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放課後のテニスコート。
風に桜の花びらが舞い、陽射しが柔らかく芝の上を照らしている。
さくらは緊張と期待を胸に、青学テニス部の門をくぐった。
今日から仮入部。
彼女の胸は期待が大きく膨らんでいた。
コートを見渡すさくら。
奥の方では、白いキャップ被った少年が軽やかにボールを打っている。
―――同じクラスの越前リョーマ。
その小柄な体から繰り出される正確なショットにさくらは思わず目を丸くした。
そこに、手塚がやってきた。
「集合」と言われると、部員たちが一斉に集まってくる。
手塚はさくらの横に並ぶと、彼女を部員たちに紹介した。
「仮入部だが、マネージャー志望の木之本桜さんだ」
手塚の低い声が続く。
「みんな、色々と教えてやってほしい」
部員たちの視線が一気にさくらに集まる。
さくらは緊張で頬を赤らめながらも、笑顔で一礼した。
「初めまして、木之本桜です。木之本さんじゃなくて、"さくら"って呼んでください!」
その可愛らしい仕草に、コートの空気が和らいだ。
数人の部員が思わず顔を赤らめる。
ベンチの方で菊丸が肘で不二をつつきながら、にやりと笑った。
「ねぇ、不二。入学式に手塚といた子、あの子だよね~♪」
不二は目を細めて、柔らかく笑う。
「うん、やっぱり可愛いね」
その声が耳に入り、さくらは更に顔を真っ赤にした。
―――恥ずかしい~~~
その仕草さえも、可愛いと思ってしまう部員達だった。
初めての仮入部マネージャーの仕事は球拾い。
さくらは転がっていくボールを一生懸命に追いかけていた。
すると、リョーマの打った球が鋭く逸れた。
それもさくらの横に。
「危ない!」
誰かの声。
「え?」
反応するのが遅かった。
が、次の瞬間、視界が揺れた。
強い腕が、さくらを抱き寄せるように包み込んでいた。
手塚だった。
ボールは彼のテニスラケットで弾かれ、コートの隅に転がる。
「……っ!」
さくらの心臓が早鐘のように鳴る。
その時、手塚の腕に一瞬、淡い光が走った。
さくらの瞳に、あの"過去"が映った。
上級生にテニスラケットで肘を殴られ、顔を歪める中学1年生の手塚。
部室で、落ちたラケット。
その瞬間の痛みと孤独。
「えっ……?」
―――今のは……?国ちゃんの過去?
思わず息を吞む。
だがすぐに手塚が覗き込み、真剣な目で尋ねた。
「さくら?大丈夫か?」
はっと我に返り、さくらは笑顔を取り戻す。
「うん……ありがとう、国ちゃん」
その言葉を聞いた瞬間――。
部員達が一斉に騒めいた。
「……さくら!?」
「国ちゃんって今言った!?」
「部長と下の名前で!?」
菊丸は「うっそーん!?」と叫び、不二は口元に手を当ててくすくすと笑う。
乾は眼鏡の奥で何かを分析し始め、桃城と海堂は顔を見合わせて固まった。
当の手塚はというと、微動だにせず、ただ淡々と
「怪我はないな」とだけ言った。
けれど、その耳がほんのり赤く染まっていたのを、
さくらだけは見逃さなかった。
――――――
「ありがとう、国ちゃん」
その一言が、静まり返っていたテニスコートに響いた。
次の瞬間、空気が弾けたようにざわめきが広がる。
「……今、"国ちゃん"って言った!?」
「部長の事!?」
「まさかの下の名前呼び!?」
「て、手塚部長を"国ちゃん"呼び……!?」
部員達が騒然とする中、菊丸がニヤニヤ顔で両手を挙げた。
「さくらちゃ~ん!国ちゃ~ん!お似合いじゃ~ん!!」
その言葉にさくらのこめかみがプチッ。
不二は目を細め、口元に手を当ててくすりと笑う。
「ふふ、あの手塚が"国ちゃん"か……レアだね」
大石は困ったように額を押さえた。
「手塚……これは……その、どう説明したらいいか……」
周囲からは"キャー!青春かよ"と言った茶化しの声があり、
テニスコートはいつの間にか笑いの渦に包まれていた。
「え……あの……」
さくらは両手を胸の前でぎゅっと握った。
―――国ちゃんって呼ぶの、そんなに変かな……?
―――……笑われることなの……?
