4年生(親世代) 完結 (35話)
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5
ごとんごとん、と響く列車の振動が身体に響く。
ホグワーツ特急に乗るために、駅を目指す列車の中で、あたしはことん、と窓に頭を預けていた。
雨が降っている。
とても激しい雨というわけではないけれど。
それでも、サーっという止まない音が耳につく。
窓には、水がベールのようにまとわりついている。
そこから見えるのは、ぼんやりと青みを帯びた灰色の空と、光を忘れたようにどこかくすんだ町並みと、それを眺めるつまらなそうな顔をした自分だった。
「ぶっさいくな顔」
滅入るぐらい、つまらなさそうな顔をしている。
ぼたっとはれたまぶたをさらに半眼にして、まるでにらんだみたいになってるし。
頬は緩んで垂れ下がってるし。
口は横にひっぱることを忘れて、ぶすっと突き出されてる上にへの字だし。
ちょっとにこっと、唇を横にひっぱって、頬をあげて、目をパッチリ開いて。
頑張って笑えばいいだけだってわかってるのに。
そんなこと、したくなかった。
極め付けに、前髪が顔に覆いかぶさって、まるで幽霊。
学校に行く直前に切ろうと思ってたのに。
それすら忘れてた。
今日、学校へ行ったら、違う先生がいる。
面白くない。
だって、彼らのための居場所だったのに。
なのに、もう、そこには彼らがいない。
飛行術も、防衛術も、違う先生が教えることになる。
「仕方ないじゃない。もう、死んでしまったんだから」
そんなこと、思いもしないくせに。
そうつぶやいたら、なんだか、本当にそんな気がしてきた。
「いないからって、授業しないわけにはいかないんだから・・・」
そうだ。彼らはいないんだから。
いないなら、その代わりが必要なんだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
唐突に、何かを理解したような気がした。
ああ、だからか。
だから、人を殺すことはだめなんだ。
だから、死喰い人たちは、嫌がられるんだ。
こんな理不尽な怒りと、悲しみと、無気力を味わわせるから、嫌悪と恐怖を持って呼ばれるんだ。
こういうことか。
闇の帝王が活躍するというのは、死喰い人たちがいるということは、こういうことか。
ある日突然、昨日まで笑っていた人たちを奪い取られるということなのか。
「ひどい・・・・・・・・・・・・・・」
だから、シリウスはあの家に警戒する。
だから、人々は闇の帝王を恐れる。
その意味が、ようやく理解できた。
たかが、ヴォルデモート一人の望みのために。
あたしは、もう、彼らと会えない。
おしゃべりをすることも、笑いあうことも、出来ない。
彼一人の、そして、彼を支持する愚かな人間たちのせいで。
永遠に、あの二人と会うことができない。
たかが、彼一人のわがままのために・・・!
膝を抱え込んで、シートに座る。
ぎゅっと顔を押し付けた膝が、妙に冷えていて。
そんなことすら腹立たしかった。
誰かが、隣に腰をおろすぎしっという音が聞こえて、座席がかすかに揺れた。
静かだった。
何をするわけでもなく。
何を言うわけでもなく。
ただ、隣に座っている。
「あっち行ってよ」
あんたの顔なんて、見たくないのよ。
何しに来たの。
あの人たちを殺しておいて。
「頼みがあると、言ったろう」
掠れた声だった。
いつものような、豊かな響きが消えていて。
一瞬、誰の声かと思った。
「聞かなくてもいいんじゃなかったの」
「・・・・・・その、つもりだった」
だが、と言いよどむなんて、珍しい。
「なに」
「その・・・」
「早く言って。で、いなくなって」
とてもじゃないけど、冷静に顔みて笑うなんて出来ないから。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嫌わないで、くれ」
・・・・・・・・・・・は?
