3年生(親世代) 完結 (52話)
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21
謹慎が解けてから2日。
ステキに長かった1週間がようやく終わった。
「ミス・キリュウ、授業が終わりましたら、校長室へ行きなさい」
「はい」
マクゴナガル先生に名前を呼ばれたのも久しぶりな感じだった。
ずっと視線をちらちらと送りつつも無視されてた感じだったし。
ま、もちろんほっといてくれるだけありがたい先生だったけど!
フリットウィック先生とかスプラウト先生なんかも割とためらいがちに声をかけつつあんまりかまわない、みたいな?
問題はスリザリン系の先生たちとか。
寮監以外の先生たちがねえ…。
そりゃあもう、徹底無視、とか嫌がらせとか。
すごかったわよぅ。
でもねえ、現代日本で生きてりゃ、いじめなんて誰もが一度はやってやられるし。
無視とかハブって誰でも経験あるだろうし。
それを乗り切るのだって経験してない人の方が少ないんじゃないかしら。
それに、陰湿な女子のいじめとかお局さまからの嫌がらせとか、そんなものに比べれば、軽い軽い。
当社比0.67%ぐらいのダメージよ。
エバネスコとか便利な魔法もあるし。
あの程度のいやみで痛む胃は持ち合わせてないし。
ていうか、甘いのよね。やり方が。
いじめってのは、こっそり靴隠すとか、持ち物を焼却炉に入れるとか、見つかって問題になるのが嫌なら靴ひもをナイフで切っておくとか、カバンの持ち手に重さがかかるとぶちっといくように切れ目を入れておくとか。
トイレに閉じ込めるとか、机に死ねとかブスとか書いておくとか!
・・・あ、考えてみれば個人の机もなければ靴も寮の部屋以外はきっぱなしだし…教科書に落書きしようがトイレに閉じ込めようが魔法で出てこれるわね・・・。
ふむ、なるほどぉ。
いじめって直接魔法かける以外に出来ないのか!
こんな風に。
「ステューピファイ!」
「プロテゴ。パック」
通りすがりのスリザリン生をさくっとなぜか廊下においてあった掃除用具箱に収納して校長室の前にたどり着いた。
「失礼しまーす」
「入りなさい」
ごごごごご、とか動くガーゴイルをやり過ごし、入った校長室の真ん中に、ダンブルドアがいた。
「お呼びですか」
「遅かったのう」
「授業が今終わったもので。それで?」
なんの用じゃい。
別に険悪とか、そういうわけじゃない。
「おまえさんに客じゃ」
「は?」
客?
んなもの来る予定なんてあるっけ。
知り合いもなんにもいないこの世界で。
「ブラック家からのお客人がな。ミス・キリュウに聞きたいことがあるそうじゃ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・ぶ」
絶句。
ブラック家?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やばい。
頭に浮かんだのは、その言葉だけだった。
殺される。
かもしんない。
ひょっとしたら、初めて覚えた危機感じゃなかろうか。
「ミスター・ブラック。こちらがお話していたサクラ・キリュウじゃ」
「これが、アンドロメダを突き落とした女ですか」
こちらを冷ややかに見下ろす黒髪の男性が、ひどく冷たい声でそう告げた。
およ。
シリウスとよく似てる。
目の色が、灰色というより、少しブルーがかっていて、その美貌に人間味を与えている。
とかって形容するのよね、きっと。
「はじめまして。ミス・キリュウ」
「はじめまして。ミスター・ブラック」
丁寧に挨拶をして、実に優雅な挙措でソファに腰を下ろしたミスター・ブラックは膝の上に手を組んで、唇だけで笑った。
うわ。凄絶。
美形なだけに怖い。
顔が整っているせいか、その目が鋭利な切れ長の目のせいか、そういう笑い方をされると、えらく冷たく見える。
なんというか…ちょっと近寄りたくない。
「謹慎中だったそうだが?」
「はい」
今も授業以外は出歩けないし、出歩くときはかならず監視がついてる。
謹慎にあんまり変わりはない。
「それではこれはまだ読んでいないだろう。君にプレゼントさせていただこう」
「なんでしょう・・・」
日刊預言者新聞。
それがどうした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って!!
あたしがアンドロメダを殺したってトップになってるぅ!?
これじゃあたし殺人犯じゃないのよ!!
「君の味方は、誰もいないぞ」
「・・・・・・・・・・・・・これのことですか?」
『少女Aと親しい間と言われるマルフォイ家のルシウスくんは「それほど親しくしていたわけではありません。彼女が我々を利用しようと近づいてきたのではないでしょうか。味方?まさかとんでもない。以前から信用ならないと思っていましたから」と語った』
新聞記事にはそう書いてある。
「そうだが?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・で?」
それがどうした。
ルシウスならさもありなん!
