4年生(親世代) 完結 (35話)
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28
「ミス・キリュウ?」
「アルファードさん?」
思いがけない声だった。
感情を読めない穏やかさもいつもどおりに、アルファードさんがそこにいた。
う。そんな黒尽くめだと、まんま、シリウスに年とらせたみたい・・・。
なんでこんなに似てるかなあ。
実はアルファードさんの息子だったりして。
・・・って、シリウスのお母さん、アルファードさんの実のお姉さんだっけ・・・。
あの強烈なシリウスママン。
「久しぶりだね。元気そうだ」
最後に会ってから結構経ったものね。
「アルファードさんも。なんだかすっきりした顔してる」
良かった。
ウィルの遺言聞いて、考えるところあったのかな。
なんて。
少しでもあの人の役に立てたのなら、良かった。
ウィルもイーシャ先生も、アルファードさんを残していくの、心残りだっただろうから。
「何かあったのか?」
「・・・ちょっと寂しいの」
周りが、どんどん進んでいくような気がして。
あたしの方が大人だと思ってたのに。
なんだか、みんなばかりが成長して。
そのうち抜かれたりして。
しゃれにならないなあ。
「そうか・・・」
すっと伸びてきた手が頬に添えられる。
除きこんでくるやさしいブルーグレイ。
最初に出会ったときは、すごく冷たい人に見えたけど。
「みんなが、どんどん大人になってく・・・。あたしが、取り残されてるような気がして・・・」
おかしいよねえ。あたし、みんなより9歳も年上なのに。
「君だって、成長している。・・・子どもが大人になるのは早い。けれど、大人が成長するのには時間がかかるのだよ。いつか、実感できるときがくるだろう」
「ありがと、う・・・・・・・・・」
凍りついた。
はっと、アルファードさんが袖を引きおろす。
だけど、遅い。あたしは見てしまった。
離れていく手の、肩の動きに引っ張られたそでから見えた印。
それを、見間違えるはずがない。
「モースモードル・・・!」
苦い、顔だった。
「こんな・・・」
「このことは、誰にも秘密だ」
「なんで、こんなこと・・・っ」
「もっと早く、こうすればよかった」
その瞳はあくまで穏やかで、その穏やかさが、あたしに不安を抱かせた。
「アルファードさん・・・!」
この人に、こんなことを選ばせてしまったあたしが悔しい。
何も出来ないあたしが悔しい!
ここで唇をかみ締めているしか出来ないあたしが、悔しい・・・!
「嫌だよ・・・」
それしか、言葉が浮かばなかった。
「あたしは・・・嫌なの」
そう。嫌。
「あなたが、死ぬなんて、嫌」
スパイが、簡単に許されるはず、ない。
もし、見つかったら。
発覚してしまったら。
この人まで、いなくなる・・・?