「それだけだ」
「ちょっと?」
待ってよ、とあげた視界に、一瞬だけ、白金の流れが写って。
そこには、もう誰もいなかった。
「・・・なによ。勝手なこと言って」
本当に、勝手なことばかり。
そんなこと言うなら、しなければ良かったのに。
しなければ、その道を選ばなければ、それですんだことなのに。
「あんたが好きだったから、あの人たちを殺したことが、こんなに辛いんじゃない・・・・・・」
あんたの側にいたあたしだから、こんなに・・・・・・。
ごとんごとん、と響く列車の振動が身体に響く。
ホグワーツ特急に乗るために、駅を目指す列車の中で、あたしはことん、と窓に頭を預けていた。
雨が降っている。
とても激しい雨というわけではないけれど。
それでも、サーっという止まない音が耳につく。
窓には、水がベールのようにまとわりついている。
そこから見えるのは、ぼんやりと青みを帯びた灰色の空と、光を忘れたようにどこかくすんだ町並みと、それを眺めるつまらなそうな顔をした自分だった。
「ぶっさいくな顔」
滅入るぐらい、つまらなさそうな顔をしている。
ぼたっとはれたまぶたをさらに半眼にして、まるでにらんだみたいになってるし。
頬は緩んで垂れ下がってるし。
口は横にひっぱることを忘れて、ぶすっと突き出されてる上にへの字だし。
ちょっとにこっと、唇を横にひっぱって、頬をあげて、目をパッチリ開いて。
頑張って笑えばいいだけだってわかってるのに。
そんなこと、したくなかった。
極め付けに、前髪が顔に覆いかぶさって、まるで幽霊。
学校に行く直前に切ろうと思ってたのに。
それすら忘れてた。
今日、学校へ行ったら、違う先生がいる。
面白くない。
だって、彼らのための居場所だったのに。
なのに、もう、そこには彼らがいない。
飛行術も、防衛術も、違う先生が教えることになる。
「仕方ないじゃない。もう、死んでしまったんだから」
そんなこと、思いもしないくせに。
そうつぶやいたら、なんだか、本当にそんな気がしてきた。
「いないからって、授業しないわけにはいかないんだから・・・」
そうだ。彼らはいないんだから。
いないなら、その代わりが必要なんだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
唐突に、何かを理解したような気がした。
ああ、だからか。
だから、人を殺すことはだめなんだ。
だから、死喰い人たちは、嫌がられるんだ。
こんな理不尽な怒りと、悲しみと、無気力を味わわせるから、嫌悪と恐怖を持って呼ばれるんだ。
こういうことか。
闇の帝王が活躍するというのは、死喰い人たちがいるということは、こういうことか。
ある日突然、昨日まで笑っていた人たちを奪い取られるということなのか。
「ひどい・・・・・・・・・・・・・・」
だから、シリウスはあの家に警戒する。
だから、人々は闇の帝王を恐れる。
その意味が、ようやく理解できた。
たかが、ヴォルデモート一人の望みのために。
あたしは、もう、彼らと会えない。
おしゃべりをすることも、笑いあうことも、出来ない。
彼一人の、そして、彼を支持する愚かな人間たちのせいで。
永遠に、あの二人と会うことができない。
たかが、彼一人のわがままのために・・・!
膝を抱え込んで、シートに座る。
ぎゅっと顔を押し付けた膝が、妙に冷えていて。
そんなことすら腹立たしかった。
誰かが、隣に腰をおろすぎしっという音が聞こえて、座席がかすかに揺れた。
静かだった。
何をするわけでもなく。
何を言うわけでもなく。
ただ、隣に座っている。
「あっち行ってよ」
あんたの顔なんて、見たくないのよ。
何しに来たの。
あの人たちを殺しておいて。
「頼みがあると、言ったろう」
掠れた声だった。
いつものような、豊かな響きが消えていて。
一瞬、誰の声かと思った。
「聞かなくてもいいんじゃなかったの」
「・・・・・・その、つもりだった」
だが、と言いよどむなんて、珍しい。
「なに」
「その・・・」
「早く言って。で、いなくなって」
とてもじゃないけど、冷静に顔みて笑うなんて出来ないから。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嫌わないで、くれ」
・・・・・・・・・・・は?
「それだけだ」
「ちょっと?」
待ってよ、とあげた視界に、一瞬だけ、白金の流れが写って。
そこには、もう誰もいなかった。
「・・・なによ。勝手なこと言って」
本当に、勝手なことばかり。
そんなこと言うなら、しなければ良かったのに。
しなければ、その道を選ばなければ、それですんだことなのに。
「あんたが好きだったから、あの人たちを殺したことが、こんなに辛いんじゃない・・・・・・」
あんたの側にいたあたしだから、こんなに・・・・・・。