2年生(親世代) 完結 (35話)
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22
「そんなことがあったの…」
「そうなのよ。まったく、あの男、なに考えてるのかしら」
「さあ?」
ひょい、と目の前に山積みされたお菓子をぱりぽりと食べるアンドロメダの美しく白い指先を見つめる。
その指は…さっきからあきれるぐらいの速度でそれをせっせと口に運んでいる。
「ねえ、食べすぎ、じゃない?」
「そうかしら?普通よ」
普通じゃないと思います。
まだ10分ぐらいしかたってないのに机が埋もれんばかりだったお菓子が半減してるんですけど!?
「…ブラック家って、甘いもの好きなの…?」
シリウスといい、アンドロメダといい…。
「あら。違うわよ。アルファード叔父さまがお菓子をお好きな方なの。昔からお茶にいくとこれでもかってケーキやらクッキーやら…もう、ありとあらゆるお菓子を積んでくださるのよ。それで癖になっちゃったのよね」
でも太らないんだね…。
そのほうがすごいよ…。
「いいなあ…ブラック家の人たちってほんとに横にいかないで縦に栄養がいくわよね」
シリウスも伸びてるし。
あれは将来、きっと伸びるぞー。
あ、そういえば今はちっちゃいジェームズもにょきにょき伸びるんだっけ。
「そりゃ、努力してますから?」
「はい?」
「太ったらみっともないでしょう?だから努力してるわよ」
・・・・・・参りました。
だらだらと怠けてます!
「それで、ルシウスはそれからどうしたの?」
「不穏なことになる前に逃げました」
「あらあらあら。ルシウスもかわいそうねえ」
ころころと口元に手の甲をかざして笑うアンドロメダにため息をついて、あたしはずずっと紅茶をすする。
あー、おいし。
でもたまにはコーヒーのみたい…。
あ、マクゴナガル先生とか、ポッター先生とか、コーヒーも飲みそうよね。
いってみようかな。
「正義と狡猾を兼ね備えなければ、か…。それは同意できるけど…すごく、難しいことね」
「そう?…あたしが言ってるのはもっと単純なことだけど。…悪いことをしたら、間違っていることをしたら反省できればいいのよ。そして次に同じ間違いを犯さないように“努力”するの。それだけだわ。いかなる理由があろうとも間違っているから、罪、と呼ぶのよ」
「…そうね。そう努力することは…必要なことね」
「そうそう。あたしだってたくさん間違って、多くの過ちを犯して、色々な人を傷つけてきた。そのことを反省して、謝って、二度としないように心がけても…やっぱり、また間違うのよ。間違うことが悪いとは思わないし、過ちを犯すことが絶対にあってはいけないなんて思わない。だけど…それを『ま、いっか』で済まさないで向き合えるかが大切なんだと思うわ」
「…あなたは、それが出来る?」
そうたずねたアンドロメダは、どこかいたずらっぽい顔だった。
それに、あえてすまし顔を作る。
「いいえ。ぜんぜん」
出来たら神様です。
とたんに、アンドロメダが爆笑した。
「あなたって、そういうことを悪びれずに言うから好きよ!」
「とっても光栄ですわ、レディ・アン」
その答えにまた笑い転げるアンドロメダが苦しそうにおなかを押さえながらにじんだ涙をぬぐう。
「だけど、できる限りそれを心がけようとは思えるのよ。それでいいんじゃないかしら」
「そういう考え方は好きだわ。出来ることをやればいい、か」
「そ。出来る限り、自分に言い訳しないでね。自分でも自分に言い訳したっていい気分にならないもの」
あたしが思うことなんて、それぐらい。
「…でも、友達に関しては…同意できないな」
「え?」
「だって、お互いに…気を使わなければならないところってあるじゃない。突然本音をぶつけられたって、迷惑だわ」
そりゃそうよ。
常に本音でぶつかってこられたら重たくって仕方ない。
「そうねえ…ただ、本音を言ったときにきちんと、まじめに向き合って聞いてくれる友達はほしいと思う」
なにマジになってんの、とか。
そういう重いのらしくない、とか。
そういう重たいこと言われても困るし、とか。
そんな反応しか返ってこないような友達は…悲しい。
ああ、このひとはあたしとまじめに向き合う友達になる気なんてなかったんだな、と…。
そう、思えてしまうから。
そういう関係がいらないとは言わない。
そういう関係だって、あったっていい。
「本当に苦しんだとき、本当に悩んでいるとき…黙って、話を聞いてくれる、真剣に…親身になってくれる友達が、一人、いればいいと思う…」
ん?
