メンヘラJKと社畜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
痛い、痛くて赤くて綺麗な傷。 今さっき私がつけた傷。そして太ももから流れ落ちる血。 それを少しとって口に含む。独特の鉄の味がする。 嫌いじゃない。
一体いつから私はこんな女になってしまったんだろう。 世間から後ろ指さされて笑われるような女に、こんなメンヘラに。
傷跡を見ながら少し考えてみる。切るようになったのはいつからだっけ? グニャグニャに歪んだ脳を必死で働かせてみる。 あぁ、そうだ思い出した。
初めて切ったのは小学6年生のとき。 従姉妹が切った話を聞いて興味本位でやった。 あまり切れず飽きてやめた。
それから再び始めたのは中学2年生のとき。 その時はただ血が見たかった。
常習犯になったのは中学3年生のとき。 母親の小言からくるストレス発散のためだった。
いつのまにか私は精神を病んで、ネットで病み垢を作って活動するようになった。
何処で道を間違えたのだろう。 私の何がいけなかったんだろう。 考えたって分からないけど動き出した脳は止まらない。
《しんどいなぁ、生きるのって難しい》
ポツリとSNSに書き込んでみる。 ネットは気を使わなくてすむから楽だ。 私の人生で本音で誰かと話せるのはここぐらいだ。
あげればすぐに♡がついた。やっぱりみんな感じてるんだなーなんて薄っぺらい感想がでてくる。
【どうした?何かあったの?心配(´・ω・`)】
【俺でよければ話聞くよ!メンヘラJKちゃんの力になりたい】
30分くらいしてもう一度アプリを開くと、メッセージには気持ち悪いくらい甘ったるい言葉を並べる出会い厨たちがいた。 以前、話した際テンプレ通りの会話で慰めてきて、その後すぐに会いたいとか言い出したので無視することにした奴らだ。
私が待っているのはあの人なのに。 きっと彼は、「社畜D」さんはまた残業なんだろう。
別に恋しているわけではない。 元から私は仲良くなった人の動向を知りたがる癖があるのだ。 それがリアルであろうとネットであろうと関係ない。
おかしいことは分かっている。 それでも自分が知らないところで他人と仲良くされるのが嫌なのだ。 彼に限らず私は仲良くなったフォロワーさんが他の人の書き込みに返信することにすらも嫌悪感を抱く。
「名前って重いよね」
いつの日か友人に言われた言葉が頭をよぎる。 もしも今、彼が私を見たらそんな風な感想を持つのだろうか。
また脳みそがグチャグチャになっていく。
『嫌われるのが……怖い』
ポツリと呟くとそれに呼応するように携帯が震えた。 タイミングの良さに少し驚く。 しかし通知を見て私の顔はほころんだ。
【仕事終わったー】
「社畜D」さんからだ。 今まで色々考えていたせいか早く返信すれば重いかな、なんて少し迷ってしまう。
結局、私はすぐに返すことにした。
《お疲れ様ー、最近残業多いね》
【月末で書類溜まってて上司に押し付けられた、死にそう】
《生きて笑》
【いや、もう俺が居なくなれば全て解決すると思う、全部、全部俺が悪いから】
《私は社畜Dさんと話してて楽しいから死なないで》
【でも、俺が死ねばこの満員電車も少しは空くんだよ】
《満員電車はもう仕方ない、てか、1人減ったってあのぎゅうぎゅうさは変わんないでしょ》
【そうだよなぁ、こんな中年1人死んだって世の中何も変わんないだよな】
あ、またネガティブスイッチ入っちゃった。私って慰めるの下手なのかな。
《そういう意味じゃないよ!!》
【いや、こんなシンジュクに住んでる中年1人死んでも世の中は続いていくんだ】
《だからそういうことじゃないってば!後しれっと住み言っちゃってる‼︎》
【あ】
《気づくの遅い》
【別にメンヘラJKさんになら知られても大丈夫だと思うけど】
《私が悪い人ならどうするんですか笑》
【君みたいな優しい人がそれはない】
優しい? この私が? 人に迷惑をかけてしか生きられないこの私が?
