親世代 番外ss
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日曜日。
ジェームズたちはデート。
どれ、悪戯のネタでも…と思っていたところに、お迎えがきた。
「シリウス~いる?」
お誘いは、湖の側でのんびりしない?というものだったけれど。
どうも。気乗りしない。
いや、一緒にすごしたくないんじゃなくて…
部屋で過ごそう、と言ったら、あっさり了解された。
別に外にいきたかったのではなく、一緒にいたかっただけらしい。
「ねえねえ、これ見て。朝のフクロウ便で届いたの」
ベッドで寝そべる俺に身体を預けて、うれしそうにサクラが俺に見せたのは、いろんな赤の詰め込まれた小さな平たいパレットだった。
手のひらにのるくらいのそれには、10色ぐらいのいろんな赤があって。
・・・赤っていうよりピンク、かな。
「なんだ?それ」
「リップパレット。かわいいでしょ」
女の子だなぁ・・・
こういうの、こいつも興味あるのか。
あんまり他の連中みたいに化粧してないからないのかと思ってた。
「ねえ、聞いてる?」
「ああ。…お前、化粧とかするの?」
「あら。いつもしてるわよ?」
それは知らなかった。化粧の匂いしないし。
「だって、シリウス…化粧品の匂い苦手でしょ?」
だから無香料の使ってるの、というサクラに、愛されてるなあと思う。
色やブランドで選ぶんじゃなくて…俺が匂い嫌いだからって。
そういってくれるサクラがうれしい。
「これね、こっちがピンクベージュで、これが…」
にこにこしながら色を教えてくれるサクラの唇のピンクが、俺は一番好きだけどな。
「・・・今もしてる?」
きょとん、としたサクラが苦笑してもちろん、と言う。
「口紅も?」
それはしていないらしい。
リップクリームだけよ、というサクラにちょっとほっとした。
「でね、シリウス・・・」
口紅の話題だからだろうか。
サクラの唇が、いつもより気になって。
俺はひょい、と手を伸ばしてサクラの頭を引き寄せた。
「ん・・・っ」
ちゅっ、と軽い音をさせてついばんだ唇は、やっぱりやわらかかった。
もう、とか言いながら唇を尖らせてるサクラがかわいい。
キスって、安心できるんだけどな。
サクラにはキスをする習慣がないらしいから、頬や額にするのもよく顔を赤くしてる。
だけど、俺はキスするの好きだし。
もっかいしようかな、とか考えてたら、サクラがぱっと俺を見た。
「…ねえ、シリウス」
ふと、そのきらきらとした目に。
不吉な予感がした。
「この色。シリウスに似合いそうv」
「・・・・・・・・・・・・はぁ?」
なんだ、そりゃ。
なんでそうなる。
「ねえねえ、ちょっとだけ塗らせて?」
「嫌だ」
「いいじゃない。ねえ、お願い」
「ダメ」
なに考えてんだ?
って杖だすな!!杖!!
「ペトリフィカ・・・」
「だめだっての!!」
すんでのところでとりあげた杖をサイドテーブルに放り投げて。
「シリウス」
俺から取り返そうとしたサクラが俺の身体に乗り上げた。
「・・・・・・・・・・っ」
やばい。
その体制はやばい。
「ほら、あきらめろ」
とにかくはやくどけてほしくて、俺は必死だった。
「いいじゃない!ちょっとぐらい」
「だめったらダメだっての!」
「けち・・・・・・」
しぶしぶどけたサクラの唇がとんがっている。
そのパレットの色を試したい気分もあるのかもしれない。
「絶対似合うと思うんだけどな、この色・・・あたしには似合わないし」
たしかにその色は、サクラにはちょっと暗すぎるような気がした。
濃い目のダークレッド。
使うことなさそうなんだもの、と呟くサクラに、ふと思いついた。
「・・・・・・つけてみれば?」
「似合わないってわかってるのに?」
「塗ってやるよ」
「え?」
小さなリップブラシを手に取った俺に、首を傾げながらも肘をついて身体を起こした俺に顔を近づけた。
「目、閉じて」
ふでで丁寧に唇をなぞる。
「動くなよ」
「くすぐったいんだもん」
「だめだって・・・はみだすぞ」
「はぁい」
丁寧に唇に塗った赤は…妙に浮き上がっていて、本当に似合わなかった。
「濃いな」
「だから言ったで・・・」
塗りたての口紅は、べたべたしていて、へんなあじがした。
「ん~!!」
暴れる腕を押さえて身体を入れ替える。
しばらく何度もキスをして。
開放した途端に平手がとんできた。
・・・俺、恋人だよなぁ?
「・・・・・・・・・・っ何するのよ!」
「ほら。お望みどおり色つけたぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
きっと、俺の唇には、サクラの唇から写った赤が。
「・・・・・・・っ」
ぼんっと音がしそうな勢いでサクラの顔が赤くなった。
「似合うのか?」
「・・・・・知らないわよ!!」
リップパレットをにぎりしめてばたばたといなくなったサクラに笑いがこみあげる。
ほんとにこういうの、苦手なんだな。
帰ってきたジェームズとリーマスとピーターには、思いっきりぎょっとされた。
ぽかんとしてるピーターやジェームズはともかく、リーマスには頭でもおかしくなったのか、といわんばかりの視線をむけられた。
あたりまえだけど、似合うわけねえし。
晩飯のときにサクラからかったら落とすとしよう。
「飯、食いにいかねえ?」
「そ、それでいくのか!?」
「当然」
食堂でも、みんな俺の顔を見た瞬間にぎょっとしておもしろいぐらい動きを止める。
お。いたいた。
「サクラ」
びくっと肩を震わせたサクラがおそるおそるというように俺を見て・・・逃げようとした。
「まて」
「嫌よ」
「サクラ。俺、口紅やっぱり嫌いだわ。次キスするときは無しな」
「・・・・・・・・・っ馬鹿シリウス!!!!」
・・・やりすぎたかなぁ?
「・・・あの、さ。心の友よ」
「なんだよ。ジェームズ」
「その・・・口紅は、サクから写ったものなのかな?」
「他にねえだろ」
よかった、とか失礼な言葉が聞こえたな・・
「僕はお前が変な趣味に目覚めたのかと・・・」
うんうん。と頷くピーターとリーマス。
「お前ら・・・」
「だってね、シリウス」
ぴしっと俺をゆびさしたリーマス、ジェームズ、ピーターが口をそろえて言った。
「「「その口紅、似合いすぎ」」」
・・・あいつの見立ては正しかったらしい・・・。