2年生(親世代) 完結 (35話)
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11
リーマスと、ジェームズと・・・みんなでシリウスを探した。
様子が、あまりにもおかしかったから。
いや、今日だけじゃない。
この学校に戻ってきてから、ずっと彼はおかしかった。
去年のシリウスと、あまりにも違った。
その違和感を、ジェームズは・・・誰よりも強く感じていたのかもしれない。
「いた・・・・・・・・・・!」
いつもと、同じ場所。
グリフィンドールの尖塔に。
その姿が、見えた。
「どこ!?」
「あそこにいるわ」
「見えないよ!?」
「見えるわよ。ほら。・・・ああもう!いいわ、先に行くわよ!」
「待ってよ!」
待ってられるか!
あたしより視力の良いはずのジェームズが何で見えないのかしら。
あそこに、シリウスは確かにいるんだから。
いつも、彼が空を見上げるあの場所に。
ほら、やっぱりいた。
乱れた呼吸を整えて、そっと、近づく。
「シリウス?」
返事が、なかった。
ただ、じっと…じっと、背中を丸めて、うつむいている姿が…シリウスらしくない。
よぉし。
「おーい」
「・・・いて」
後ろからのしかかっただけなんだけど。
どっか痛かった?
「サクラか」
「うん」
予想通りでしょ。
「何しに来た」
「シリウスの様子がおかしかったから、様子見に」
言い訳なしで真っ向勝負。
「・・・・・・・・・・・・・大きなお世話だ」
あっはっは。言葉失ってやんの。
「ねえ、シリウス」
いつものように、隣に腰を下ろして。
「なにを、見たの?」
あの鏡に。
なにかを、見たから、あなたはここにいるんでしょう?
あたし以外、誰も来たことのない、この場所にいるんでしょう?
「…シリウス」
「…バカみたいな、光景だ」
馬鹿みたいな、光景?
「聞きたいか?」
「…聞かせて」
聞くことしか、出来ないけど。
聞かせて?
くしゃり、とその前髪をつかんで、シリウスは…少しだけ、唇に笑みを浮かべた。
「笑ってた」
「え?」
「みんなが、笑ってた。楽しそうに…俺の名前を、大切そうに呼んで…レギュラスを呼ぶみたいに…」
誰のことか。そんなの…わかりきっていることだった。
あたしは。
「シリウス」
「バカだろ。そんなこと、あるはずないんだ。起こるはずもないんだ。なのに…そんな、馬鹿みたいな望みを持ってるなんて・・・持ってる、なんて・・・っ」
ぐっと握り締めたこぶしから、色がなくなっていく。
「そんな望み、持ってない。俺は、そんなこと、求めてない…!」
・・・・・・そんなこと、ないよ。
あたしは、手を伸ばして・・・シリウスの拳を、包み込んだ。
シリウスの顔をまっすぐに見つめられるように、正面から、その灰色の瞳を覗き込む。
「求めてて、いいんだよ」
一瞬、すがるような色を宿した目が、背けられる。
「ダメだ」
「求めていいんだってば!・・・認めてあげてよ。シリウスは・・・愛されたいの」
「うるせえ!」
めを、そむけないで。
誰も、逃げることなんて出来ないよ。
自分から逃げることなんて、出来ないよ!?
