番外編
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10月7日は大好きな、国ちゃんの誕生日。
わたし、木之本桜はもうすぐ近づいている彼の誕生日計画に奮闘するのだった。
ある日の下校中。
季節はすっかり秋色になっていた。
手塚の横を歩くさくらは顔を見上げて言う。
「ねぇ、国ちゃん。もうすぐ誕生日だよね?何か欲しいものとかある?」
そう聞かれ、手塚は少し考えた後こう言った。
「……さくらが欲しい」
その言葉にさくらは顔をぽかんとした後、すぐに顔色を真っ赤にした。
「えっ!?!?」
耳まで真っ赤のさくら。
「な、ななな…何言ってるの!?わ、わたし、そ、そ、そんな……!」
―――でも、国ちゃんとなら…。
慌てふためくさくらを見て、手塚は少しだけ口元を和らげた。
「……勘違いするな。俺が欲しいのは“さくらと過ごす時間”だ」
「~~~っ!」
真っ赤になったまま、さくらは両手で顔を覆い隠す。
「そ、そんな言い方ずるいよぉ……!」
しろちゃんはさくらの横で大爆笑。
「ぶはっはっはっ!さくら、今のは飛びすぎだったね」
「しろちゃんまで!」
むぅと膨れるさくら。
それさえも可愛いと思う。
話し合った結果、二人でゆっくりと時間を過ごすこととなったのだった。
――――
誕生日当日。
花柄のワンピースに身を包んださくらは、お弁当とケーキを持って元気に家を出て行った。
目指すは手塚の家。
インターホンを押すと、手塚が顔を出した。
「おはよう、国ちゃん」
「おはよう、さくら」
「悪いんだけど、これ、国ちゃんの家の冷蔵庫に入れといてくれる?」
そう言って差し出したのは、ケーキが入っている箱。
「あぁ、わかった。入れたら出かける準備をしてくるからちょっと待っててくれ」
「うん!」
さくらはにこにこしながら手塚の準備が終わるのを待った。
待っている間に、手塚の母、彩菜が顔をひょっこり出した。
「まぁ、さくらちゃんじゃないの。おはよう」
「おはようございます」
そう言ってぺこりとお辞儀をしたさくら。
「ふふ。今日は国光とデートなのね」
「は、はい……」
そう言われて真っ赤になるさくら。
「さくら、待たせたな。行くぞ。母さん、行ってきます」
「行ってらっしゃい、気を付けてね」
彩菜は手を振り、二人を見送ったのだった。
―――――
街中でのデート。
二人は手を繋いで歩いていた。
「今日は国ちゃんの行きたいところに全部付いていくよ!」
「本当にいいのか?」
「もちろんだよ!誕生日だもんっ!」
「わかった、ありがとう」
手塚は僅かに微笑んだ。
まず、連れてこられたのは大きなショッピングモールの中にある巨大な本屋さん。
テニスの戦術書や歴史書を手に取る手塚。
「む、難しい本ばっかかも…」
さくらは首を傾げつつも、隣で手塚が選んだ本を大事そうに持つ。
その間、手塚は本を探しながらもさくらの方をちらっとみた。
自分のために退屈そうな顔もせず、
にこにこしながら(たまに難しそうな顔をしながら)も
退屈そうな顔ひとつせず、隣にいてくれる。
それだけで胸が熱くなる。
さくらはさくらで、「国ちゃん本当に楽しそうだなぁ…」と見惚れていた。
しろちゃんはというと、荷物に紛れて一緒に来ていた。
「ボク、甘いの食べたい」
「あとで買ってあげるから待っててね」
会計を済ませ、近くの喫茶店へ入る。
休憩しながら、
「楽しかった?」
って聞くさくらに、
「……あぁ、さくらと一緒だったから、なおさらな」
ってちょっと照れくさそうに言った手塚だった。
――――――
さくらと手塚が本屋巡りをしてだいぶ時間がたった頃。
二人で他愛もない話をしながら歩いていると、背後から影が。
「あ?あれ、さくらか?」
「隣にいるん、手塚やん」
「フン、デートか」
遠目から目撃してしまった跡部、忍足の2名。
