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放課後の図書室は、静かだった。
春の午後の陽射しが大きな窓から差し込み、
古い本棚の影を柔らかく伸ばしている。
ページをめくる音、時計の針の音。
まるで世界が息をひそめているような時間。
さくらはノートを広げて、課題の資料を探していた。
(次のレポート、"歴史に残る偉人"かぁ……)
ふと、目を上げる。
棚の一角――。
そこだけ"穴が空いた"ように見えた。
「……あれ?」
棚の隙間に並んでいたはずの分厚い資料集が、
一冊だけ、消えていた。
誰かが借りたのかと思い、近づいてみる。
けれど、貸出カードも抜かれていない。
棚の間には、淡い光の粒がゆらりと漂っていた。
「さくら……今、感じた?」
しろちゃんの声が心に響く。
「うん……。この光、魔力の気配がする」
「気を付けて。何かが"見えなく"なっているよ」
その言葉の直後。
さくらは消えている部分のところを触ってみた。
消えてはいるのに、そこに"何か"がある感触。
「しろちゃん、これ……!」
「カードの仕業だね」
夢の鍵が光り、机の上で震えた。
さくらは、夢の鍵を握りしめると、あたりを見渡した。
「大丈夫。ここには誰もいない」
そう呟くと、夢の鍵を掲げた。
「夢の力を秘めし鍵よ、真の姿を我の前に示せ―――。封印解除!」
鍵が杖に変わる。
さくらはそれを取ると、くるくると杖を回した。
そして、透明な"本"へと杖を掲げる。
「主なきものよ、夢の杖のもと、我の力となれ――。固着(セキュア)!」
透明なベールのような布が結晶になり、パリンと音が鳴る。
そしてカードになり、さくらの手元に降りてくる。
『透過』『LUCID』
「これ、透明にできるカードみたい。
なんでも透明にしちゃうんだね」
「すごいカードだね」
カードをそっと胸に当てる。
窓から差し込む夕陽が、カードの表面を淡く照らした。
図書室の時計が、ちいさく時を刻む。
まるで、あの夢のように。
――カチ、カチ、カチ
さくらは小さく息をつき、
そっとノートを閉じて笑った。
が……。
「いま、なん……じ、って、ひゃぁぁぁぁぁ!!」
時計をみたさくらは、慌てて勉強道具をしまい、
図書室を飛び出したのだった。
春の午後の陽射しが大きな窓から差し込み、
古い本棚の影を柔らかく伸ばしている。
ページをめくる音、時計の針の音。
まるで世界が息をひそめているような時間。
さくらはノートを広げて、課題の資料を探していた。
(次のレポート、"歴史に残る偉人"かぁ……)
ふと、目を上げる。
棚の一角――。
そこだけ"穴が空いた"ように見えた。
「……あれ?」
棚の隙間に並んでいたはずの分厚い資料集が、
一冊だけ、消えていた。
誰かが借りたのかと思い、近づいてみる。
けれど、貸出カードも抜かれていない。
棚の間には、淡い光の粒がゆらりと漂っていた。
「さくら……今、感じた?」
しろちゃんの声が心に響く。
「うん……。この光、魔力の気配がする」
「気を付けて。何かが"見えなく"なっているよ」
その言葉の直後。
さくらは消えている部分のところを触ってみた。
消えてはいるのに、そこに"何か"がある感触。
「しろちゃん、これ……!」
「カードの仕業だね」
夢の鍵が光り、机の上で震えた。
さくらは、夢の鍵を握りしめると、あたりを見渡した。
「大丈夫。ここには誰もいない」
そう呟くと、夢の鍵を掲げた。
「夢の力を秘めし鍵よ、真の姿を我の前に示せ―――。封印解除!」
鍵が杖に変わる。
さくらはそれを取ると、くるくると杖を回した。
そして、透明な"本"へと杖を掲げる。
「主なきものよ、夢の杖のもと、我の力となれ――。固着(セキュア)!」
透明なベールのような布が結晶になり、パリンと音が鳴る。
そしてカードになり、さくらの手元に降りてくる。
『透過』『LUCID』
「これ、透明にできるカードみたい。
なんでも透明にしちゃうんだね」
「すごいカードだね」
カードをそっと胸に当てる。
窓から差し込む夕陽が、カードの表面を淡く照らした。
図書室の時計が、ちいさく時を刻む。
まるで、あの夢のように。
――カチ、カチ、カチ
さくらは小さく息をつき、
そっとノートを閉じて笑った。
が……。
「いま、なん……じ、って、ひゃぁぁぁぁぁ!!」
時計をみたさくらは、慌てて勉強道具をしまい、
図書室を飛び出したのだった。