「シリウスは愛されたいんだよ!大切に思ってるから!大切な家族に、愛されたいんだよ。それを、否定したら…それを望んでるシリウスはどこにいけばいいの?とじこめて、悲しくなって・・・そんなの、シリウスが傷つくだけだよ。
唇を堅く噛んで。
ぎゅっと、拳を握り締めて。
「愛されたいって望むことの・・・なにが悪いの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「子どもは、親に愛してもらわなきゃ、生きていけないよ?シリウスは、間違ってない」
固く結ばれた唇。そらされた瞳。
意地でも聞こうとしないシリウスに、仕方ない、と腰を上げかけたときだった。
「シリウス」
リーマスが、いた。
たぶん、ずっと、聞いていたんだろう。
様子を見ていたんだろう。
リーマスが、いつになく、シリウスをまっすぐに見つめていた。
いつも、前髪に隠されていた視線。
前髪の下で、微妙にそらされていた視線が、まっすぐにシリウスに向かっている。
「僕だって、ありえない望みをみたよ?」
「リーマス・・・」
「君たちと、一緒に・・・満月を・・・」
リーマスの頬を、透明なしずくが伝っているのを、あたしだけが・・・見ていたんだと思う。
それを隠そうとせず、リーマスは、まっすぐに、シリウスの背中を見ていた。
「満月を、眺めてるんだ。一緒に、人間のままで、君たちと…母さんたちと、満月を見ながら、笑ってるんだ」
夢見るように、幸せそうに、だけど・・・泣きながら、リーマスはそういった。
リーマスにとって・・・永遠に、叶わない、その望み。
「ありえない望みを、見たっていいじゃないか。それを、教えてくれたのは…君たちだよ。シリウスなんだよ?」
確かに、あたしは感じた。
その次の言葉が、シリウスの・・・シリウスの中の何かを、動かした。
「僕が、友達を持っていいって…そう、教えてくれたんだから…!」
「違う!お前は・・・っお前は、望んでよかった・・・!」
リーマスにそう叫んだシリウスの顔に、さっきまでの絶望の色は、ない。
「それは、君がいてくれたから。君たちと出会えたから、そう思える。・・・僕は・・・人狼なのだから・・・」
一瞬、リーマスの声が震えて。それでも、リーマスは、シリウスから視線をずらさない。
「リーマス・・・」
「望みは、持っていてもいいんだよ、シリウス・・・。誰も、希望を持つことを責めたりなんて、出来ない」
「・・・いいの、かな」
「当たり前じゃないか!!」
・・・・いや、ジェームズ君。
頭に木とか結ばなくてもいいから!!
あなた、透明マントもってなかった!?
「希望を持つから人間なんだよ」
・・・・・・・・・・・・・・え。
「希望を持つから、人間なんだ。シリウスは人間だろう?なら、希望を持っていいじゃないか。どんな希望だって」
「叶わない、希望でも?」
「そんなのわかんないじゃないか!!」
「わかるさ!」
「わかるよ」
そういいきれる、強さが・・・ちょっと、うらやましいと思った。
「さあ!勇気を出せよ、勇気と騎士道のグリフィンドール!」
ぽん、とジェームズに背中を叩かれ、ヘッドロックをかけられたシリウスに、リーマスが抱きついて。
出入り口に、おずおずとピーターが顔をのぞかせて。
「シリウス」
振り返ったシリウスに、あたしは・・・微笑んだ。
「シリウス。元気、出たよね?あきらめないでいけるよね?」
「・・・・・・・・・ああ。・・・ありがとう」
リーマスと、ジェームズと・・・みんなでシリウスを探した。
様子が、あまりにもおかしかったから。
いや、今日だけじゃない。
この学校に戻ってきてから、ずっと彼はおかしかった。
去年のシリウスと、あまりにも違った。
その違和感を、ジェームズは・・・誰よりも強く感じていたのかもしれない。
「いた・・・・・・・・・・!」
いつもと、同じ場所。
グリフィンドールの尖塔に。
その姿が、見えた。
「どこ!?」
「あそこにいるわ」
「見えないよ!?」
「見えるわよ。ほら。・・・ああもう!いいわ、先に行くわよ!」
「待ってよ!」
待ってられるか!
あたしより視力の良いはずのジェームズが何で見えないのかしら。
あそこに、シリウスは確かにいるんだから。
いつも、彼が空を見上げるあの場所に。
ほら、やっぱりいた。
乱れた呼吸を整えて、そっと、近づく。
「シリウス?」
返事が、なかった。
ただ、じっと…じっと、背中を丸めて、うつむいている姿が…シリウスらしくない。
よぉし。
「おーい」
「・・・いて」
後ろからのしかかっただけなんだけど。
どっか痛かった?
「サクラか」
「うん」
予想通りでしょ。
「何しに来た」
「シリウスの様子がおかしかったから、様子見に」
言い訳なしで真っ向勝負。
「・・・・・・・・・・・・・大きなお世話だ」
あっはっは。言葉失ってやんの。
「ねえ、シリウス」
いつものように、隣に腰を下ろして。
「なにを、見たの?」
あの鏡に。
なにかを、見たから、あなたはここにいるんでしょう?
あたし以外、誰も来たことのない、この場所にいるんでしょう?
「…シリウス」
「…バカみたいな、光景だ」
馬鹿みたいな、光景?
「聞きたいか?」
「…聞かせて」
聞くことしか、出来ないけど。
聞かせて?
