!
真剣に考えたあたしが馬鹿みたいじゃない!!
「怒るな。・・・今、魔女ならそれでいい。・・・いや、サクなら、マグルでも気にしない。本当に、惜しい。あいつなんかにやるのがもったいないよ」
「あいつ?」
「ああ。…お前、ブラックとジェームズ、どっちが好きだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・はぁ?」
またここでもその話!?
「
シリウスとジェームズ・・・ねえ」
「ああ」
「どっちもそういう観点で見たことないわ」
「本当に?」
「ええ」
「そうか。思ったより鈍いな」
「・・・・・・・・はあ!?」
なによ、突然。
「自分の気持ちには鈍いな、君は」
「だから」
「素直になったほうがいいぞ。・・・明日も知れないこの世の中だ」
「・・・・・・・・・ウィル?」
「俺には、サクが浮き上がってるように見えるときと、溶け込んでいるように見えるときがある」
なにを、言いたいのかわからない。
何を言おうとしているのかも。
「同年代の中で、大きく浮き上がって違和感がある。それは、生徒の中に教師が混じってるみたいなもんだ。・・・だけど、それが溶け込んでいるときは、特定の連中と一緒にいるときだけ」
「特定?」
「ジェームズと、シリウスだよ」
「・・・・・・・・・・・・・」
困惑、しかできなかった。
だって、リリーやマギーやアリスとは友達よ。
ルシウスだって、アンドロメダだって、セブルスだって。
それに、あたしは十分自分らしく、でも子どもらしくなるようにしているつもりだ。
「ほかの連中といるとき、サクは目立つ。違和感があるんだ。なぜ、一人だけあそこに混ざっているのか、っていう・・・な」
「それが、ジェームズやシリウスといるときは?」
「溶け合ってる。二人とだけじゃない。ほかの皆とも、だ。・・・シリウスやジェームズを世界につなげているのはサクだけれど、サクを世界に同化させられるのも、ジェームズとシリウスだけなのだと、俺は思うよ」
「・・・・・・・・・・そう」
「だから聴いたのさ。ジェームズとシリウス、どっちが好きだ?」
「どっちも、好きよ」
恋愛とか、そういう意味じゃなくて。
特別という意味でもなくて。
人間として、好きよ。あの二人のことは。
「まあ・・・鈍い同士、お似合いだな」
「・・・さっきからなんなのよ」
「いや、いいんだ。年寄りのたわごとだと思って聞き流せ」
「・・・そうさせてもらうわ」
ほんとにわけわかんないったら・・・・・・。
「君はまだ23だろう?俺は君よりずっと年上だ。だからわかることもあるのさ」
「・・・・・・・・・嫌な感じ」
「それはおそらく君の友達が君に感じてることじゃないかな」
どきっとした。
シリウスに言われたせりふが、蘇る。
―――すぐ、見透かしたような言い方するよな。俺の考えなんかお見通しだって・・・
―――俺は、お前のそういうところ、嫌いだよ
「シリウスに、言われたわ」
「そうか。・・・どう思った?」
「別に・・・。でも、気にはなってるわ」
そういうと、ウィルがにっこりと笑った。
「とりあえず、俺のかわいい甥っ子は将来泣かなくてもよさそうだな。一安心だ」
「はあ?」
ほんっとに何を言いたいの、この人?
こういう大人ってわけわかんないっ!!