二人は、そのその場で足を止めて固まった。
跡部は二人の後姿を見て、さらに笑みを深くした。
「フン、面白そうだ。忍足、付いてって見ようぜ」
「おう」
跡部、忍足の両名はこっそり後をついていくのだった。
それに真っ先に気づいたのはしろちゃん。
ストーカーかよ…と鞄の中で呆れていた。
そして手塚とさくらは夢中で気づいてすらもいなかった。
――――――
街はずれを歩いていると、さくらは手に持っているバスケットを見せながら呟いた。
「ねえ、公園でご飯食べよう」
「賛成ー!」
鞄の中からしろちゃんが嬉しそうに飛び出した。
「いいな、それ」
手塚も微笑みながら、足先を公園へと向けるのだった。
公園に着くと、さくらはレジャーシートを敷く。
その上に手塚としろちゃんがちょこんと座った。
バスケットの中から重箱と水筒を取り出す。
パカっと重箱を開けると、そこには色とりどりのお弁当が並べられた。
「わぁ…」
しろちゃんは涎を垂らしながらさくらのお弁当を見つめる。
「国ちゃん、はい。今日はね、ちょっと頑張ったんだよ」
そう言いながらお箸を手塚に渡した。
「ありがとう。お前の作った弁当はどれも美味しい」
手塚は口元を僅かに緩めて箸をとった。
しろちゃんはすでに横で「うぉぉぉぉぉ!唐揚げ!卵焼き!おにぎり!」と大はしゃぎ。
「さくら~!ボクの為に作ってくれたんでしょ!?一生ついていく~!」
「ちょっと、しろちゃん!国ちゃんのもちゃんと残してよ!」
「心配しないで、さくら。ボクは優しいから半分は食べ残す!」
「それ、優しいって言うの!?」
そうは言っても、きちんと重箱の上は手塚、下はしろちゃんとちゃっかり分けてあったりする。
その様子を遠くから伺う跡部と忍足。
「……なんだ、これは」
「……平和すぎるやろ」
「クッ、俺様の目の前でピクニックだと!?しかもさくらの手作り弁当を、
あのクール眼鏡当たり前のように食べてやがる!!」
忍足が肩を竦める。
「跡部、ほんまに嫉妬深いなぁ。見てるだけで胃もたれしそうやわ」
その瞬間、しろちゃんがこちらを振り返って、口いっぱいにおにぎりを頬張りながら叫んだ。
「おい、そこの除き魔2人衆!腹減ってるなら素直に出てこい!!」
さくらと手塚、同時ピクリと振り返る
―――次の瞬間、公園に絶妙な沈黙が広がった。
「…っ!」
跡部たちが近づいてくるのを見た瞬間、さくらの瞳に涙が浮かんだ。
「どうして……どうして国ちゃんのお誕生日まで邪魔するの……?」
声が震えて、胸の奥からぽろぽろ涙が零れそうになる。
「今日は……国ちゃんの大事な日なの。だから、お願い……放っておいて……」
この日をどれだけ楽しみにしてたか。
プレゼントをうきうきで選んだり、手塚とどうするか話をしたり。
さくらは泣きそうになりながらも、唇を噛む。
手塚はさくらの言葉にハッとし、すぐに隣のさくらの肩を抱き寄せた。
「……そうだ、今日は俺の誕生日だ。さくらを泣かせるような真似をするな」
低く響く声が一層重みを帯びる。
しろちゃんは両手を腰に当てて怒鳴った。
「お前ら、空気読んでよー!さくらが泣くの見たいの?それともボクの拳で吹っ飛びたいの?」
しろちゃんはこめかみに青筋を浮かべてにこにこしながら拳を見せた。
跡部達は一瞬、言葉を失って立ち尽くした。
跡部が小声で「チッ、罪悪感しか残んねぇ」
忍足も「流石に、これは空気悪すぎやわな」
と、目を逸らした。
さくらは涙目のまま、手塚の服の袖をぎゅっと掴んだ。
「……国ちゃん……今日は二人でお祝いしたいの……」
手塚は静かに頷いて、彼女の髪をそっと撫でる。
「わかってる。お前の気持ちは、俺が守る」
その一言に、さくらは涙を堪え切れずに小さく笑った。
気が付いたら、跡部と忍足の姿はもうなかった。
「さぁ、お弁当を食べよう。折角さくらが作ってきてくれたんだ。勿体ない」
「うん!」