こういう人でしょ。それを責める気も傷つく気も起こらないわ。
自分の利を悟って行動するから、スリザリンでしょ。
目の前で崖にぶら下がっている人がいたらたとえ自分の奥さんであっても自分が確実に助かる方法を選ぶタイプよ。あれは。
むしろ、あんな風に校内でだけでもあたしの味方だ、と示しただけでも驚きなのに。
「気にならないのか?」
「ぜんぜん」
期待も何もしてなかったし。
あの夜に側にいてくれただけで十分期待以上だったもの。
「そうか」
「はい」
なんにも気になりません。
・・・何しに来たのさ。
「では本題に入ろうか」
「どうぞ」
とっとと入れ。
「ブラック家の娘をあのような目に合わせながらアズカバン行きもなし、退学もなしでは話にならない。学校が処分しないというならしかるべき手段をとる、と伝えに来た」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
やっぱりですか・・・・・・。
「自主退学を取るか、アズカバンを取るか・・・好きにしたまえ」
「どっちもお断りさせていただきます」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだと?」
「お断りします。あたしは退学しませんし、アズカバンにも行きません」
「・・・・・・・・・そんなことが通ると思っているのか?」
「はい。ミスター・ブラック。あなたがいらしたということは通るのでしょう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「そうでなければ直接いらっしゃる必要はないでしょう。手紙一つ、魔法省の通知一つでどうにでもなるはずです」
むっとした顔で黙り込んだミスター・ブラックは、あたしの言葉を肯定していた。
わざわざここに来たということは、何らかの取引材料があるからだ。
最初に新聞を見せたのも、交渉を有利に運ぶためだ。
だからこそ、ダンブルドアはあたしを呼んだのだろう。
自分の道を、切り開けと。
「頭の良い娘、というのは本当だったようだな。そして…スリザリン的、というのも」
「ありがとうございます。でもあたしはグリフィンドールです」
ふう、とため息をついて、ミスター・ブラックはあたしに椅子を勧めた。
「きみに話がある」
「はい」
「アンドロメダの一件。突き落としたのではなく、本人の不注意による事故ということにしたい」
ここまで大々的に新聞にのっといて?
「君からの証言が取れたという情報は今までもどこにも乗っていない。推測と目撃者による発言のみ。そして、目撃者の証言は他にも捉えようがある」
あら。そんなもんだったの。こっちの勝手なインタビューまで乗ってるのかと思った。
インタビュー受けた記憶ないけど。
魔法界ならありよね。
「君は落ちそうになっているアンドロメダに手を差し伸べたが、運悪くその手をよけようとしたアンドロメダがバランスを崩し、そこに手が当たって落ちた。君は今まで目の前で起きた友人の危難にショックを受けて人と会話をすることもままならなかった、と。そういうことにしたい」
・・・・・・・・・・・・まあ!なんて立派なシナリオだこと!
「そういうことにしたい、とはどういうことかしら?」
「君にそう証言をしてもらい、目撃者たちからのコメントも取る。アンドロメダは怪我もなく、運良く、フリットウィック先生に助けられた、という美談だ」
美談を作り上げるのもお手の物。
だけど、どうしてそんなものを作る必要がある?
「じゃあ、アンドロメダは逃げたのね?」
「・・・・・・・・・・・・・・やはり知っていたのか」
「知っていたから、落としたのよ」
ふぅ、とため息をついてミスター・ブラックが目頭を痛みをこらえるように押さえた。
「まだ世間には言っていないがな」
「公表されてたらこんな暢気な記事、乗るわけないわ」
「自分の殺人未遂事件を暢気と言うとは…なかなかだな」
「お褒めいただきありがとう」
何がなかなかだか知らないけど。
それにしても、よかった。
ちゃんと逃げれて。
その後のことはテッド・トンクスと彼女の問題だし。
うまく行っても行かなくても、あたしは関われないし関わらない。
自分の思いを貫くってのは結構体力も気力も意思もいるものだしね。
周囲に振り回されたり周囲の意見や力添えに支えられちゃうと後々うまく行かないもの。
恋愛だろうと、夢だろうと、どんなものでもね。
「では取引は承知されたと思っても良いか?」
「仕方ないでしょう。あたしもこれ以上騒がれるのはごめんだし、アンドロメダが幸せになるのならそれで十分よ」
「そうか」
組んでいた腕を解いて、その手が差し伸べられる。
「個人的には」
「はい?」
「感謝する。アンドロメダを、幸せにしてくれて、ありがとう」
はい?