…なんでそんな、えらく優しそうな目であたしを見るの??
「サクの悪いとこって、そういうところよね」
「え?」
「もっと深い思惑があったり…詳しく話してみればひどく単純なことなのに、たくさん言いたいことがあるのか、肝心なことを省略して話すの。…おかげで、こっちはその意図がどこにあるのか、じっくり考え込まなきゃならなくなるのよね」
・・・・・・う。
確かに、ちょっと回りくどい、とか…わかりにくい言い方は多いかも…。
「もっとストレートに、誤解のないように自分の意思を表す言葉を的確に使ったほうが良いわ。せっかく良い考えを持っているのに、もったいないもの」
「でも、なかなかそういうのって、うまくいかないのよね」
ついついしゃべることに夢中になったり、自分の意図と違う方向にいってるのに戸惑ったり…。
ときにはなんでこの人わかってくれないの!?って見当はずれにいらだったり。
うう…つくづくわがままかも…。
「そうねえ…そういうのも修行次第だと思うけど?」
「は?修行?」
って、なんですか。
どんな修行すればいいんですかっ!?
「ブラック家はそういう訓練を受けさせられるのよ。一番上手なのは…姉さまね。やっぱり」
「は、はあ…」
「小さい頃から毎日のようにお茶会でそういう言葉遣い、礼儀作法、それに社交術や会話術を学ばされるの」
「すご・・・」
「ああ、でも…シリウスもそつなくこなしていて…昔はブラック家の誰よりも優秀でブラック家らしかったのよね。どこでああなったのかしら」
へー。
相当無理してたんだねえ、シリウス…。
「わたくしがね」
ん?
「わたくしが思うのはね…そういう友達を引き寄せるのも、自分の在り方一つだ、ということよ」
「在り方?」
「いつも本音ではなくても、そういう友達がほしい、と思うこと…そういう友人を持つにふさわしい人間になること。それが、すばらしい友人を…本音で付き合える人を引き寄せるのよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…じゃあ、あたしは・・・少しはまともな人間になれたってことかしら」
「え?」
「だって…アンドロメダも、リリーも…シリウスたちも、そういう友達だと思うから。…そんな人たちと友達になれるぐらい…まともな人間になれたっていうことかな…」
だとしたら、それは、とても…
「うれしいな」
「そんなことがあったの…」
「そうなのよ。まったく、あの男、なに考えてるのかしら」
「さあ?」
ひょい、と目の前に山積みされたお菓子をぱりぽりと食べるアンドロメダの美しく白い指先を見つめる。
その指は…さっきからあきれるぐらいの速度でそれをせっせと口に運んでいる。
「ねえ、食べすぎ、じゃない?」
「そうかしら?普通よ」
普通じゃないと思います。
まだ10分ぐらいしかたってないのに机が埋もれんばかりだったお菓子が半減してるんですけど!?
「…ブラック家って、甘いもの好きなの…?」
シリウスといい、アンドロメダといい…。
「あら。違うわよ。アルファード叔父さまがお菓子をお好きな方なの。昔からお茶にいくとこれでもかってケーキやらクッキーやら…もう、ありとあらゆるお菓子を積んでくださるのよ。それで癖になっちゃったのよね」
でも太らないんだね…。
そのほうがすごいよ…。
「いいなあ…ブラック家の人たちってほんとに横にいかないで縦に栄養がいくわよね」
シリウスも伸びてるし。
あれは将来、きっと伸びるぞー。
あ、そういえば今はちっちゃいジェームズもにょきにょき伸びるんだっけ。
「そりゃ、努力してますから?」
「はい?」
「太ったらみっともないでしょう?だから努力してるわよ」
・・・・・・参りました。
だらだらと怠けてます!
