イタカ夢
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夜は寒いよ、帰ってゆっくり休むといい。
雪原、真っ白なその場所に足跡を付けながら、そう言っていた。
お家に帰ろう、暖かい場所に___
_____ _______
登場人物
探偵
荘園に迷い込んだ人間、様々な資料という名の雑誌や本を持ち運びすぎて、自室が使えなくなっている。
夜の番人
名をイタカ、荘園にやってきた新入り狩人、風を纏う能力で逃亡者達を圧倒させる、見た目に反して猟奇的な性格である。
※此方は夢小説です。人によっては不快な描写や発言があります、何でも許せる方向けです、背景推理や詳細諸々はロケットチェアに縛って飛ばしております。
__荘園内、自由スペース__
サバイバーやハンター達がよく集う場所、ここで私はいつも荘園内について話を聞いたり……出来ればよかったのだが。
やれサバイバーが多すぎて誰が誰だかわからんので、黙々と資料を読み漁ることしか出来なかった。
共有スペースと名乗っている割にはハンターの姿が全くない、時折見えるハンターの姿はいつも同じ人ばかりだ。
もっとも、こんなにぎやかな場所が苦手な人はそうだろう。
「あ、探偵さんだ、ねえねえ、今日は何読んでるのー?」
探偵「あぁ、これですか。これは……」
たまに話しかけられる、まあそうだろう、1人椅子に座ったままずっと動かず本を読み漁っているのだから。
本来は部屋とかがあれば良かったのだが、生憎私の部屋と呼べるべき場所は無い、なんてったって全て資料に溢れてしまったのだからな!!!いやほんと、まさか用意された部屋全てが書庫になるとは思わなかった。今や寝るのがやっとのスペースである。
そんな場所にすし詰めになるのも些かどうかと思ったのでこうしてスペースを借りて読んでいるわけだ、たまにこの場所の噂も聞けるしね。
「にしても新入りの狩人さん全然顔見せないよねー」
「あのイケメンだと噂のあの人でしょ!知ってる!」
「確かに見ないかもね。」
今は狩人の話でもちきりらしい、私も見たことは無いが。
……あれ、そう言えば今見てる本って。
探偵「……確かこれ、魔女狩りが題材だったような。」
___________
共有スペースで本を読み漁っていたら、すっかり夜になってしまった、またあの場所で寝なくちゃならんのか…と、渋々部屋へと帰還。本に潰れながら眠るのはもう何日目だろうか。
そうして眠りについた時、風の音が聞こえた、ふとその音に目が覚めて。
探偵「…あれ、窓開けてたっけ。」
ふと窓辺を見れば何かの影が見えた、スラリとして、ローブ?みたいなのを被っていて、獣耳が付いているデザインだった気がするけど、よく覚えていない。
探偵「あなたは__」
そう呟いた瞬間、影は一冊の本をひょい、と取り上げ、その場所を飛び降りた、いや、正式に言うと[[rb:消えた > ・・・]]んだと思う。
窓を覗き込むものの、もうその影は無かった。
……あれは、なんだったのだろう?
……翌日、起きると窓は閉まっていたのだが、本が一冊足りない。
探偵「おかしいな、この場所に適当に乗せてたはずなんだけれど…」
探しても探しても見当たらない、いやまあこんなに本が重なってるならそりゃまあ見当たらないのが普通ではあるんだけど。
そうじゃないんだ、あれは、あれは私が昔から読んでいた、大切な本なんだ。
だからいつでも見れるように、寝床のすぐ近くに置いてあった、そして分かりやすいように赤いリボンが付いたしおりを常に挟んでたんだ。
探偵「……どこいったんだろう。」
……ふ、と記憶に蘇った光景。…夢じゃなかったら、あの影が持ってった……?