公園の木漏れ日の下、誕生日のお祝いはほんのり甘く、ちょっぴり騒がしく続いていった。
わたし、木之本桜はもうすぐ近づいている彼の誕生日計画に奮闘するのだった。
ある日の下校中。
季節はすっかり秋色になっていた。
手塚の横を歩くさくらは顔を見上げて言う。
「ねぇ、国ちゃん。もうすぐ誕生日だよね?何か欲しいものとかある?」
そう聞かれ、手塚は少し考えた後こう言った。
「……さくらが欲しい」
その言葉にさくらは顔をぽかんとした後、すぐに顔色を真っ赤にした。
「えっ!?!?」
耳まで真っ赤のさくら。
「な、ななな…何言ってるの!?わ、わたし、そ、そ、そんな……!」
―――でも、国ちゃんとなら…。
慌てふためくさくらを見て、手塚は少しだけ口元を和らげた。
「……勘違いするな。俺が欲しいのは“さくらと過ごす時間”だ」
「~~~っ!」
真っ赤になったまま、さくらは両手で顔を覆い隠す。
「そ、そんな言い方ずるいよぉ……!」
しろちゃんはさくらの横で大爆笑。
「ぶはっはっはっ!さくら、今のは飛びすぎだったね」
「しろちゃんまで!」
むぅと膨れるさくら。
それさえも可愛いと思う。
話し合った結果、二人でゆっくりと時間を過ごすこととなったのだった。
――――
誕生日当日。
花柄のワンピースに身を包んださくらは、お弁当とケーキを持って元気に家を出て行った。
目指すは手塚の家。
インターホンを押すと、手塚が顔を出した。
「おはよう、国ちゃん」
「おはよう、さくら」
「悪いんだけど、これ、国ちゃんの家の冷蔵庫に入れといてくれる?」
そう言って差し出したのは、ケーキが入っている箱。
「あぁ、わかった。入れたら出かける準備をしてくるからちょっと待っててくれ」
「うん!」
さくらはにこにこしながら手塚の準備が終わるのを待った。
待っている間に、手塚の母、彩菜が顔をひょっこり出した。
「まぁ、さくらちゃんじゃないの。おはよう」
「おはようございます」
そう言ってぺこりとお辞儀をしたさくら。
「ふふ。今日は国光とデートなのね」
「は、はい……」
そう言われて真っ赤になるさくら。
「さくら、待たせたな。行くぞ。母さん、行ってきます」
「行ってらっしゃい、気を付けてね」
彩菜は手を振り、二人を見送ったのだった。
―――――
街中でのデート。
二人は手を繋いで歩いていた。
「今日は国ちゃんの行きたいところに全部付いていくよ!」
「本当にいいのか?」
「もちろんだよ!誕生日だもんっ!」
「わかった、ありがとう」
手塚は僅かに微笑んだ。
まず、連れてこられたのは大きなショッピングモールの中にある巨大な本屋さん。
テニスの戦術書や歴史書を手に取る手塚。
「む、難しい本ばっかかも…」
さくらは首を傾げつつも、隣で手塚が選んだ本を大事そうに持つ。
その間、手塚は本を探しながらもさくらの方をちらっとみた。
自分のために退屈そうな顔もせず、
にこにこしながら(たまに難しそうな顔をしながら)も
退屈そうな顔ひとつせず、隣にいてくれる。
それだけで胸が熱くなる。
さくらはさくらで、「国ちゃん本当に楽しそうだなぁ…」と見惚れていた。
しろちゃんはというと、荷物に紛れて一緒に来ていた。
「ボク、甘いの食べたい」
「あとで買ってあげるから待っててね」
会計を済ませ、近くの喫茶店へ入る。
休憩しながら、
「楽しかった?」
って聞くさくらに、
「……あぁ、さくらと一緒だったから、なおさらな」
ってちょっと照れくさそうに言った手塚だった。
――――――
さくらと手塚が本屋巡りをしてだいぶ時間がたった頃。
二人で他愛もない話をしながら歩いていると、背後から影が。
「あ?あれ、さくらか?」
「隣にいるん、手塚やん」
「フン、デートか」
遠目から目撃してしまった跡部、忍足の2名。
二人は、そのその場で足を止めて固まった。
跡部は二人の後姿を見て、さらに笑みを深くした。
