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金烏と玉兎

・・・・・・・・・・じつはな
はい
蓬莱に、行ってくる
その言葉を告げるのに、なぜだかひどく勇気がいった。
なのに
緑花は、あっさりといつもと同じ言葉を口にした。
いってらっしゃいませ
何も言わぬのか?
わたしは、いつものようにお帰りをお待ちしております
・・・・・・そうか
はい
じゃあ、がんばって帰ってこなければな
困ったように微笑んで。
あなたのお好きに、とも帰ってきてください、とも言えずにいる緑花を抱きしめるのは、尚隆だけの権利だ。
これだけは譲らない。
たとえ、王朝が変わる日が来ても。
俺を、待っているか?
はい。尚隆さまを待っております
・・・・・・・いってくる
お気をつけていってらっしゃいませ
頬に口付けを送って、尚隆はひらりとにたまに乗った。
手を振っているだろう娘を振り返ることはない
帰ってきたときに、いつものようにただいま、と抱きしめてやればいいのだから


―――いってくる
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