くしゃり、とその前髪をつかんで、シリウスは…少しだけ、唇に笑みを浮かべた。
「笑ってた」
「え?」
「みんなが、笑ってた。楽しそうに…俺の名前を、大切そうに呼んで…レギュラスを呼ぶみたいに…」
誰のことか。そんなの…わかりきっていることだった。
あたしは。
「シリウス」
「バカだろ。そんなこと、あるはずないんだ。起こるはずもないんだ。なのに…そんな、馬鹿みたいな望みを持ってるなんて・・・持ってる、なんて・・・っ」
ぐっと握り締めたこぶしから、色がなくなっていく。
「そんな望み、持ってない。俺は、そんなこと、求めてない…!」
・・・・・・そんなこと、ないよ。
あたしは、手を伸ばして・・・シリウスの拳を、包み込んだ。
シリウスの顔をまっすぐに見つめられるように、正面から、その灰色の瞳を覗き込む。
「求めてて、いいんだよ」
一瞬、すがるような色を宿した目が、背けられる。
「ダメだ」
「求めていいんだってば!・・・認めてあげてよ。シリウスは・・・愛されたいの」
「うるせえ!」
めを、そむけないで。
誰も、逃げることなんて出来ないよ。
自分から逃げることなんて、出来ないよ!?
「シリウスは愛されたいんだよ!大切に思ってるから!大切な家族に、愛されたいんだよ。それを、否定したら…それを望んでるシリウスはどこにいけばいいの?とじこめて、悲しくなって・・・そんなの、シリウスが傷つくだけだよ。
唇を堅く噛んで。
ぎゅっと、拳を握り締めて。
「愛されたいって望むことの・・・なにが悪いの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「子どもは、親に愛してもらわなきゃ、生きていけないよ?シリウスは、間違ってない」
固く結ばれた唇。そらされた瞳。
意地でも聞こうとしないシリウスに、仕方ない、と腰を上げかけたときだった。
「シリウス」
リーマスが、いた。
たぶん、ずっと、聞いていたんだろう。
様子を見ていたんだろう。
リーマスが、いつになく、シリウスをまっすぐに見つめていた。
いつも、前髪に隠されていた視線。
前髪の下で、微妙にそらされていた視線が、まっすぐにシリウスに向かっている。
「僕だって、ありえない望みをみたよ?」
「リーマス・・・」
「君たちと、一緒に・・・満月を・・・」
リーマスの頬を、透明なしずくが伝っているのを、あたしだけが・・・見ていたんだと思う。
それを隠そうとせず、リーマスは、まっすぐに、シリウスの背中を見ていた。
「満月を、眺めてるんだ。一緒に、人間のままで、君たちと…母さんたちと、満月を見ながら、笑ってるんだ」
夢見るように、幸せそうに、だけど・・・泣きながら、リーマスはそういった。
リーマスにとって・・・永遠に、叶わない、その望み。
「ありえない望みを、見たっていいじゃないか。それを、教えてくれたのは…君たちだよ。シリウスなんだよ?」
確かに、あたしは感じた。
その次の言葉が、シリウスの・・・シリウスの中の何かを、動かした。
「僕が、友達を持っていいって…そう、教えてくれたんだから…!」
「違う!お前は・・・っお前は、望んでよかった・・・!」
リーマスにそう叫んだシリウスの顔に、さっきまでの絶望の色は、ない。
「それは、君がいてくれたから。君たちと出会えたから、そう思える。・・・僕は・・・人狼なのだから・・・」
一瞬、リーマスの声が震えて。それでも、リーマスは、シリウスから視線をずらさない。
「リーマス・・・」
「望みは、持っていてもいいんだよ、シリウス・・・。誰も、希望を持つことを責めたりなんて、出来ない」
「・・・いいの、かな」
「当たり前じゃないか!!」
・・・・いや、ジェームズ君。
頭に木とか結ばなくてもいいから!!
あなた、透明マントもってなかった!?
「希望を持つから人間なんだよ」
・・・・・・・・・・・・・・え。
「希望を持つから、人間なんだ。シリウスは人間だろう?なら、希望を持っていいじゃないか。どんな希望だって」
「叶わない、希望でも?」
「そんなのわかんないじゃないか!!」
「わかるさ!」
「わかるよ」
そういいきれる、強さが・・・ちょっと、うらやましいと思った。
「さあ!勇気を出せよ、勇気と騎士道のグリフィンドール!」
ぽん、とジェームズに背中を叩かれ、ヘッドロックをかけられたシリウスに、リーマスが抱きついて。
出入り口に、おずおずとピーターが顔をのぞかせて。
「シリウス」
振り返ったシリウスに、あたしは・・・微笑んだ。
「シリウス。元気、出たよね?あきらめないでいけるよね?」
「・・・・・・・・・ああ。・・・ありがとう」