「それでは」
謹慎が解けてから2日。
ステキに長かった1週間がようやく終わった。
「ミス・キリュウ、授業が終わりましたら、校長室へ行きなさい」
「はい」
マクゴナガル先生に名前を呼ばれたのも久しぶりな感じだった。
ずっと視線をちらちらと送りつつも無視されてた感じだったし。
ま、もちろんほっといてくれるだけありがたい先生だったけど!
フリットウィック先生とかスプラウト先生なんかも割とためらいがちに声をかけつつあんまりかまわない、みたいな?
問題はスリザリン系の先生たちとか。
寮監以外の先生たちがねえ…。
そりゃあもう、徹底無視、とか嫌がらせとか。
すごかったわよぅ。
でもねえ、現代日本で生きてりゃ、いじめなんて誰もが一度はやってやられるし。
無視とかハブって誰でも経験あるだろうし。
それを乗り切るのだって経験してない人の方が少ないんじゃないかしら。
それに、陰湿な女子のいじめとかお局さまからの嫌がらせとか、そんなものに比べれば、軽い軽い。
当社比0.67%ぐらいのダメージよ。
エバネスコとか便利な魔法もあるし。
あの程度のいやみで痛む胃は持ち合わせてないし。
ていうか、甘いのよね。やり方が。
いじめってのは、こっそり靴隠すとか、持ち物を焼却炉に入れるとか、見つかって問題になるのが嫌なら靴ひもをナイフで切っておくとか、カバンの持ち手に重さがかかるとぶちっといくように切れ目を入れておくとか。
トイレに閉じ込めるとか、机に死ねとかブスとか書いておくとか!
・・・あ、考えてみれば個人の机もなければ靴も寮の部屋以外はきっぱなしだし…教科書に落書きしようがトイレに閉じ込めようが魔法で出てこれるわね・・・。
ふむ、なるほどぉ。
いじめって直接魔法かける以外に出来ないのか!
こんな風に。
「ステューピファイ!」
「プロテゴ。パック」
通りすがりのスリザリン生をさくっとなぜか廊下においてあった掃除用具箱に収納して校長室の前にたどり着いた。
「失礼しまーす」
「入りなさい」
ごごごごご、とか動くガーゴイルをやり過ごし、入った校長室の真ん中に、ダンブルドアがいた。
「お呼びですか」
「遅かったのう」
「授業が今終わったもので。それで?」
なんの用じゃい。
別に険悪とか、そういうわけじゃない。
「おまえさんに客じゃ」
「は?」
客?
んなもの来る予定なんてあるっけ。
知り合いもなんにもいないこの世界で。
「ブラック家からのお客人がな。ミス・キリュウに聞きたいことがあるそうじゃ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・ぶ」
絶句。
ブラック家?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やばい。
頭に浮かんだのは、その言葉だけだった。
殺される。
かもしんない。
ひょっとしたら、初めて覚えた危機感じゃなかろうか。
「ミスター・ブラック。こちらがお話していたサクラ・キリュウじゃ」
「これが、アンドロメダを突き落とした女ですか」
こちらを冷ややかに見下ろす黒髪の男性が、ひどく冷たい声でそう告げた。
およ。
シリウスとよく似てる。
目の色が、灰色というより、少しブルーがかっていて、その美貌に人間味を与えている。
とかって形容するのよね、きっと。
「はじめまして。ミス・キリュウ」
「はじめまして。ミスター・ブラック」
丁寧に挨拶をして、実に優雅な挙措でソファに腰を下ろしたミスター・ブラックは膝の上に手を組んで、唇だけで笑った。
うわ。凄絶。
美形なだけに怖い。
顔が整っているせいか、その目が鋭利な切れ長の目のせいか、そういう笑い方をされると、えらく冷たく見える。
なんというか…ちょっと近寄りたくない。
「謹慎中だったそうだが?」
「はい」
今も授業以外は出歩けないし、出歩くときはかならず監視がついてる。
謹慎にあんまり変わりはない。
「それではこれはまだ読んでいないだろう。君にプレゼントさせていただこう」
「なんでしょう・・・」
日刊預言者新聞。
それがどうした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って!!
あたしがアンドロメダを殺したってトップになってるぅ!?
これじゃあたし殺人犯じゃないのよ!!
「君の味方は、誰もいないぞ」
「・・・・・・・・・・・・・これのことですか?」
『少女Aと親しい間と言われるマルフォイ家のルシウスくんは「それほど親しくしていたわけではありません。彼女が我々を利用しようと近づいてきたのではないでしょうか。味方?まさかとんでもない。以前から信用ならないと思っていましたから」と語った』
新聞記事にはそう書いてある。
「そうだが?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・で?」
それがどうした。
ルシウスならさもありなん!
