4年生(親世代) 完結 (35話)
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19
「サク、リリーを見なかった?」
「見てないわ・・・どうしたの?」
寮の部屋に戻った途端、マギーとアリスが顔色を変えていた。
きけば、ジェームズに例のセリフを投げつけられた後、いなくなったという。
「マクゴナガル先生に知らせたの?」
「知らせたら、減点されちゃうわ!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
そ、そういう問題!?
減点ってそんなに重いかなあ・・・。
だけど、もう黙って力を貸してくれる先生たちがいない。
ウィルとイーシャ先生なら、こっそり頼めたのに・・・。
・・・なんて言っても、仕方ないんだけど・・・。
「リリーの行きそうなところ・・・図書室?」
「だって、もうすぐ消灯なのに・・・」
いや、怖いけどね。怖いけどね、夜の図書室・・・。
「しょうがないなあ・・・行って来る」
「サク一人でなんて!」
「私たちも一緒にいくわ」
「見つからないでよ?」
「任せておいて」
黒いローブに身を包み、頭にしっかりとフードをかぶって、杖を持つ。
「じゃあ、あたしは教室回って図書室に行くから」
「私は医務室を経由して自習室」
「わたしは展望台から大広間に」
行くところを確認して、手順を確認して。
自分たちに暗視の術をかける。
これで暗闇でも猫みたいにしっかり見える。
下手な灯りの呪文を使うととんでもないことになりそうだし。
これがホグワーツでなければ水晶やカードで占うんだけど。
「リリー?」
いやあ。夜中の図書室で女性のすすり泣きなんて聞こえてほしくないんだけどねえ。
怪談よ、怪談。
学校七不思議・・・。
ん?でも普通にゴーストがうろついている学校なんだからいまさら幽霊だー!とかって騒ぐ必要ないんじゃ・・・。
・・・・・・・・・・・・・って今目の前をよぎらなかったか!?
「・・・ピーブス」
「なんだい?」
「お願いがあるの」
「イヤだよ」
「あたしに向かってそういう口たたこうっての?」
許さん。
「・・・・・・・・・・・・・なんだい?」
「リリーはどこ?」
「あんたの大事な大事なにんじん娘なら決闘クラブの部屋で見かけたよ」
「・・・・・・・・・・決闘クラブ!?」
なんでそんなとこ!?
「リリー」
「・・・・・・・・・・・ここ」
「・・・どうしたの?」
「別に」
「別にって・・・」
別に、でこんなところに消灯後にひきこもらないでほしい。
「あなたたちだって、よくやるじゃない。消灯後の脱走」
「・・・え、と・・・でもね、それは・・・」
「なに?あなたたちはよくてわたしはダメなの?マグル生まれだから」
「そんなの関係ない・・・・・・」
その言葉に響きに、気づいてしまった。
少しだけ、気づかなければよかった、と思ってしまったあたしがいる。
「マグル生まれ」であることを、リリーが、リリー自身が、嫌悪しているだなんて。
「穢れた血かあ・・・」
「リリー・・・」
「穢れた血ね・・・なら、そんなところから魔法使いなんて生まれないようにすればいいのに」
「リリー」
「もしくは、生まれたときに殺しちゃえばいいのよ。そうしたら・・・」
「リリー!」
「こんなに、苦しい思いをする魔女なんて、いなくなるのよ・・・」
「やめて、おねがいだから」
「いいわね、名家<キリュウのお嬢様。ルシウス・マルフォイとも仲がよくて、ブラック家とも親交があって、普段、好きだとか言ってるくせに、こういうときは『マグル生まれのくせに』なんて言って来るおぼっちゃんとも縁がなくて・・・」
それから、こう、言った。
「セブルスに、あんなこと、言われなくて済むんでしょ・・・」
「リリー・・・」
また、何か言われたのか。セブルスに。
いつもお互いに傷ついて、傷つけて。お互いにそんなこと願ってもいないのに。
「純血って・・・すごいよね。みんな魔法使いで、小さい頃から、魔法が使えて当たり前っていわれて・・・学校でも、大事にされて・・・っ!わたしなんて、ここにいる資格、ないよ。純血じゃないんだもの・・・。」
そんなことは、ない。
あたしが、あたしが一番よく知っている。
あたし自身が、一番ここにいる資格がないことを。
純血のキリュウ家?
魔法族どころか、魔法使いですらない、この世界の人間でもないあたしが、一番ここにいる資格がないのに。
「家族からは化け物で、魔法界では穢れた血・・・わたしは、どこに属するの?ねえ、教えてよ・・・」
「リリー」
「あなた、いつもなんでもわかったような顔してるじゃない。シリウスやジェームズでも叱り飛ばしてるじゃない。じゃあ教えてよ。わたしは何?魔女でも、人間でもない・・・ただの化け物?」
「あなたは魔女よ!・・・優秀な、魔女でしょう?」
「魔女じゃないわ」
「リリー」
「壊れたみたいに人の名前ばっかり呼ばないで」
「・・・・・・・・・・・・あなたの、ご両親は、喜んでくれたんでしょ・・・?」
そうじゃ、なかった?