「フン、面白そうだ。忍足、付いてって見ようぜ」
「おう」
跡部、忍足の両名はこっそり後をついていくのだった。
それに真っ先に気づいたのはしろちゃん。
ストーカーかよ…と鞄の中で呆れていた。
そして手塚とさくらは夢中で気づいてすらもいなかった。
――――――
街はずれを歩いていると、さくらは手に持っているバスケットを見せながら呟いた。
「ねえ、公園でご飯食べよう」
「賛成ー!」
鞄の中からしろちゃんが嬉しそうに飛び出した。
「いいな、それ」
手塚も微笑みながら、足先を公園へと向けるのだった。
公園に着くと、さくらはレジャーシートを敷く。
その上に手塚としろちゃんがちょこんと座った。
バスケットの中から重箱と水筒を取り出す。
パカっと重箱を開けると、そこには色とりどりのお弁当が並べられた。
「わぁ…」
しろちゃんは涎を垂らしながらさくらのお弁当を見つめる。
「国ちゃん、はい。今日はね、ちょっと頑張ったんだよ」
そう言いながらお箸を手塚に渡した。
「ありがとう。お前の作った弁当はどれも美味しい」
手塚は口元を僅かに緩めて箸をとった。
しろちゃんはすでに横で「うぉぉぉぉぉ!唐揚げ!卵焼き!おにぎり!」と大はしゃぎ。
「さくら~!ボクの為に作ってくれたんでしょ!?一生ついていく~!」
「ちょっと、しろちゃん!国ちゃんのもちゃんと残してよ!」
「心配しないで、さくら。ボクは優しいから半分は食べ残す!」
「それ、優しいって言うの!?」
そうは言っても、きちんと重箱の上は手塚、下はしろちゃんとちゃっかり分けてあったりする。
その様子を遠くから伺う跡部と忍足。
「……なんだ、これは」
「……平和すぎるやろ」
「クッ、俺様の目の前でピクニックだと!?しかもさくらの手作り弁当を、
あのクール眼鏡当たり前のように食べてやがる!!」
忍足が肩を竦める。
「跡部、ほんまに嫉妬深いなぁ。見てるだけで胃もたれしそうやわ」
その瞬間、しろちゃんがこちらを振り返って、口いっぱいにおにぎりを頬張りながら叫んだ。
「おい、そこの除き魔2人衆!腹減ってるなら素直に出てこい!!」
さくらと手塚、同時ピクリと振り返る
―――次の瞬間、公園に絶妙な沈黙が広がった。
「…っ!」
跡部たちが近づいてくるのを見た瞬間、さくらの瞳に涙が浮かんだ。
「どうして……どうして国ちゃんのお誕生日まで邪魔するの……?」
声が震えて、胸の奥からぽろぽろ涙が零れそうになる。
「今日は……国ちゃんの大事な日なの。だから、お願い……放っておいて……」
この日をどれだけ楽しみにしてたか。
プレゼントをうきうきで選んだり、手塚とどうするか話をしたり。
さくらは泣きそうになりながらも、唇を噛む。
手塚はさくらの言葉にハッとし、すぐに隣のさくらの肩を抱き寄せた。
「……そうだ、今日は俺の誕生日だ。さくらを泣かせるような真似をするな」
低く響く声が一層重みを帯びる。
しろちゃんは両手を腰に当てて怒鳴った。
「お前ら、空気読んでよー!さくらが泣くの見たいの?それともボクの拳で吹っ飛びたいの?」
しろちゃんはこめかみに青筋を浮かべてにこにこしながら拳を見せた。
跡部達は一瞬、言葉を失って立ち尽くした。
跡部が小声で「チッ、罪悪感しか残んねぇ」
忍足も「流石に、これは空気悪すぎやわな」
と、目を逸らした。
さくらは涙目のまま、手塚の服の袖をぎゅっと掴んだ。
「……国ちゃん……今日は二人でお祝いしたいの……」
手塚は静かに頷いて、彼女の髪をそっと撫でる。
「わかってる。お前の気持ちは、俺が守る」
その一言に、さくらは涙を堪え切れずに小さく笑った。
気が付いたら、跡部と忍足の姿はもうなかった。
「さぁ、お弁当を食べよう。折角さくらが作ってきてくれたんだ。勿体ない」
「うん!」
公園の木漏れ日の下、誕生日のお祝いはほんのり甘く、ちょっぴり騒がしく続いていった。