こういう人でしょ。それを責める気も傷つく気も起こらないわ。
自分の利を悟って行動するから、スリザリンでしょ。
目の前で崖にぶら下がっている人がいたらたとえ自分の奥さんであっても自分が確実に助かる方法を選ぶタイプよ。あれは。
むしろ、あんな風に校内でだけでもあたしの味方だ、と示しただけでも驚きなのに。
「気にならないのか?」
「ぜんぜん」
期待も何もしてなかったし。
あの夜に側にいてくれただけで十分期待以上だったもの。
「そうか」
「はい」
なんにも気になりません。
・・・何しに来たのさ。
「では本題に入ろうか」
「どうぞ」
とっとと入れ。
「ブラック家の娘をあのような目に合わせながらアズカバン行きもなし、退学もなしでは話にならない。学校が処分しないというならしかるべき手段をとる、と伝えに来た」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
やっぱりですか・・・・・・。
「自主退学を取るか、アズカバンを取るか・・・好きにしたまえ」
「どっちもお断りさせていただきます」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだと?」
「お断りします。あたしは退学しませんし、アズカバンにも行きません」
「・・・・・・・・・そんなことが通ると思っているのか?」
「はい。ミスター・ブラック。あなたがいらしたということは通るのでしょう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「そうでなければ直接いらっしゃる必要はないでしょう。手紙一つ、魔法省の通知一つでどうにでもなるはずです」
むっとした顔で黙り込んだミスター・ブラックは、あたしの言葉を肯定していた。
わざわざここに来たということは、何らかの取引材料があるからだ。
最初に新聞を見せたのも、交渉を有利に運ぶためだ。
だからこそ、ダンブルドアはあたしを呼んだのだろう。
自分の道を、切り開けと。
「頭の良い娘、というのは本当だったようだな。そして…スリザリン的、というのも」
「ありがとうございます。でもあたしはグリフィンドールです」
ふう、とため息をついて、ミスター・ブラックはあたしに椅子を勧めた。
「きみに話がある」
「はい」
「アンドロメダの一件。突き落としたのではなく、本人の不注意による事故ということにしたい」
ここまで大々的に新聞にのっといて?
「君からの証言が取れたという情報は今までもどこにも乗っていない。推測と目撃者による発言のみ。そして、目撃者の証言は他にも捉えようがある」
あら。そんなもんだったの。こっちの勝手なインタビューまで乗ってるのかと思った。
インタビュー受けた記憶ないけど。
魔法界ならありよね。
「君は落ちそうになっているアンドロメダに手を差し伸べたが、運悪くその手をよけようとしたアンドロメダがバランスを崩し、そこに手が当たって落ちた。君は今まで目の前で起きた友人の危難にショックを受けて人と会話をすることもままならなかった、と。そういうことにしたい」
・・・・・・・・・・・・まあ!なんて立派なシナリオだこと!
「そういうことにしたい、とはどういうことかしら?」
「君にそう証言をしてもらい、目撃者たちからのコメントも取る。アンドロメダは怪我もなく、運良く、フリットウィック先生に助けられた、という美談だ」
美談を作り上げるのもお手の物。
だけど、どうしてそんなものを作る必要がある?
「じゃあ、アンドロメダは逃げたのね?」
「・・・・・・・・・・・・・・やはり知っていたのか」
「知っていたから、落としたのよ」
ふぅ、とため息をついてミスター・ブラックが目頭を痛みをこらえるように押さえた。
「まだ世間には言っていないがな」
「公表されてたらこんな暢気な記事、乗るわけないわ」
「自分の殺人未遂事件を暢気と言うとは…なかなかだな」
「お褒めいただきありがとう」
何がなかなかだか知らないけど。
それにしても、よかった。
ちゃんと逃げれて。
その後のことはテッド・トンクスと彼女の問題だし。
うまく行っても行かなくても、あたしは関われないし関わらない。
自分の思いを貫くってのは結構体力も気力も意思もいるものだしね。
周囲に振り回されたり周囲の意見や力添えに支えられちゃうと後々うまく行かないもの。
恋愛だろうと、夢だろうと、どんなものでもね。
「では取引は承知されたと思っても良いか?」
「仕方ないでしょう。あたしもこれ以上騒がれるのはごめんだし、アンドロメダが幸せになるのならそれで十分よ」
「そうか」
組んでいた腕を解いて、その手が差し伸べられる。
「個人的には」
「はい?」
「感謝する。アンドロメダを、幸せにしてくれて、ありがとう」
はい?
「それでは」