ペチュニアがそう言っていた。
―――我が家に魔女を授かったと大喜び・・・・・・
かえってきたのは苦い微笑み。
「パパと、ママだってね・・・喜んでるわけじゃないのよ・・・」
「え?」
「ほっと、しただけなのよ・・・ああ、魔女なら・・・学校が存在して、魔法をコントロールできる魔女なら・・・化け物、と呼ばなくて済むって・・・ただ、それだけなのよ・・・」
のばした、あたしの手が落ちた。
何を言って良いのか、わからなくなった。
だって、あたしは愛されて育った。
家族から、愛情を注がれた。
不満もいっぱいあったし、ぶつかり合ったし、色々と嫌なこともあったけれど。
離れてみて、初めてわかった愛情が、そこにはあった。
ここではダンブルドアのおかげで、キリュウ家とやらのお嬢様。
なにに苦しむことなくここまですごしてきて。
だけど、本当ならリリーのように、マグル生まれ扱いだったはずなのだ。
あたしだけが免れた。
ダンブルドアが、してくれた、数々の心配りのおかげで。
「セブルスだけなのに・・・」
「え?」
セブルス、だけ?
何が?
口を開こうとした瞬間、リリーがぎゅっと唇をかんだ。
「なんでもない。行って。近づかないで」
「でも」
「あっち行ってったら!」
「だって、ここに一人じゃ・・・」
危ない、そういいかけた言葉にかぶさるように聞こえた声は聞き覚えのあるものだった。
「サクラ」
「・・・ダンブルドア」
「よい。―――ミス・エヴァンス」
「・・・校長先生」
「わしと少し話をしないかね?思えば、君とは入学して以来長い間はなすこともなくきてしまった」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひとつだけ、きかせてくださるなら」
「なんだね?」
「わたしは・・・この学校に入って・・・よかったのですか・・・?」
なきそうなリリーの声に、ダンブルドアがなんとこたえたか。
想像はつくけれど、そこから先は、二人の話し合う時間だった。
あたしの出る幕じゃ、ない。
「サク、リリーを見なかった?」
「見てないわ・・・どうしたの?」
寮の部屋に戻った途端、マギーとアリスが顔色を変えていた。
きけば、ジェームズに例のセリフを投げつけられた後、いなくなったという。
「マクゴナガル先生に知らせたの?」
「知らせたら、減点されちゃうわ!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
そ、そういう問題!?
減点ってそんなに重いかなあ・・・。
だけど、もう黙って力を貸してくれる先生たちがいない。
ウィルとイーシャ先生なら、こっそり頼めたのに・・・。
・・・なんて言っても、仕方ないんだけど・・・。
「リリーの行きそうなところ・・・図書室?」
「だって、もうすぐ消灯なのに・・・」
いや、怖いけどね。怖いけどね、夜の図書室・・・。
「しょうがないなあ・・・行って来る」
「サク一人でなんて!」
「私たちも一緒にいくわ」
「見つからないでよ?」
「任せておいて」
黒いローブに身を包み、頭にしっかりとフードをかぶって、杖を持つ。
「じゃあ、あたしは教室回って図書室に行くから」
「私は医務室を経由して自習室」
「わたしは展望台から大広間に」
行くところを確認して、手順を確認して。
自分たちに暗視の術をかける。
これで暗闇でも猫みたいにしっかり見える。
下手な灯りの呪文を使うととんでもないことになりそうだし。
これがホグワーツでなければ水晶やカードで占うんだけど。
「リリー?」
いやあ。夜中の図書室で女性のすすり泣きなんて聞こえてほしくないんだけどねえ。
怪談よ、怪談。
学校七不思議・・・。
ん?でも普通にゴーストがうろついている学校なんだからいまさら幽霊だー!とかって騒ぐ必要ないんじゃ・・・。
・・・・・・・・・・・・・って今目の前をよぎらなかったか!?
「・・・ピーブス」
「なんだい?」
「お願いがあるの」
「イヤだよ」
「あたしに向かってそういう口たたこうっての?」
許さん。
「・・・・・・・・・・・・・なんだい?」
「リリーはどこ?」
「あんたの大事な大事なにんじん娘なら決闘クラブの部屋で見かけたよ」
「・・・・・・・・・・決闘クラブ!?」
なんでそんなとこ!?