そういえば、あの本を持ってった気がする。
私は急いで、荘園内の人々に話を聞くことにした。あの影の情報、人であるならば、その人の情報を集めなくちゃ。
「黒い影でございますか。」
「そんな人…いや、人というかなんというか。」
「お化けかなんかじゃないの?」
「探偵さん、調べ物し過ぎて寝ぼけてたんじゃないの。」
「本いっぱい持ちすぎて、どっかに置き忘れたのでは?」
どれもこれも、曖昧な証言ではそうなるだろう、うーん…やっぱり私の見間違いだったのだろうか。
「その影の特徴は?」
探偵「ええと、獣耳のようなものがついていたような…」
「もしかしたらですが…その影を見た際に、[[rb:風が吹いて > ・・・・・]]いませんでしたか?」
探偵「ふいてました、とても冷たく…それでも心地良いような、不思議な風が。」
そう言った瞬間、彼等は確信したような顔で此方を見つめていた。
その正体は、きっと、恐らく____
〜荘園敷地内、とある雪原〜
雪を漕いで歩くのは久しぶりな気がする、にしても荘園敷地にこんな場所があるなんて。
貰った地図は霞んでてあまり役に立たない気がするが、何となくだがこっちなのでは無いかと勘がそう言ってる気がした。
歩いてどのくらいの時間が経ったろう、少々歩き疲れたので開けた場所で休む事にした。
良い感じに木が倒れていたのでそこに座って休もう。
……少し休んだ時だった、あんなに晴れていた空が急に曇りだす、そうして風も強くなって、
探偵「うそでしょ、さっきまで天気良かったのに。」
このままだと遭難してしまう、けれど戻るにも歩いてきた道がわからない。立ち上がろうとした瞬間__がしゃん!!と、大きな音に振り返る、すると座っていた大木が真っ二つに、慌てて目を凝らして見ると、黒い布を被った獣耳。
「こんなところに居たら危ないよ、死神が出る場所なんだから。」
冷たい風と視線、それは間違いなく私が自室で見た時と同じ感覚だった、一瞬背筋が凍るような感覚になるものの、咄嗟に出た言葉は
探偵「あ、っっっぶないでしょ!!!!!」
大きな斧のような鎌のようなものを軽々しく扱うところは凄いと思うが、それよりも先ず、私が大木だったら今頃死んでいた、というか死んだ、生きてる心地がしない。
それでも何故か出た言葉はそれだった、畏怖でもなんでもなく、ただの怒鳴りつけるような言葉。何故それが出たのか私自体も分からない。
布の男「へえ、こんな状況でそんな威勢あるんだ、凄いね君。」
ケラケラと楽しげに相手は笑っている、仮面をしている様子で表情はわからないが、声音がそんな感じに聞こえたのだ。
布の男「でもここは危ないよ、さっさと帰りな。じゃないとおまえ、[[rb:死ぬよ > ・・・]]。」
探偵「…先程の言葉は失礼しました、帰りたいのは山々ですが、人探しをしているのです。」
吹雪の中、顔も姿もよく見えない相手、けれど何となく確信はあった。
探偵「赤いリボンの付いたしおりが挟まった本を知りませんか?」
その言葉に先程まで揺れていた相手がピタリと止まった、数秒の沈黙。
布の男「あー…これ?」
取り出された本に見覚えがあった、というか見覚えしかない。私が探していた本だ、間違いない。
探偵「あ!そ、それです!!それをずっと探していたんです…!あ、あの、それ、私のなので、返して頂けないでしょうか。」
布の男「やだ。」
思わずあ゛?゛という声が出そうになった、それぐらいに大事な本であるのに、即答、しかも二文字で返された。
。←これを含んでも3文字だぞ。
布男「返して欲しいなら僕と遊んでよ、暇しててさ。」
探偵「物々交換ならまだしも…何をしようって言うんですか。」
男は竹馬みたいなやつに乗った状態で器用に一回転し、吹雪を一度止ませては指を指した、その先は雪山である。
布男「あそこ、あの山辺りに僕の家があるんだけどさ、そこまで無事に来れたら返してあげる。ちなみに天気はこの吹雪のままね、あと対人用に罠も仕掛けてあるから、よろしく。」
そう言って細い木々をウサギのように跳ねながら此方を見下ろして
布男「じゃ、またね、生きてたら褒めてやるよ、ばいばい。」
………は゛あ゛ぁ゛?!
なんなんだ、あのクソ生意気なガキは、こちらが親切丁寧に返して欲しいと言っただけなのに、やだっていうほぼほぼ一言だけで片付けて、こちらの意見も聞かずに自分の楽しい事ばかり言って最後には生きてたらまた会おうだァ?!
