第三章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「炎の呼吸 壱ノ型 不知火」
琴音は天元と鬼の間に割って入り、果敢に技を繰り出していく。だが防いでも、防いでも、次から次へと
先程から、鬼の頸を狙うどころか、血鎌と帯の攻撃を防ぐ事で精一杯の状況が続き、琴音の身体は段々と感覚を失い始めていた。
「音の呼吸 伍ノ型 鳴弦奏々」
天元が放った爆発を伴う技で倒壊しかけた建物が吹き飛ぶ。
普段の琴音なら、予測して避ける事もできただろう。だが毒で思うように動かない身体で、なんとか血鎌と帯の攻撃を受け流していた琴音は、爆発の勢いと共に吹き飛ばされる。
「琴音さんっ!」
「アイツは大丈夫だ!目の前の戦いに集中しろ!!」
琴音が飛ばされたほうへ駆け出そうとした炭治郎に、天元が声を上げる。彼女の援護がないだけで、対処すべき攻撃は圧倒的に増えるのだ。
ぐっ、と炭治郎が唇を噛み締めた、その時。
建物の屋根から大量のクナイを打ち込む雛鶴の姿が目に入る。それは鬼をも麻痺させる毒が、先端に塗られたクナイだが
妓夫太郎も血気術を使い、それを上手く弾き飛ばしていく……
雛鶴がクナイが弾かれていく様を、驚きで見つめていれば、それを防ぐかのように天元が技を放ちながら突っ込んでいく。
勿論、天元にもクナイは刺さるが、彼はそんな事気にしない。なんとか妓夫太郎にクナイが刺されば、一瞬鬼の再生能力が落ちた。
〝足が再生できていない……この隙に頸を落とす〟
炭治郎と天元が頸を狙って技を放つが、
「いやあよく効いたぜ、この毒はなあ」
妓夫太郎は即座に片足を再生させ攻撃を交わし
……姿を消した。
「よくもやってくれたなあ、俺はお前に構うからなああ」
だが次の瞬間、姿を現した妓夫太郎が雛鶴に迫る。
慌てて天元がそちらに向かおうとするが、そんな彼に追い討ちをかけるように血鎌の斬撃が襲いかかる。
「雛鶴ーーっ!!」
******
爆発と共に瓦礫の山へと吹き飛ばされた琴音は、頭を強く打ち付けて、意識を飛ばしかけていた。
どぉーん!どごーんっ!!
遠くで聞こえる爆発音……
そこではまだ仲間が戦っている。休んでなんていられない。そう思うのに、
彼女の意識は朦朧とし、身体は痺れて上手く言うことを聞かない。
そんな中、琴音は自身の日輪刀へ手を伸ばす。震える手で、なんとか刀を握りしめ、それを高く振り上げる。
そして……
「ぐっ、!」
その刀身を迷う事なく、自身の太ももに突き刺した。
思わず声を漏らした琴音だったが、痛みとともに無理矢理、感覚を呼び覚ます。
ふー、ふーと息を吐きながら、足から日輪刀を抜いた琴音は、ぐっと身体に力を入れて立ち上がる。
一瞬フラついた彼女だったが、次の瞬間には音のする方へと駆け出していく。
だがそんな琴音の目に写ったのは……
雛鶴に鬼が迫る姿と、
「雛鶴ーーっ!!」
天元が叫びながら手を伸ばす姿。
その瞬間、自身でも驚くほどの力が込み上げ、琴音は物凄い速さで駆け抜ける。
琴音が雛鶴に絡みつく鬼に斬りかかるのと、ほぼ同時に駆けつけた炭治郎の攻撃により、なんとか雛鶴を守った琴音は、妓夫太郎に向かって怒鳴りつける。
「雛鶴さんに汚い手で触らないで!」
「琴音ちゃん……」
襲いかかる攻撃を受け流す琴音は、身体の至る所から血を流し、今にも倒れそうな顔色をしている。そんな琴音に守られながら、雛鶴が心配そうに声を漏らせば
「琴音、竈門炭治郎。お前らに感謝する!」
そう言って、天元が鬼の頸を狙っていく。琴音もそれに加勢するように、斬撃を払い除けていくが、後一歩で頸まで攻撃が届かない。
三人で一斉に頸へ斬りかかった瞬間、
妓夫太郎が血気術を放つ気配を感じ取った天元は、攻撃から炭治郎達を守る為、妓夫太郎を連れて屋根から飛び降りていく。
「炭治郎君は、妹鬼をお願い!」
そう口にした琴音は、一人妓夫太郎と戦う天元の元へと走り出す。なんとか彼に追いついた琴音は、技を放ちながら口を開くが……
「天元さん、一人で無茶しないで!!」
「馬鹿っ!!琴音、後ろだ!」
「っ、、」
慌てた天元の言葉を聞く前に、後ろから帯で攻撃を受けた琴音は膝をつく。
彼女の肩を貫いた帯は、左肩を貫通しており、帯が抜けたと同時に琴音は地面へと倒れ込むのだった。