「リリー」
「・・・・・・・・・・・ここ」
「・・・どうしたの?」
「別に」
「別にって・・・」
別に、でこんなところに消灯後にひきこもらないでほしい。
「あなたたちだって、よくやるじゃない。消灯後の脱走」
「・・・え、と・・・でもね、それは・・・」
「なに?あなたたちはよくてわたしはダメなの?マグル生まれだから」
「そんなの関係ない・・・・・・」
その言葉に響きに、気づいてしまった。
少しだけ、気づかなければよかった、と思ってしまったあたしがいる。
「マグル生まれ」であることを、リリーが、リリー自身が、嫌悪しているだなんて。
「穢れた血かあ・・・」
「リリー・・・」
「穢れた血ね・・・なら、そんなところから魔法使いなんて生まれないようにすればいいのに」
「リリー」
「もしくは、生まれたときに殺しちゃえばいいのよ。そうしたら・・・」
「リリー!」
「こんなに、苦しい思いをする魔女なんて、いなくなるのよ・・・」
「やめて、おねがいだから」
「いいわね、名家<キリュウのお嬢様。ルシウス・マルフォイとも仲がよくて、ブラック家とも親交があって、普段、好きだとか言ってるくせに、こういうときは『マグル生まれのくせに』なんて言って来るおぼっちゃんとも縁がなくて・・・」
それから、こう、言った。
「セブルスに、あんなこと、言われなくて済むんでしょ・・・」
「リリー・・・」
また、何か言われたのか。セブルスに。
いつもお互いに傷ついて、傷つけて。お互いにそんなこと願ってもいないのに。
「純血って・・・すごいよね。みんな魔法使いで、小さい頃から、魔法が使えて当たり前っていわれて・・・学校でも、大事にされて・・・っ!わたしなんて、ここにいる資格、ないよ。純血じゃないんだもの・・・。」
そんなことは、ない。
あたしが、あたしが一番よく知っている。
あたし自身が、一番ここにいる資格がないことを。
純血のキリュウ家?
魔法族どころか、魔法使いですらない、この世界の人間でもないあたしが、一番ここにいる資格がないのに。
「家族からは化け物で、魔法界では穢れた血・・・わたしは、どこに属するの?ねえ、教えてよ・・・」
「リリー」
「あなた、いつもなんでもわかったような顔してるじゃない。シリウスやジェームズでも叱り飛ばしてるじゃない。じゃあ教えてよ。わたしは何?魔女でも、人間でもない・・・ただの化け物?」
「あなたは魔女よ!・・・優秀な、魔女でしょう?」
「魔女じゃないわ」
「リリー」
「壊れたみたいに人の名前ばっかり呼ばないで」
「・・・・・・・・・・・・あなたの、ご両親は、喜んでくれたんでしょ・・・?」
そうじゃ、なかった?
ペチュニアがそう言っていた。
―――我が家に魔女を授かったと大喜び・・・・・・
かえってきたのは苦い微笑み。
「パパと、ママだってね・・・喜んでるわけじゃないのよ・・・」
「え?」
「ほっと、しただけなのよ・・・ああ、魔女なら・・・学校が存在して、魔法をコントロールできる魔女なら・・・化け物、と呼ばなくて済むって・・・ただ、それだけなのよ・・・」
のばした、あたしの手が落ちた。
何を言って良いのか、わからなくなった。
だって、あたしは愛されて育った。
家族から、愛情を注がれた。
不満もいっぱいあったし、ぶつかり合ったし、色々と嫌なこともあったけれど。
離れてみて、初めてわかった愛情が、そこにはあった。
ここではダンブルドアのおかげで、キリュウ家とやらのお嬢様。
なにに苦しむことなくここまですごしてきて。
だけど、本当ならリリーのように、マグル生まれ扱いだったはずなのだ。
あたしだけが免れた。
ダンブルドアが、してくれた、数々の心配りのおかげで。
「セブルスだけなのに・・・」
「え?」
セブルス、だけ?
何が?
口を開こうとした瞬間、リリーがぎゅっと唇をかんだ。
「なんでもない。行って。近づかないで」
「でも」
「あっち行ってったら!」
「だって、ここに一人じゃ・・・」
危ない、そういいかけた言葉にかぶさるように聞こえた声は聞き覚えのあるものだった。
「サクラ」
「・・・ダンブルドア」
「よい。―――ミス・エヴァンス」
「・・・校長先生」
「わしと少し話をしないかね?思えば、君とは入学して以来長い間はなすこともなくきてしまった」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひとつだけ、きかせてくださるなら」
「なんだね?」
「わたしは・・・この学校に入って・・・よかったのですか・・・?」
なきそうなリリーの声に、ダンブルドアがなんとこたえたか。
想像はつくけれど、そこから先は、二人の話し合う時間だった。
あたしの出る幕じゃ、ない。