どんな神経してやがるんだ、些かここまでキャラを保っていた私でも腹立ち過ぎてキャラ維持がゲシュタルト崩壊してるわね……!!!!
正直死にものぐるいで欲しい本でもないから諦めて引き返す手もあるが、なんかあそこまでされたなら腹立ってきた、なんとしてでも取り返してやる、あのクソガキに物言わせてやりてぇ。
そうして雪の中を掛けていく探偵なのであった。
________
〜とある雪原地、???〜
言われた通り様々なトラップが蔓延っていた、
落とし穴に入ると串刺しになる罠 糸に引っかかると剣が落ちてくる罠 なんでか灯油とやべー煙撒き散らされてちょっと摩擦でもしたら炎上する罠 ゴ〇ブリホイホイの人間バージョンみたいな罠
そして最後は雪の地域名物でもあるだろう。
ゆ き だ る ま 襲 撃 ト ラ ッ プ
探偵「う゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛!!!!!!!?!?!」
全速力で来た道を走り抜く、雪道でも古に鍛えた足腰がまだ何とか無事だったらしい、だけどこのままだとスタート地点に逆戻りだ、どうにかして隙間に入ってやり過ごさないと……!!
いや、相手は雪玉のでかいバージョンだろ……?なら、それなら。
雪玉と距離を置いてから振り返り、思いっきり拳を作って突撃する。
探偵「喰らえ!!![[rb:なんかよく分からん奴に上から目線された苛立ちからくるやつあたり!!! > ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・]]」
ドゴオォン!!!
雪玉は私のやつあたりに耐えきれず、その場で崩れ去ったのだった。
________
そうして何とか進もうとした時、高らかな笑い声と拍手が聞こえた。
布男「あはは!すごいすごい、僕が作ったトラップ、ぜーんぶ越えてきたんだ。」
彼は相変わらず木の枝に座って愉悦そうに此方を眺めていた、勿論本は何処かに隠し持っているのだろう。
探偵「てめぇ……よくもやってくれたな…私の本とキャラ維持してた努力を返しやがれってんだ…」
布男「勝手に崩壊してるだけじゃん、本だって別のものまた新しく買えばいいのに、懲りないね、キミ。」
頬杖付きながらこちらの様子を見下ろしている姿が何とも腹立つ、腹立つが彼の言うとおりでもある、何故そこまで本に熱中するのか。いや、本というか大方私がイラチ起こしたからなのだけど。
探偵「……トラップは全てクリアしました、その本を返してください、あなたも充分に楽しめたでしょう、私の言動を見て。」
布男「返さないって言ったら?」
探偵「いい加減にしろよてめぇ。」
護身用に持ってる拳銃でもぶっぱなしてやろうか…と考えながら睨みつけていた時、些かやばいと思ってくれたのかしょうがないなーと観念した様子で彼が立ち上がった瞬間、ふらりと彼はふらついた
布男「おっ、と。」
そのまま枝がポキリと折れ、下に真っ逆さまに落ちていく。
ふ、天罰だと思った、が。
待って、真下は、落とし穴!
