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部活が終わり、夕暮れの校庭に残るのは、
練習後のボールの音と、かすかに香る桜の匂いだった。
「……今日も、いい天気だったな」
さくらは部室の鍵を閉めながら、空を見上げた。
赤く染まる雲の隙間に、白い月が浮かんでいる。
ふと――胸の音がざわついた。
(この感じ……カードの気配……?)
次の瞬間、足元の空気が歪んだ。
ぐらり、と視界が揺れる。
「えっ!?な、なに――!」
見えない力に身体が引っ張られ、
砂利の上を滑るようにして引きずられていく。
「し、しろちゃんっ!?」
「さくらっ、止まれない!強い"魔力"の気配だ!」
鞄の中で夢の鍵が光る。
「夢の力を秘めし鍵よ、真の姿を我の前に示せ―――。封印解除!」
眩い光が杖に変わるが、
それでも体は止まらない。
空中に浮いたまま、風を切って引き寄せられる。
制服のスカートがはためき、
髪が光の中で舞った。
(どこへ、連れていかれるの……!?)
やがて、足元の景色が一変した。
目の前に広がるのは――夜の公園。
満開の枝垂れ桜、淡く光を放っていた。
花びらが空中に舞い、まるで月光の雨のよう。
「ここ……青春台公園……?」
その中心に、魔法陣のような光の渦。
中心で脈動する"核"が見えた。
その核から、魔力を感じる。
それとリンクするように周りの木々に雷が落ちた。
「……っ!」
(これが、カードの力……!)
さくらは一枚のカードを取り出した。
「包囲―SIEGE―!」
包囲のカードが、さくらを包み込む。
それでもカードの力は引きずり込まれていく。
カードの威力はどんどん増していく。
さくらは一度、瞳を閉じると、覚悟を決めて瞳を開けた。
「行こう……!」
「さくら!」
さくらは包囲の魔法を解くと、そのまま核へと引き寄せられる。
「主なきものよ、夢の杖のもと、我の力となれ――。固着(セキュア)!」
ギリギリのところで、カードの封印に成功する。
危うくさくらは桜の木にぶつかりそうになって、その場にへたり込む。
「間に合った!」
カードはクリスタルに収められ、そのままパリンと割れる。
そして、さくらの手中に収まった。
月と太陽が矢印で互いを引き寄せられるような紋様のイラスト――。
「『GRAVITATION』『引力』……」
さくらはカードをまじまじと見つめた。
「……あなたが、わたしを呼んでたの?」
「……"想う心"が強すぎて、引き寄せられちゃったんだね」
「想う心……」
さくらは胸に手を当てる。
(……もしかして、国ちゃんのこと……)
その瞬間、ポケットのスマホが震えた。
画面には「手塚国光」の名前。
「……さくら。急に姿が見えなくなったから、
探していた。無事か?」
涙がこみ上げる。
「……うん。国ちゃんが呼んでくれた気がしたの」
風が優しく風を撫でた。
さくらの花びらが二人の名前を包み込み、
夜の空に溶けていく。
「ありがとう、グラビテーション。
わたし、もう大丈夫。思う気持ちはちゃんと届くから――」
風が止み、
夜の空に一番星が輝いていた。
練習後のボールの音と、かすかに香る桜の匂いだった。
「……今日も、いい天気だったな」
さくらは部室の鍵を閉めながら、空を見上げた。
赤く染まる雲の隙間に、白い月が浮かんでいる。
ふと――胸の音がざわついた。
(この感じ……カードの気配……?)
次の瞬間、足元の空気が歪んだ。
ぐらり、と視界が揺れる。
「えっ!?な、なに――!」
見えない力に身体が引っ張られ、
砂利の上を滑るようにして引きずられていく。
「し、しろちゃんっ!?」
「さくらっ、止まれない!強い"魔力"の気配だ!」
鞄の中で夢の鍵が光る。
「夢の力を秘めし鍵よ、真の姿を我の前に示せ―――。封印解除!」
眩い光が杖に変わるが、
それでも体は止まらない。
空中に浮いたまま、風を切って引き寄せられる。
制服のスカートがはためき、
髪が光の中で舞った。
(どこへ、連れていかれるの……!?)
やがて、足元の景色が一変した。
目の前に広がるのは――夜の公園。
満開の枝垂れ桜、淡く光を放っていた。
花びらが空中に舞い、まるで月光の雨のよう。
「ここ……青春台公園……?」
その中心に、魔法陣のような光の渦。
中心で脈動する"核"が見えた。
その核から、魔力を感じる。
それとリンクするように周りの木々に雷が落ちた。
「……っ!」
(これが、カードの力……!)
さくらは一枚のカードを取り出した。
「包囲―SIEGE―!」
包囲のカードが、さくらを包み込む。
それでもカードの力は引きずり込まれていく。
カードの威力はどんどん増していく。
さくらは一度、瞳を閉じると、覚悟を決めて瞳を開けた。
「行こう……!」
「さくら!」
さくらは包囲の魔法を解くと、そのまま核へと引き寄せられる。
「主なきものよ、夢の杖のもと、我の力となれ――。固着(セキュア)!」
ギリギリのところで、カードの封印に成功する。
危うくさくらは桜の木にぶつかりそうになって、その場にへたり込む。
「間に合った!」
カードはクリスタルに収められ、そのままパリンと割れる。
そして、さくらの手中に収まった。
月と太陽が矢印で互いを引き寄せられるような紋様のイラスト――。
「『GRAVITATION』『引力』……」
さくらはカードをまじまじと見つめた。
「……あなたが、わたしを呼んでたの?」
「……"想う心"が強すぎて、引き寄せられちゃったんだね」
「想う心……」
さくらは胸に手を当てる。
(……もしかして、国ちゃんのこと……)
その瞬間、ポケットのスマホが震えた。
画面には「手塚国光」の名前。
「……さくら。急に姿が見えなくなったから、
探していた。無事か?」
涙がこみ上げる。
「……うん。国ちゃんが呼んでくれた気がしたの」
風が優しく風を撫でた。
さくらの花びらが二人の名前を包み込み、
夜の空に溶けていく。
「ありがとう、グラビテーション。
わたし、もう大丈夫。思う気持ちはちゃんと届くから――」
風が止み、
夜の空に一番星が輝いていた。