このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

其の三 紅桜

満月の夜、物静かな町を意味もなく歩く者一人。意味あり気に歩く者一人。
編み笠を被った男が自分に刃を向けている。

「貴様、これは一体どういうつもりだ」

「どういうつもりもねぇさ、コレの試し斬りってとこかね」

あの刀がとんでもない代物だろうとは容易に予想がついた、怨念の一種、恨み辛み、混ぜこぜで曖昧なモノ。
果たしてソレを使っているあの男はまだ人間なのか。
男が身構える。さて、どうしたものだろうか。
疑問に思うことがいくつもある、ならば一旦は…

_ザシュッ

「…こんなもんかい」
1/5ページ
スキ