3年生(親世代) 完結 (52話)
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5
「お前がここに一人でいるってのも珍しいな」
「・・・・・・・・・・・いいじゃない」
別にシリウス専用ってわけじゃないでしょー!
あたしが使ったっていいじゃないのよ。校内なんだから。
「いいけどな」
ひょい、と軽い動作で隣に腰を下ろしたシリウスが切り出したのは・・・まさしく、あたしの悩んでいたことだった。
「最近、一人なんだな」
「・・・なんか、ね・・・・・・」
避けられてる。
リリーに。
かなりわかりやすいぐらい。
一日のうち、ほとんどを一緒にいたのに、今はもう、顔を見ることすら少ない。
授業でペアを組むこともないし、食事を一緒にすることもない。
3年生が始まってから、ずっとそう。
何かしたのか、それすらもわからなくて。
「はっきり言ってくれればいいのにね・・・」
無理なことだとわかっていても、そう願わずにいられない。
そんなことを正直に正面から言える人なんて、いない。
そんなことを言って、そんなこと気にするなんて馬鹿みたい、と否定されたくない。
それ以上に、そんなことをして話し合いにでもなったら、顔も見たくないような人と顔をつき合わせてずっと一緒にすごさなければならなくなるかもしれないのだから。
だけど、されているほうは・・・いっそ、いってもらったほうがずっと楽なのだ。
何かいやなことがあるなら、直すことが出来るかもしれない。。
もう一緒にすごすと不愉快だからやめよう、といわれれば、原因がなんだったんだろう、となんとか仲直りできないのか、と悩まなくてすむ。
悩むことだって人間付き合いの一つだけど、こういうのは、正直、苦手だ。
まして、あたしにとって、リリーは9歳も年下で・・・あのころのあたしがどんなことを考えてどんな風にすごしていたか、なんて・・・覚えてもいないのだ。
「お前らがあんなふうになってるの・・・いやだからさ」
「え?」
「ちゃんと仲直りしろよ」
ぽん、と頭の上に手が載せられる。
「な?」
そういって覗き込んできた顔は、妙にお兄ちゃんしていた。
なんだか、おかしな気分。
「うん・・・」
「話し合えばわかるって。相手はエヴァンスだからな」
「そうだね・・・」
リリーだもの。
ちゃんと、正面から話そう、といえば・・・きっと、話してくれる。
理由も、全部。
ただ、それには・・・あたしが勇気をださなきゃいけない。
そんな勇気、あったら苦労しない。
話をしよう、というだけなのに・・・そのタイミングがつかめないとか、そんな言い訳をして逃げてしまいそうだ。
周りに人がいる、とか・・・なんか、話しかけにくい、とか。
そうやって、前にも・・・あたしは、友達をなくした。
何人も。
そのたびに、どうして声をかけられなかったんだろう、どうしてあの時勇気が出せなかったんだろうって、悩んで、ない
て。
無視するほうが悪い、っていう結論を出して、そんなの平気って顔を作るようになった。
無視というか・・・喧嘩をして、離れていくほうも辛いのだ、と考えられるようになるのに、ずいぶんと時間がかかった。
あたしが、未熟で幼かったから、何人もの人を傷つけた。
だから、今度は話し合おうっていえるように・・・そう思って・・・でも、そんな機会、大人になればなるほどなくなった。
みんな表面で付き合うのがうまくなったから。
本音と、建前と、器用に使い分けながら心の中で傷ついて、受け入れるふりして、離れるタイミングを計って。
そんなことばかりうまくなってく。
だけど、その世界は楽だった。
自分から勇気を出して何かをする必要もなく、漂っていられる世界だったから。
自分から行動するって、実はすごくエネルギーがいる。
そんなエネルギーを、今のあたしは・・・もっていない。
どうしよう。
そんな考えが、顔にでていたのか。
うにっと、ほっぺたをつままれた。
なにすんじゃい。
「玉砕したら、骨は拾ってやるよ」
「・・・・・・・・・・・・・ほんとに?」
「だから、安心していって来い」
「安心って、言うの?それ・・・」
「いいから。エヴァンスに振られたら俺が拾ってやるよ。かわいそうだから」
むか。
かわいそうとか言うな。
「その顔で行ってこい。お前は常に人生前向きだろう」
いや、実は後ろ向きなんだけど。
ものすごく。
「いつもみたいな強気で行ってこいよ。思い切ってさ」
「だけど・・・」
「ばか。エヴァンスとこのまま離れたいわけ?」
「ううん・・・」
離れたくなんて、ない。
一緒にいたい。
ハリーが、とか・・・未来が、とかそんなことじゃなくて。
あたしは、リリーが好きだから。
いつも一生懸命で明るいあの子が、好きだから。
友達でいたいと思った。
「じゃあ行って来いよ。仲直りしようって、言えばいいだけだろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・そうだけど」
そんな簡単じゃ、ないのに。
だけど・・・ひょっとしたら、出来るかもしれない。
そう思った。
「・・・ねえ、シリウス」
「ん?」
「・・・・・・・・勇気を、ください」
あなたの、勇気を。
あのスリザリンの家にいながら、勇気のグリフィンドールに選ばれた、あなたの勇気を。
あたしに、分けて。
「・・・・・・・・・いいぜ」
ちょっと笑って。
シリウスは、あたしの額に、キスをした。
「行けるか?」
「――――うん」
大丈夫。
きっと。
「お前がここに一人でいるってのも珍しいな」
「・・・・・・・・・・・いいじゃない」
別にシリウス専用ってわけじゃないでしょー!