《社畜Dさんは変わってますね、私が優しいだなんて》
【俺のせいで気を悪くさせたならごめん、でも本当にそう思ったから……】
《え?悪くなってないよ!むしろ嬉しい》
【嘘つかないでいいよ】
《嘘じゃないですって笑》
【本当?なら良いんだけど。 ごめん、俺夕飯食べるから落ちるわ、じゃあね】
《はーい、ではではー》
はぁ、思わず頬が緩む。 「社畜D」さんに優しいって言って貰えた。 基本的に自己中とかワガママとしか言われてこなかったからか、そういう言葉が心に染みる。
しかし、今日の収穫は大きかった。「社畜D」さんがシンジュクに住んでいることを知れた。 電車で30分くらいで行ける。 結構近い。
別に会いに行きたいとかそういうことじゃない。ただ、彼の私以外のフォロワーさんよりも何だか特別な立場にいれている気がするだけ。
『ふふっ』
誰に聞かせる訳でもないのに言い訳してる自分が馬鹿らしくて、思わず自嘲してしまう。
あぁ、私って本当にメンヘラだ。
一体いつから私はこんな女になってしまったんだろう。 世間から後ろ指さされて笑われるような女に、こんなメンヘラに。
傷跡を見ながら少し考えてみる。切るようになったのはいつからだっけ? グニャグニャに歪んだ脳を必死で働かせてみる。 あぁ、そうだ思い出した。
初めて切ったのは小学6年生のとき。 従姉妹が切った話を聞いて興味本位でやった。 あまり切れず飽きてやめた。
それから再び始めたのは中学2年生のとき。 その時はただ血が見たかった。
常習犯になったのは中学3年生のとき。 母親の小言からくるストレス発散のためだった。
いつのまにか私は精神を病んで、ネットで病み垢を作って活動するようになった。
何処で道を間違えたのだろう。 私の何がいけなかったんだろう。 考えたって分からないけど動き出した脳は止まらない。
《しんどいなぁ、生きるのって難しい》
ポツリとSNSに書き込んでみる。 ネットは気を使わなくてすむから楽だ。 私の人生で本音で誰かと話せるのはここぐらいだ。
あげればすぐに♡がついた。やっぱりみんな感じてるんだなーなんて薄っぺらい感想がでてくる。
【どうした?何かあったの?心配(´・ω・`)】
【俺でよければ話聞くよ!メンヘラJKちゃんの力になりたい】
30分くらいしてもう一度アプリを開くと、メッセージには気持ち悪いくらい甘ったるい言葉を並べる出会い厨たちがいた。 以前、話した際テンプレ通りの会話で慰めてきて、その後すぐに会いたいとか言い出したので無視することにした奴らだ。
私が待っているのはあの人なのに。 きっと彼は、「社畜D」さんはまた残業なんだろう。
別に恋しているわけではない。 元から私は仲良くなった人の動向を知りたがる癖があるのだ。 それがリアルであろうとネットであろうと関係ない。
おかしいことは分かっている。 それでも自分が知らないところで他人と仲良くされるのが嫌なのだ。 彼に限らず私は仲良くなったフォロワーさんが他の人の書き込みに返信することにすらも嫌悪感を抱く。
「名前って重いよね」
いつの日か友人に言われた言葉が頭をよぎる。 もしも今、彼が私を見たらそんな風な感想を持つのだろうか。
また脳みそがグチャグチャになっていく。
『嫌われるのが……怖い』
ポツリと呟くとそれに呼応するように携帯が震えた。 タイミングの良さに少し驚く。 しかし通知を見て私の顔はほころんだ。
【仕事終わったー】
「社畜D」さんからだ。 今まで色々考えていたせいか早く返信すれば重いかな、なんて少し迷ってしまう。
結局、私はすぐに返すことにした。
《お疲れ様ー、最近残業多いね》
【月末で書類溜まってて上司に押し付けられた、死にそう】
《生きて笑》
【いや、もう俺が居なくなれば全て解決すると思う、全部、全部俺が悪いから】
《私は社畜Dさんと話してて楽しいから死なないで》
【でも、俺が死ねばこの満員電車も少しは空くんだよ】
《満員電車はもう仕方ない、てか、1人減ったってあのぎゅうぎゅうさは変わんないでしょ》
【そうだよなぁ、こんな中年1人死んだって世の中何も変わんないだよな】
あ、またネガティブスイッチ入っちゃった。私って慰めるの下手なのかな。
《そういう意味じゃないよ!!》
【いや、こんなシンジュクに住んでる中年1人死んでも世の中は続いていくんだ】
《だからそういうことじゃないってば!後しれっと住み言っちゃってる‼︎》
【あ】
《気づくの遅い》
【別にメンヘラJKさんになら知られても大丈夫だと思うけど】
《私が悪い人ならどうするんですか笑》
【君みたいな優しい人がそれはない】
優しい? この私が? 人に迷惑をかけてしか生きられないこの私が?
《社畜Dさんは変わってますね、私が優しいだなんて》
【俺のせいで気を悪くさせたならごめん、でも本当にそう思ったから……】
《え?悪くなってないよ!むしろ嬉しい》
【嘘つかないでいいよ】
《嘘じゃないですって笑》
【本当?なら良いんだけど。 ごめん、俺夕飯食べるから落ちるわ、じゃあね】
《はーい、ではではー》
はぁ、思わず頬が緩む。 「社畜D」さんに優しいって言って貰えた。 基本的に自己中とかワガママとしか言われてこなかったからか、そういう言葉が心に染みる。
しかし、今日の収穫は大きかった。「社畜D」さんがシンジュクに住んでいることを知れた。 電車で30分くらいで行ける。 結構近い。
別に会いに行きたいとかそういうことじゃない。ただ、彼の私以外のフォロワーさんよりも何だか特別な立場にいれている気がするだけ。
『ふふっ』
誰に聞かせる訳でもないのに言い訳してる自分が馬鹿らしくて、思わず自嘲してしまう。
あぁ、私って本当にメンヘラだ。