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第1話 虎
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探偵社の扉の前で一度深呼吸をする、そして扉を開けた。
『え……?』
もうすぐ日付も変わろうとしている時間に見慣れたメンバーが集結。
「よし、みんな揃ったな。状況を説明する」
「社長には既に伝えてあるが、十五番街の西倉庫に人食い虎を捕縛しに行く」
人食い虎。
約2週間前より田畑が食い荒らされる事例が多発。
目撃証言から一頭の虎であることが報告されている。
程無くして、区の災害指定猛獣に登録された。
探偵社にとっては、最重要の依頼である。
しかし─────。
『私も…、なんですか??』
集まったメンバーは皆、
その中で唯一異能力持ちではない名字 名前も呼ばれた。
足手まといになるのは目に見えている。
それなのに何故。
「知らん。決めたのは社長だ」
今この場にはいないが、社長の決定は絶対遵守。
社長の決定ならばと、納得せざるを得ない。
「そんな事を話している余裕はない。今から現場に向かう」
今は虎が最優先だ。
もし取り逃がすなど大失態をした場合、探偵社は存続が危ぶまれる。
最悪の事態だけは避けたい。
己の想像に身震いを起こす。
「だーいじょーうぶ!もし逃げられても僕の異能力があれば居場所なんてすぐに割り出せる」
いかにも探偵。
と、言わんばかりの服を着こなした
肩に触れる手の温もりに、名前はゆっくりと深呼吸をした。
『ありがとうございます、乱歩さん』
「はいはーい。じゃあ行こーう!」
ビシッと天を指差し、歩き出す乱歩。
数人で歩く。しかし足音は一切聞こえない。
街は静寂に包まれたまま、ただ時だけがゆったりと動く。