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昼の太陽が頂上に上りかけてる校庭。
[#dn=#3]が消えてから、どのくらいたったのだろうか。
手塚はその場を動こうとしなかった。
まるでそこにはまだ、彼女の温もりが残っているかのように。
風が吹き抜けるたびに、コートの砂が舞い上がり、
淡い桜色の光がふっと揺らめく。
――まだ、終わっていない。
その確信だけが、彼の胸の中に残っていた。
そこへしろちゃん――。
ルミネルがふわりと降りてきた。
白い羽を震わせ、静かに手塚の肩にとまる。
「……国ちゃん」
「……しろちゃん」
「君なら、きっとわかっているはずだ。
[#dn=#3]の"気配"が、まだこの世界に残っている。
でも、普通の人間ではそこに届かない。
夢と現の狭間――。
"心の界"だ」
手塚はゆっくりと頷く。
「だから、俺を導くのか」
「ああ」
しろちゃんの声は、いつになく低く、真剣だった。
その瞬間、空が震えた。
しろちゃんの身体が白く輝き始める。
淡い光はやがて金色へと変わり、羽が何枚にも分かれて広がった。
『――我が名はルミネル・エターナル。
[#dn=#1][#dn=#2]の"半魂"にして、彼女を守る光の守護獣』
風が巻き起こる。
その光景に、部員たちは息を呑んだ。
ルミネルの瞳が星のように光を宿し、
彼の姿は小さな獣から、長い羽を持つ天光の存在へと変わる。
その背には、幾千もの羽根が生まれ、
宙に浮かぶだけで世界が透き通るようだった。
『……手塚国光。
お前の"想い"が本物なら、
彼女の"心の中"へと至る資格を得る』
「資格……?」
『そうだ。
あの子の心は、今、"禁忌"の歌で閉ざされている。
誰も踏み込めぬ場所――。
彼女自身の"記憶と痛み"の奥底
そこに入れるのはただ一人。
彼女が最も信じ、最も愛した者だけだ』
手塚は迷わず答えた。
「……なら、行かせてくれ」
ルミネルが両手を広げる。
光が集まり、空に巨大な円環が浮かび上がる。
その中心には、淡く桜色の光が揺れていた。
『これが、心の界――。"夢の門"。
この先は現実ではない。
お前が見せられるのは、[#dn=#3]が閉じ込めた"記憶"。
彼女の痛み、恐れ、そして願い。
それをすべて受け入れられるか?』
「当然だ」
手塚の声は静かでありながら、揺るぎない。
「彼女が流した涙も、見えない傷も、全部、俺が受け止める」
ルミネルはわずかに微笑んだ。
「ならば――。
我が主のもとへ導こう」
翼が広がり、金色の羽が空を覆う。
その羽が降り注ぐたびに、世界が光の粒となってほどけていく。
手塚の視界が白く染まり、
足元の地面が消え、重力が失われていく。
『――目を閉じろ。
"心"は理ではなく、"想い"で渡る場所だ』
その声を聞いた瞬間、
手塚は静かに目を閉じた。
待っていろ、[#dn=#3]――。
今、俺が必ず迎えに行く!!