その名は幼い頃からの約束と想いが詰まった、
さくらにとって一番大切な言葉だった。
けれど、笑い声が続くほどに、胸の奥が少しずつ痛くなる。
ほんの一瞬、笑顔が曇る。
目の奥に、かすかな不安が滲んだ。
その表情を手塚が見逃すはずもなく。
手塚は静かに顔を上げる。
「――静かに」
低く、けれど通る声がコート全体に響く。
その一言だけで、笑いがすっと止まった。
菊丸が「わ、ごめん、ごめん」と頭を掻き、
大石は「悪かったよ、木之本さん」と苦笑して、
場をなだめようとする。
不二は相変わらず微笑を浮かべながらも、
どこか"興味深そう"に二人を見つめていた。
手塚はさくらのほうを向き、柔らかく言った。
「……気にするな。お前はお前のままでいい」
その言葉に、さくらの瞳が揺れ、
笑顔が戻っていく。
「うん……ありがとう、国ちゃん」
今度は誰も笑わなかった。
ただ春風がコートを抜け、
桜の花びらが二人の間を優しく舞った。
風に桜の花びらが舞い、陽射しが柔らかく芝の上を照らしている。
さくらは緊張と期待を胸に、青学テニス部の門をくぐった。
今日から仮入部。
彼女の胸は期待が大きく膨らんでいた。
コートを見渡すさくら。
奥の方では、白いキャップ被った少年が軽やかにボールを打っている。
―――同じクラスの越前リョーマ。
その小柄な体から繰り出される正確なショットにさくらは思わず目を丸くした。
そこに、手塚がやってきた。
「集合」と言われると、部員たちが一斉に集まってくる。
手塚はさくらの横に並ぶと、彼女を部員たちに紹介した。
「仮入部だが、マネージャー志望の木之本桜さんだ」
手塚の低い声が続く。
「みんな、色々と教えてやってほしい」
部員たちの視線が一気にさくらに集まる。
さくらは緊張で頬を赤らめながらも、笑顔で一礼した。
「初めまして、木之本桜です。木之本さんじゃなくて、"さくら"って呼んでください!」
その可愛らしい仕草に、コートの空気が和らいだ。
数人の部員が思わず顔を赤らめる。
ベンチの方で菊丸が肘で不二をつつきながら、にやりと笑った。
「ねぇ、不二。入学式に手塚といた子、あの子だよね~♪」
不二は目を細めて、柔らかく笑う。
「うん、やっぱり可愛いね」
その声が耳に入り、さくらは更に顔を真っ赤にした。
―――恥ずかしい~~~
その仕草さえも、可愛いと思ってしまう部員達だった。
初めての仮入部マネージャーの仕事は球拾い。
さくらは転がっていくボールを一生懸命に追いかけていた。
すると、リョーマの打った球が鋭く逸れた。
それもさくらの横に。
「危ない!」
誰かの声。
「え?」
反応するのが遅かった。
が、次の瞬間、視界が揺れた。
強い腕が、さくらを抱き寄せるように包み込んでいた。
手塚だった。
ボールは彼のテニスラケットで弾かれ、コートの隅に転がる。
「……っ!」
さくらの心臓が早鐘のように鳴る。
その時、手塚の腕に一瞬、淡い光が走った。
さくらの瞳に、あの"過去"が映った。
上級生にテニスラケットで肘を殴られ、顔を歪める中学1年生の手塚。
部室で、落ちたラケット。
その瞬間の痛みと孤独。
「えっ……?」
―――今のは……?国ちゃんの過去?
思わず息を吞む。
だがすぐに手塚が覗き込み、真剣な目で尋ねた。
「さくら?大丈夫か?」
はっと我に返り、さくらは笑顔を取り戻す。
「うん……ありがとう、国ちゃん」
その言葉を聞いた瞬間――。
部員達が一斉に騒めいた。
「……さくら!?」
「国ちゃんって今言った!?」
「部長と下の名前で!?」
菊丸は「うっそーん!?」と叫び、不二は口元に手を当ててくすくすと笑う。
乾は眼鏡の奥で何かを分析し始め、桃城と海堂は顔を見合わせて固まった。
当の手塚はというと、微動だにせず、ただ淡々と
「怪我はないな」とだけ言った。
けれど、その耳がほんのり赤く染まっていたのを、
さくらだけは見逃さなかった。
――――――
「ありがとう、国ちゃん」
その一言が、静まり返っていたテニスコートに響いた。
次の瞬間、空気が弾けたようにざわめきが広がる。
「……今、"国ちゃん"って言った!?」
「部長の事!?」
「まさかの下の名前呼び!?」
「て、手塚部長を"国ちゃん"呼び……!?」
部員達が騒然とする中、菊丸がニヤニヤ顔で両手を挙げた。
「さくらちゃ~ん!国ちゃ~ん!お似合いじゃ~ん!!」
その言葉にさくらのこめかみがプチッ。
不二は目を細め、口元に手を当ててくすりと笑う。
「ふふ、あの手塚が"国ちゃん"か……レアだね」
大石は困ったように額を押さえた。
「手塚……これは……その、どう説明したらいいか……」
周囲からは"キャー!青春かよ"と言った茶化しの声があり、
テニスコートはいつの間にか笑いの渦に包まれていた。
「え……あの……」
さくらは両手を胸の前でぎゅっと握った。
―――国ちゃんって呼ぶの、そんなに変かな……?
―――……笑われることなの……?
その名は幼い頃からの約束と想いが詰まった、
さくらにとって一番大切な言葉だった。
けれど、笑い声が続くほどに、胸の奥が少しずつ痛くなる。
ほんの一瞬、笑顔が曇る。
目の奥に、かすかな不安が滲んだ。
その表情を手塚が見逃すはずもなく。
手塚は静かに顔を上げる。
「――静かに」
低く、けれど通る声がコート全体に響く。
その一言だけで、笑いがすっと止まった。
菊丸が「わ、ごめん、ごめん」と頭を掻き、
大石は「悪かったよ、木之本さん」と苦笑して、
場をなだめようとする。
不二は相変わらず微笑を浮かべながらも、
どこか"興味深そう"に二人を見つめていた。
手塚はさくらのほうを向き、柔らかく言った。
「……気にするな。お前はお前のままでいい」
その言葉に、さくらの瞳が揺れ、
笑顔が戻っていく。
「うん……ありがとう、国ちゃん」
今度は誰も笑わなかった。
ただ春風がコートを抜け、
桜の花びらが二人の間を優しく舞った。