今は、まだ、そうなってほしくない。
今は。
あの二人を失って、まだ、たった1年なのだ。
たった。
「ありがとう。そう言ってくれる人がいることが、どれほど貴重か・・・君にはわからないだろうな」
「貴重なんかじゃ・・・」
「親も、兄弟も、誰一人として、そう言う人間はいない。・・・だから、私の甥に、そう言ってやってくれ」
するり、とローブの袖を握っていた手がはずされた。
「生きていて良いのだと、言ってやってくれ」
「アルファードさん・・・」
「私は、私にそう言ってくれた人のために生きるから」
そういって、その人は、あたしの手の中からすり抜けていってしまった。
いつもどおりの、微笑みだけ残して。
「おい、どうしたんだ?」
声に顔を上げれば、見慣れた、整った顔があった。
アルファードさんに、よく似た顔。
見ているうちに、あたしの中に、なにかがこみ上げてくる。
「シリウス・・・」
「なにか、あったのか・・・?」
心配そうに、シリウスの手が、あたしの頬に触れる。
「シリウス・・・」
「ん?」
バキィィィィィィッッッ
「―――――――ッ!」
あたしの右アッパーが、シリウスのあごにヒットした。
「ミス・キリュウ?」
「アルファードさん?」
思いがけない声だった。
感情を読めない穏やかさもいつもどおりに、アルファードさんがそこにいた。
う。そんな黒尽くめだと、まんま、シリウスに年とらせたみたい・・・。
なんでこんなに似てるかなあ。
実はアルファードさんの息子だったりして。
・・・って、シリウスのお母さん、アルファードさんの実のお姉さんだっけ・・・。
あの強烈なシリウスママン。
「久しぶりだね。元気そうだ」
最後に会ってから結構経ったものね。
「アルファードさんも。なんだかすっきりした顔してる」
良かった。
ウィルの遺言聞いて、考えるところあったのかな。
なんて。
少しでもあの人の役に立てたのなら、良かった。
ウィルもイーシャ先生も、アルファードさんを残していくの、心残りだっただろうから。
「何かあったのか?」
「・・・ちょっと寂しいの」
周りが、どんどん進んでいくような気がして。
あたしの方が大人だと思ってたのに。
なんだか、みんなばかりが成長して。
そのうち抜かれたりして。
しゃれにならないなあ。
「そうか・・・」
すっと伸びてきた手が頬に添えられる。
除きこんでくるやさしいブルーグレイ。
最初に出会ったときは、すごく冷たい人に見えたけど。
「みんなが、どんどん大人になってく・・・。あたしが、取り残されてるような気がして・・・」
おかしいよねえ。あたし、みんなより9歳も年上なのに。
「君だって、成長している。・・・子どもが大人になるのは早い。けれど、大人が成長するのには時間がかかるのだよ。いつか、実感できるときがくるだろう」
「ありがと、う・・・・・・・・・」
凍りついた。
はっと、アルファードさんが袖を引きおろす。
だけど、遅い。あたしは見てしまった。
離れていく手の、肩の動きに引っ張られたそでから見えた印。
それを、見間違えるはずがない。
「モースモードル・・・!」
苦い、顔だった。
「こんな・・・」
「このことは、誰にも秘密だ」
「なんで、こんなこと・・・っ」
「もっと早く、こうすればよかった」
その瞳はあくまで穏やかで、その穏やかさが、あたしに不安を抱かせた。
「アルファードさん・・・!」
この人に、こんなことを選ばせてしまったあたしが悔しい。
何も出来ないあたしが悔しい!
ここで唇をかみ締めているしか出来ないあたしが、悔しい・・・!
「嫌だよ・・・」
それしか、言葉が浮かばなかった。
「あたしは・・・嫌なの」
そう。嫌。
「あなたが、死ぬなんて、嫌」
スパイが、簡単に許されるはず、ない。
もし、見つかったら。
発覚してしまったら。
この人まで、いなくなる・・・?
今は、まだ、そうなってほしくない。
今は。
あの二人を失って、まだ、たった1年なのだ。
たった。
「ありがとう。そう言ってくれる人がいることが、どれほど貴重か・・・君にはわからないだろうな」
「貴重なんかじゃ・・・」
「親も、兄弟も、誰一人として、そう言う人間はいない。・・・だから、私の甥に、そう言ってやってくれ」
するり、とローブの袖を握っていた手がはずされた。
「生きていて良いのだと、言ってやってくれ」
「アルファードさん・・・」
「私は、私にそう言ってくれた人のために生きるから」
そういって、その人は、あたしの手の中からすり抜けていってしまった。
いつもどおりの、微笑みだけ残して。
「おい、どうしたんだ?」
声に顔を上げれば、見慣れた、整った顔があった。
アルファードさんに、よく似た顔。
見ているうちに、あたしの中に、なにかがこみ上げてくる。
「シリウス・・・」
「なにか、あったのか・・・?」
心配そうに、シリウスの手が、あたしの頬に触れる。
「シリウス・・・」
「ん?」
バキィィィィィィッッッ
「―――――――ッ!」
あたしの右アッパーが、シリウスのあごにヒットした。