第四章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
無惨から繰り出される攻撃を前に、三人は息吐く暇なく刀を振るう。
「水の呼吸 拾壱ノ型 凪」
「炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり」
冨岡の刀が攻撃を減らし、琴音の刀がすり抜けた攻撃を焼き払う。柱の二人が連撃を放ったところで、奴の攻撃を受け流すのがやっとの状態だった。
そんな中、炭治郎が一人単独で、攻撃の隙間に駆け出した。
無惨から繰り出される攻撃を何とか避けて、刀を構えた炭治郎が無惨相手に斬りかかる。
「炭治郎君、…っ!」
琴音が咄嗟に炭治郎の体を引けば、今にも頭を貫かんとしていた無惨の腕が、彼の右目を捉えた。あまりの速さに、炭治郎は斬られた事すら一瞬分からなかった。
そんな炭治郎を今度は冨岡が抱えて、無惨から距離を取る為走り出す。
「間合いを詰めるな!!斬り込まなくていい!!無惨の力は上弦の比ではない!!」
冨岡はそう口を開きながら辺りを見渡すが、身を隠すような
「炎の呼吸 壱ノ型 不知火」
二人の前に飛び出した琴音は、相殺させるように技を繰り出すが、勢い負けして後方に吹っ飛ばされる。
防戦一方。ただ無惨からの攻撃を受け流すだけしか出来ない三人に、無惨は静かに問いかけた。
「時間稼ぎ……夜明けまでか?光届かぬこの城の中、
その言葉にピクリと三人が反応を見せれば、奴は改めて口を開く。
「縞の羽織の柱と女の柱はすでに私の部下が殺したようだぞ?」
その言葉を合図に、再び激しさを増した攻撃。
三人はそれを必死に避けて行くが……速さが異常すぎる攻撃に、炭治郎が呼吸を乱す。慌てて立て直そうとした彼の背後には壁があり、知らぬ間に追い詰められていた状況を理解する。
「炭治郎ーーーっ!!」
冨岡が叫ぶのと同時、炭治郎の元へ駆け寄った琴音の腕が彼へと伸びる。ぎゅっと彼を庇うように抱きこんだ琴音は、これから襲って来るだろう痛みに固く目を瞑っていたが……
「やめなさいよーーー!!」
壁を突き破って登場した蜜璃と
「足手纏いの厄介者。お前はもう引っ込んでいろ」
琴音達の前に瞬時に移動してきた伊黒により、無惨は驚き動きを止めた。
先程死んだと聞かされていた二人の登場に、思わず琴音が涙ぐめば、炭治郎も彼らが生きていて良かったと口にし涙を流す。
「……他人より自分の心配をしたらどうだ?」
そう言って、チラリと琴音へと視線を移した伊黒は、彼女の傷を確認し顔を歪めた。
「……お前もだ、春野。その傷では足手纏いになる」
冷たく言い放つ伊黒だが、彼の真意が他にある事くらい分かっている琴音は、眉を下げて困ったように彼を見つめた。
そんな光景を眺めた無惨は額にピキッと皺を寄せた。そして次の瞬間、無惨は怒声を上げたのだ。
「何をしている鳴女!!」
だがそんな奴の問いかけに……
べん、べん、べん……と琵琶の音が響き出し、城内に男の声が鳴り響く。
「何をしているかだって?操っているんだよ、この女の視覚を……
無惨お前はこの世で最も重い罪を犯した………
俺から珠世様を奪ったこと、後悔して跪け!!」
その直後、城全体が揺れ出した。
撓み出したと言った方がいいだろうか。
そんな振動を感じた彼らの耳に、願っていた言葉が入ってきた。
「今からお前を地上へ叩き出してやる!!」
その声が響いた直後、城全体が動き出す。上に横に、床が移動する感覚になんとか耐えながら、皆で一斉に無惨に斬りかかるが、全く攻撃が効いていない。
……次の瞬間。
床が突然抜け、落下した先でまた攻撃を繰り広げていれば
城が軋む音……
それから足元が急上昇し……
もの凄い破壊音と共に、城内の者達は一斉に
******
夜空が広がる市街地の街に突然投げ出された隊士達。
あちこちで怪我を負った仲間の介抱をしていれば、そのうちの一人が悲鳴のような声を上げる。
「炎柱様!ご無事ですかっ!!?今っ、今、出しますから!!」
そこで隊士が見たものは、瓦礫に挟まれるようにして気を失った琴音の姿だった。