「それで、ルシウスはそれからどうしたの?」
「不穏なことになる前に逃げました」
「あらあらあら。ルシウスもかわいそうねえ」
ころころと口元に手の甲をかざして笑うアンドロメダにため息をついて、あたしはずずっと紅茶をすする。
あー、おいし。
でもたまにはコーヒーのみたい…。
あ、マクゴナガル先生とか、ポッター先生とか、コーヒーも飲みそうよね。
いってみようかな。
「正義と狡猾を兼ね備えなければ、か…。それは同意できるけど…すごく、難しいことね」
「そう?…あたしが言ってるのはもっと単純なことだけど。…悪いことをしたら、間違っていることをしたら反省できればいいのよ。そして次に同じ間違いを犯さないように“努力”するの。それだけだわ。いかなる理由があろうとも間違っているから、罪、と呼ぶのよ」
「…そうね。そう努力することは…必要なことね」
「そうそう。あたしだってたくさん間違って、多くの過ちを犯して、色々な人を傷つけてきた。そのことを反省して、謝って、二度としないように心がけても…やっぱり、また間違うのよ。間違うことが悪いとは思わないし、過ちを犯すことが絶対にあってはいけないなんて思わない。だけど…それを『ま、いっか』で済まさないで向き合えるかが大切なんだと思うわ」
「…あなたは、それが出来る?」
そうたずねたアンドロメダは、どこかいたずらっぽい顔だった。
それに、あえてすまし顔を作る。
「いいえ。ぜんぜん」
出来たら神様です。
とたんに、アンドロメダが爆笑した。
「あなたって、そういうことを悪びれずに言うから好きよ!」
「とっても光栄ですわ、レディ・アン」
その答えにまた笑い転げるアンドロメダが苦しそうにおなかを押さえながらにじんだ涙をぬぐう。
「だけど、できる限りそれを心がけようとは思えるのよ。それでいいんじゃないかしら」
「そういう考え方は好きだわ。出来ることをやればいい、か」
「そ。出来る限り、自分に言い訳しないでね。自分でも自分に言い訳したっていい気分にならないもの」
あたしが思うことなんて、それぐらい。
「…でも、友達に関しては…同意できないな」
「え?」
「だって、お互いに…気を使わなければならないところってあるじゃない。突然本音をぶつけられたって、迷惑だわ」
そりゃそうよ。
常に本音でぶつかってこられたら重たくって仕方ない。
「そうねえ…ただ、本音を言ったときにきちんと、まじめに向き合って聞いてくれる友達はほしいと思う」
なにマジになってんの、とか。
そういう重いのらしくない、とか。
そういう重たいこと言われても困るし、とか。
そんな反応しか返ってこないような友達は…悲しい。
ああ、このひとはあたしとまじめに向き合う友達になる気なんてなかったんだな、と…。
そう、思えてしまうから。
そういう関係がいらないとは言わない。
そういう関係だって、あったっていい。
「本当に苦しんだとき、本当に悩んでいるとき…黙って、話を聞いてくれる、真剣に…親身になってくれる友達が、一人、いればいいと思う…」
ん?
…なんでそんな、えらく優しそうな目であたしを見るの??
「サクの悪いとこって、そういうところよね」
「え?」
「もっと深い思惑があったり…詳しく話してみればひどく単純なことなのに、たくさん言いたいことがあるのか、肝心なことを省略して話すの。…おかげで、こっちはその意図がどこにあるのか、じっくり考え込まなきゃならなくなるのよね」
・・・・・・う。
確かに、ちょっと回りくどい、とか…わかりにくい言い方は多いかも…。
「もっとストレートに、誤解のないように自分の意思を表す言葉を的確に使ったほうが良いわ。せっかく良い考えを持っているのに、もったいないもの」
「でも、なかなかそういうのって、うまくいかないのよね」
ついついしゃべることに夢中になったり、自分の意図と違う方向にいってるのに戸惑ったり…。
ときにはなんでこの人わかってくれないの!?って見当はずれにいらだったり。
うう…つくづくわがままかも…。
「そうねえ…そういうのも修行次第だと思うけど?」
「は?修行?」
って、なんですか。
どんな修行すればいいんですかっ!?
「ブラック家はそういう訓練を受けさせられるのよ。一番上手なのは…姉さまね。やっぱり」
「は、はあ…」
「小さい頃から毎日のようにお茶会でそういう言葉遣い、礼儀作法、それに社交術や会話術を学ばされるの」
「すご・・・」
「ああ、でも…シリウスもそつなくこなしていて…昔はブラック家の誰よりも優秀でブラック家らしかったのよね。どこでああなったのかしら」
へー。
相当無理してたんだねえ、シリウス…。
「わたくしがね」
ん?
「わたくしが思うのはね…そういう友達を引き寄せるのも、自分の在り方一つだ、ということよ」
「在り方?」
「いつも本音ではなくても、そういう友達がほしい、と思うこと…そういう友人を持つにふさわしい人間になること。それが、すばらしい友人を…本音で付き合える人を引き寄せるのよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…じゃあ、あたしは・・・少しはまともな人間になれたってことかしら」
「え?」
「だって…アンドロメダも、リリーも…シリウスたちも、そういう友達だと思うから。…そんな人たちと友達になれるぐらい…まともな人間になれたっていうことかな…」
だとしたら、それは、とても…
「うれしいな」