_____[[rb:わたし > フレイベル]]〜、そろそろお家に帰るよ。
犬に振り回された挙句、雪の上に寝っ転がって、雪合戦をして、そんな日々がすごく楽しかった。
まだその時は子供であったから、余計なんだけれど、雪が降る季節はいつも、そういう遊びが出来たから嬉しくて。
でも道ない道を歩くのはしんどくて、いつも犬に引っ張ってもらったっけ。
雪は冷たくて寒いけれど、母親と犬と、みんなで遊んでいる時はそんな事全然なくて、ただ腹抱えて笑って、楽しかったね、また遊びに行こうねって。
そんな時が永遠に続いたらなって、そう思っていた。
______誠に遺憾でありますが。
______きっと、わんちゃんは呼んでたんですよ、最期に
お母さんと、わんこは、私より先に、旅立ってしまった。
皆が去った時に初めて、
雪が寒くて冷たいものなんだと感じたんだ。
__________
気が付けば、私は彼を抱きかかえたまま、雪に寝転がっていた、多分、落とし穴に落ちる寸前に、彼を無意識に助けたんだと思う。
布「…ん、んん。」
もぞもぞと動く彼、そうして此方を見る、その身体は酷く冷たく、か細いものだった、こんな身体でよくあんな大きい武器が持てるものだと思うぐらいには。
布「おまえ、助けてくれたの?」
探偵「みたいですね、無意識に。…怪我はありませんか。」
ちらりと覗く髪、布自体にも血が付いていたりはしないから、多分大丈夫なんだと思う、私の服がちょっぴり擦れてるけど、これはもうさっきのトラップから逃げたやつだし、もう別にいいや。
布「何で助けてくれたの?おまえ、僕のこと嫌いなんでしょ。」
探偵「えぇ、憎たらしい生意気なガキだって、思ってました」
離れようとする彼をどうにも離したくなくて、
探偵「でも、…今はちょっとだけ、違うかもしれません」
布「僕の名前、もう布しか書いてないのに?」
探偵「…名前を!!教えなさい!!!」
イタカ「く、くははっ。…イタカ、僕はイタカ、キミは?」
私「…探偵、と、皆はそう呼んでくれていますが、フレイベル…という名前は一応あります。」
イタカ「フレイベル?フレイベル、フレイベル。ふふ、うん、覚えた。…助けてくれて、ありがとう、フレイベル。」
私「もう今後は変な罠を沢山敷かないように、身をもって分かったでしょう。」
そうして一緒に起き上がる、すると偶然、カタリ、と彼がしていた仮面が外れてしまった。
イタカ「うん、やりすぎるとダメなんだって理解した。今度は僕が当たっても大丈夫なような罠にしないとなぁ。」
私「…怪我しない程度にしてくださいね。」
イタカ「そんなに僕のこと心配なの?フレイベル、僕の保護者だった??」
私「違います。」
そうしてイタカさんが笑いながらゆっくりと立ち上がり、仮面を拾いつつ本を私に返してくれた。
イタカ「あー!楽しかった!久々にいっぱい笑ったよ、でも寒いね…ね、キミ、どうせ暇でしょ?僕の家寄ってきなよ、温かいもの沢山あるから休んできな、ゆきんこまみれで帰るのは風邪引くよ。」
手を伸ばす彼の表情は、何処か穏やかで、かっこいいな、と何となく思ってしまった。
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イタカ「ね、その本って結局なんなの?」
私「これ、昔母親が買ってくれたものなんです。」
イタカ「へえ…だからあんなに返してって言ってたんだ、…ごめん、意地悪しちゃって。」
私「良いんですよ、…もし返されなかったら返されなかったで、形見はあるので。」
イタカ「…いや、それはダメだ、僕がしんどくなる。」
私「そ、そうですか?」
イタカ「そう、…フレイベルはさ、なんで荘園に来たの?」
私「それがそのー、なんと言いますか、気が付いたらいたと言いますか。」
イタカ「えーなにそれ、タイムスリップ的な?今流行りの異世界転生的なやつ?」
私「イタカさんってわりとメタいこと言いますよね」
イタカ「ふふ、まあね。」
その後、イタカさんのお家にお邪魔し、お泊まりもさせてもらった。……そうして荘園にも送ってもらい、イタカさんの面倒を見る、という謎の契約を本人に押し付けられ、荘園内でもイタカさんと一緒に行動することが多くなったのだけれど。
ロビー「ねえねえー、探偵のお姉さんとイタカのお兄さんって、付き合ってるの?」
ウィル次男「あ、それ、僕も思ってたんだよねぇ。」
私「は゛?!」
イタカ「うん、付き合ってるよ。」
私「あ゛!?」
ロビー「えぇ?!ほんと!?すごーい!いいないいな、探偵のお姉さんから?それともイタカのお兄さんから??」
イタカ「うーん、お互い気持ちが通じあって、そこから。」
私「あ゛ァ゛?゛!゛」
イタカ「なんだよフレイベルちゃん」
私「フレイベルちゃん?!?!!!」
ウィル長男「随分と驚いてるようだな。」
私「イタカさん、からかいも程々にしないといい加減怒りますよ(小声)」
イタカ「別に、からかってるつもりないけどな。」
ロビー「え、え?ど、どういうこと?」
イタカ「ん、なんでもない。さ、いこ、また後でね、ロビーくん。」
ロビー「あ、うん!またね、イタカのお兄さん!」
______
その後も色々とイタカに振り回される探偵なのであった。
___END
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