2年生(親世代) 完結 (35話)
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32
愉快なレギュラスの暴走も続く中、平穏無事にようやく2年生も終わろうとしていたというのに。
夏休みに入ろうかという直前。
唐突に集められたと思ったら、なにやら紙を渡された。
「自分が来年学びたいと思う教科を選んでください。これは進路にも関係しますからね。しっかり選ぶこと」
はあ・・・選択教科かー。
んと、ハリーは確か占い学とか選んでたわよね…。
イギリスのマグルについて学ぶのも面白いかも。
後はやっぱりルーン文字とか。
頭使うやつはできるだけパス…。
「シリウス、お前なんにするー?」
「俺は…」
隣で悩んでいた二人組みの片割れが発言する前に、その横にマクゴナガル先生が立ち止まった。
「ああ、ブラック。あなたは提出しなくて結構です」
「はい?」
え?なんで?
あたしと同じようにきょとん、とした顔のシリウスにマクゴナガル先生が苦々しく答えた。
「先ほど、ご実家から選択した内容が届きました」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
シリウスの顔から表情がそっくり抜け落ちた。
なにそれ。
本人になんの了解も相談もなく、勝手に選択したってこと!?
「わたくしは本人の自主性を伸ばすのに問題がある、と申し上げましたが、本人とは相談済みだと突っぱねられましたので、一応受理しました。それで正しいですか?」
ここで、いいえ、といえば・・・マクゴナガル先生は選ばせてくれるだろう。
けれど。
「…・・・・・・・・・・・はい」
それが、シリウスの答えだった。
・・・家に従うことを、その思うままにされることを、シリウスは選んだ。
たとえグリフィンドールに入ろうとも、勝手な行動はさせない、という意思表示なのか、それとも…これ以上変わる前に、と先手を打たれたのか。
それはわからないけれど、少なくとも…シリウスにとって、喜ぶべき事態ではなさそうな出来事よね。
でも、仕方ない。
そう思えたのは、あたしだけだったらしい。
ばん、と机に手を叩きつけて立ち上がったジェームズの顔は真っ赤になっていた。
「そんなのって有りなんですか!?本人を差し置いて勝手に決めるなんて…!」
うん。あたしもそれは思う。
勝手に決めていいことと、悪いことがある。
だけどさ。
「いいんだ、ジェームズ!」
「なにをいうんだ、シリウス!」
「いいんだ…それが、必要だってことだろう…だから、いいんだ」
「・・・・・・・・・・・お前・・・」
シリウス本人が了承してしまったのなら、あきらめるしかない。
シリウスにとって、そんな風に怒ってくれる友達がいることが、何よりもうれしいだろう。
そう思うから。
「家に逆らうこともできないのか!?親の言いなりになって楽しいのか!」
うあ。
ちょっと待って。ジェームズ。
それって、シリウス、すっごーく傷つくせりふだと思うんですけど!?
「なに考えてんだよ!言えよ!嫌だって…自分で選ぶって言えよ!」
「いえるかよ!俺は…俺は、シリウス・ブラックなんだ!」
ばりばりと二人の間に火花でも散るかと思うぐらいにらみあう二人にリーマスとピーターが立ち上がり、マクゴナガル先生が口を開きかけたところに、あたしは、できるだけ落ち着いて声をかけた。
「ジェームズ」
「サク」
「それ以上、言わないほうがいいと思うわ」
「でも・・・!」
「シリウスも、マクゴナガル先生もわかっていることよ。それでも何も言わずに二人が飲み込んだのなら、あなただって二人の気持ちを察するべきだわ。あなたが子どもじゃないならね」
「だけど」
「わからない?二人の気持ち」
「…わかる」
誰よりも、悔しい。
力になりたくともなれない。
やりたいことがあっても、口に出せない。
そんなもどかしい気持ちを抱えてぐっとこらえている二人に、感情に任せて意見を言えば、かえって苦しめることになるのだと、あなたならわかるはず。
でしょう?ジェームズ。
「一緒の授業を、選んだら?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」
「教えていただけますか?マクゴナガル先生。シリウスが、なんの授業をとることになっているのか」
そうたずねれば、微かに微笑む風だった。
「ええ。いいですとも。もちろん、教えますとも」
「お願いします」
楽しい授業にしようね、シリウス。
みんなで、一緒に受けよう。
そう言ってくれる友達が、あなたにはいる。
それが幸福だと、あなたならわかるよね。
だから、大切にして。
今の、このひと時を。
愉快なレギュラスの暴走も続く中、平穏無事にようやく2年生も終わろうとしていたというのに。
夏休みに入ろうかという直前。
唐突に集められたと思ったら、なにやら紙を渡された。
「自分が来年学びたいと思う教科を選んでください。これは進路にも関係しますからね。しっかり選ぶこと」
はあ・・・選択教科かー。
んと、ハリーは確か占い学とか選んでたわよね…。
イギリスのマグルについて学ぶのも面白いかも。
後はやっぱりルーン文字とか。
頭使うやつはできるだけパス…。
「シリウス、お前なんにするー?」
「俺は…」
隣で悩んでいた二人組みの片割れが発言する前に、その横にマクゴナガル先生が立ち止まった。
「ああ、ブラック。あなたは提出しなくて結構です」
「はい?」
え?なんで?
