愛情60% 不純物40%(JD)


「ん……ぁっ」


 私は身体の痺れに目を覚ました。
 まだ酔いが残っているのか、身体が上手く動かない。
 無理やり身体を動かした私は顔を動かして部屋を見た。

 昨日と同じ光景。
 だが、改めて見ると、部屋はなかなか悲惨な状態だった。
 何かが入っていたような小さなボトルと酒瓶が床に散乱していて、テーブルの上には少し干乾びかけたチーズや果物が乗っている。
 乱れたシーツは一部床に落ちていた。

 道理で少し肌寒いと思った。
 そこまで考えた私は自分の身体を見て固まった。


「な、な……っ!」


 私は悲鳴を――声にならない悲鳴を上げた。
 私が何も纏わず、その代わりに赤い痕を纏っているのは何故だろう。
 横で眠っただけのジェイドの体温を身体が覚えているのは、一体何故だ。


 全身につけられた所有印は愛の証か、それとも度が過ぎた悪戯か。

 願わくは前者だが――とりあえず、誰に何を言われようと禁酒しよう。
 そう心に誓った私は離席しているらしいジェイドが戻ってくるのを待った。泣きたい気持ちになりながら。



 
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