あたしが使ったっていいじゃないのよ。校内なんだから。
「いいけどな」
ひょい、と軽い動作で隣に腰を下ろしたシリウスが切り出したのは・・・まさしく、あたしの悩んでいたことだった。
「最近、一人なんだな」
「・・・なんか、ね・・・・・・」
避けられてる。
リリーに。
かなりわかりやすいぐらい。
一日のうち、ほとんどを一緒にいたのに、今はもう、顔を見ることすら少ない。
授業でペアを組むこともないし、食事を一緒にすることもない。
3年生が始まってから、ずっとそう。
何かしたのか、それすらもわからなくて。
「はっきり言ってくれればいいのにね・・・」
無理なことだとわかっていても、そう願わずにいられない。
そんなことを正直に正面から言える人なんて、いない。
そんなことを言って、そんなこと気にするなんて馬鹿みたい、と否定されたくない。
それ以上に、そんなことをして話し合いにでもなったら、顔も見たくないような人と顔をつき合わせてずっと一緒にすごさなければならなくなるかもしれないのだから。
だけど、されているほうは・・・いっそ、いってもらったほうがずっと楽なのだ。
何かいやなことがあるなら、直すことが出来るかもしれない。。
もう一緒にすごすと不愉快だからやめよう、といわれれば、原因がなんだったんだろう、となんとか仲直りできないのか、と悩まなくてすむ。
悩むことだって人間付き合いの一つだけど、こういうのは、正直、苦手だ。
まして、あたしにとって、リリーは9歳も年下で・・・あのころのあたしがどんなことを考えてどんな風にすごしていたか、なんて・・・覚えてもいないのだ。
「お前らがあんなふうになってるの・・・いやだからさ」
「え?」
「ちゃんと仲直りしろよ」
ぽん、と頭の上に手が載せられる。
「な?」
そういって覗き込んできた顔は、妙にお兄ちゃんしていた。
なんだか、おかしな気分。
「うん・・・」
「話し合えばわかるって。相手はエヴァンスだからな」
「そうだね・・・」
リリーだもの。
ちゃんと、正面から話そう、といえば・・・きっと、話してくれる。
理由も、全部。
ただ、それには・・・あたしが勇気をださなきゃいけない。
そんな勇気、あったら苦労しない。
話をしよう、というだけなのに・・・そのタイミングがつかめないとか、そんな言い訳をして逃げてしまいそうだ。
周りに人がいる、とか・・・なんか、話しかけにくい、とか。
そうやって、前にも・・・あたしは、友達をなくした。
何人も。
そのたびに、どうして声をかけられなかったんだろう、どうしてあの時勇気が出せなかったんだろうって、悩んで、ない
て。
無視するほうが悪い、っていう結論を出して、そんなの平気って顔を作るようになった。
無視というか・・・喧嘩をして、離れていくほうも辛いのだ、と考えられるようになるのに、ずいぶんと時間がかかった。
あたしが、未熟で幼かったから、何人もの人を傷つけた。
だから、今度は話し合おうっていえるように・・・そう思って・・・でも、そんな機会、大人になればなるほどなくなった。
みんな表面で付き合うのがうまくなったから。
本音と、建前と、器用に使い分けながら心の中で傷ついて、受け入れるふりして、離れるタイミングを計って。
そんなことばかりうまくなってく。
だけど、その世界は楽だった。
自分から勇気を出して何かをする必要もなく、漂っていられる世界だったから。
自分から行動するって、実はすごくエネルギーがいる。
そんなエネルギーを、今のあたしは・・・もっていない。
どうしよう。
そんな考えが、顔にでていたのか。
うにっと、ほっぺたをつままれた。
なにすんじゃい。
「玉砕したら、骨は拾ってやるよ」
「・・・・・・・・・・・・・ほんとに?」
「だから、安心していって来い」
「安心って、言うの?それ・・・」
「いいから。エヴァンスに振られたら俺が拾ってやるよ。かわいそうだから」
むか。
かわいそうとか言うな。
「その顔で行ってこい。お前は常に人生前向きだろう」
いや、実は後ろ向きなんだけど。
ものすごく。
「いつもみたいな強気で行ってこいよ。思い切ってさ」
「だけど・・・」
「ばか。エヴァンスとこのまま離れたいわけ?」
「ううん・・・」
離れたくなんて、ない。
一緒にいたい。
ハリーが、とか・・・未来が、とかそんなことじゃなくて。
あたしは、リリーが好きだから。
いつも一生懸命で明るいあの子が、好きだから。
友達でいたいと思った。
「じゃあ行って来いよ。仲直りしようって、言えばいいだけだろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・そうだけど」
そんな簡単じゃ、ないのに。
だけど・・・ひょっとしたら、出来るかもしれない。
そう思った。
「・・・ねえ、シリウス」
「ん?」
「・・・・・・・・勇気を、ください」
あなたの、勇気を。
あのスリザリンの家にいながら、勇気のグリフィンドールに選ばれた、あなたの勇気を。
あたしに、分けて。
「・・・・・・・・・いいぜ」
ちょっと笑って。
シリウスは、あたしの額に、キスをした。
「行けるか?」
「――――うん」
大丈夫。
きっと。