あたしと同じようにきょとん、とした顔のシリウスにマクゴナガル先生が苦々しく答えた。
「先ほど、ご実家から選択した内容が届きました」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
シリウスの顔から表情がそっくり抜け落ちた。
なにそれ。
本人になんの了解も相談もなく、勝手に選択したってこと!?
「わたくしは本人の自主性を伸ばすのに問題がある、と申し上げましたが、本人とは相談済みだと突っぱねられましたので、一応受理しました。それで正しいですか?」
ここで、いいえ、といえば・・・マクゴナガル先生は選ばせてくれるだろう。
けれど。
「…・・・・・・・・・・・はい」
それが、シリウスの答えだった。
・・・家に従うことを、その思うままにされることを、シリウスは選んだ。
たとえグリフィンドールに入ろうとも、勝手な行動はさせない、という意思表示なのか、それとも…これ以上変わる前に、と先手を打たれたのか。
それはわからないけれど、少なくとも…シリウスにとって、喜ぶべき事態ではなさそうな出来事よね。
でも、仕方ない。
そう思えたのは、あたしだけだったらしい。
ばん、と机に手を叩きつけて立ち上がったジェームズの顔は真っ赤になっていた。
「そんなのって有りなんですか!?本人を差し置いて勝手に決めるなんて…!」
うん。あたしもそれは思う。
勝手に決めていいことと、悪いことがある。
だけどさ。
「いいんだ、ジェームズ!」
「なにをいうんだ、シリウス!」
「いいんだ…それが、必要だってことだろう…だから、いいんだ」
「・・・・・・・・・・・お前・・・」
シリウス本人が了承してしまったのなら、あきらめるしかない。
シリウスにとって、そんな風に怒ってくれる友達がいることが、何よりもうれしいだろう。
そう思うから。
「家に逆らうこともできないのか!?親の言いなりになって楽しいのか!」
うあ。
ちょっと待って。ジェームズ。
それって、シリウス、すっごーく傷つくせりふだと思うんですけど!?
「なに考えてんだよ!言えよ!嫌だって…自分で選ぶって言えよ!」
「いえるかよ!俺は…俺は、シリウス・ブラックなんだ!」
ばりばりと二人の間に火花でも散るかと思うぐらいにらみあう二人にリーマスとピーターが立ち上がり、マクゴナガル先生が口を開きかけたところに、あたしは、できるだけ落ち着いて声をかけた。
「ジェームズ」
「サク」
「それ以上、言わないほうがいいと思うわ」
「でも・・・!」
「シリウスも、マクゴナガル先生もわかっていることよ。それでも何も言わずに二人が飲み込んだのなら、あなただって二人の気持ちを察するべきだわ。あなたが子どもじゃないならね」
「だけど」
「わからない?二人の気持ち」
「…わかる」
誰よりも、悔しい。
力になりたくともなれない。
やりたいことがあっても、口に出せない。
そんなもどかしい気持ちを抱えてぐっとこらえている二人に、感情に任せて意見を言えば、かえって苦しめることになるのだと、あなたならわかるはず。
でしょう?ジェームズ。
「一緒の授業を、選んだら?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」
「教えていただけますか?マクゴナガル先生。シリウスが、なんの授業をとることになっているのか」
そうたずねれば、微かに微笑む風だった。
「ええ。いいですとも。もちろん、教えますとも」
「お願いします」
楽しい授業にしようね、シリウス。
みんなで、一緒に受けよう。
そう言ってくれる友達が、あなたにはいる。
それが幸福だと、あなたならわかるよね。
だから、大切にして。
今の、このひと時を。