聶藍SSまとめ
ある晴れた日のことだった
ある晴れた日のことだった。
己を戒め、自己を見つめ直す日々。蘇る、過去の記憶。とある、晴れた日のこと。雪解けが始まり、ほのかな暖かさも覚える季節の、ある日のこと。
暖かくなって来ましたので、間もなくでしょうか。そう語り掛ければ、蕾をちらりと見やった後に珍しく、少しだけ笑っている。
意外だと言えば、懐かしいと返される。出会ったのも此処、そして丁度あの花が咲いていた頃だろう、ああ、そうでしたね。
……ある晴れた日のことだ。
とある、晴れた日、暖かく、幸福な。
今の季節も、同じ頃。間もなく花開くであろう白色、共に見ることはもう叶わない。
その事実を思い、私は独りで泣くのです。
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