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仔狐

__はぁ…
土方は魘されていた、らしい。
心配で起こしてくれた山崎の顔を勢いで殴ってしまったのは本当に申し訳ないと思う。
総悟に聞いても近藤さんに聞いてもあの出来事を覚えていなかったらしく「頭でも打ったんじゃねぇですかィ」などと冷やかされた。
どうやら自分はおかしな夢を見ていたらしい、にしては鮮明に内容を覚えているのだが偶にはそんなこともあるのだろう。
時計を見やる。いつもならとっくに起きている時間、恐ろしい失態だ。
急いで鏡の前に立ち歯ブラシを取ろうとすればヒラヒラと手の中から何かが落ちていった。__黄金色の毛。
何も無かった時ならゴミだと言って捨てていただろうがなんとなく捨て難くて懐に入れることにした。

どこからともなくコンコンと仔狐の鳴き声が聞こえた気がした。
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