「わざわざ呼び立ててすまぬな。月紫、そなたに頼みたいことがあるのだ」

女官の仕事（バイト）の入ってない日に、劉備さまに呼ばれてお城に来た。

父さんとは義兄弟の関係の方だから、知らないわけじゃないんだけど、やっぱりちょっと緊張する。

だって、諸葛亮さまや趙雲さまをはじめ、主だった将の皆さんが集まっていらっしゃるから。

「わ……私にできることでしたら、なんなりと……」

父さん、兄さん、姉さんが心配そうな目を向けてくる。

「そうか！……もしかしたら翼徳から聞いているかも知れないが、近く孫呉の将らを招いて宴を開くこととなった。その宴の手伝いをしてほしいのだ」

どうだろうか、と劉備さまが窺うような表情になる。

……なんだ、そんなこと？

「……はい！お任せください！」

元居酒屋のホールバイト、舐めないでいただきたい。