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曦澄SSまとめ


手を握ったまま眠っている


ゆっくりと目蓋を開ける。卯の刻よりも、若干早い時刻であった。ちらり、腕の中でまだ夢の中にいるであろう、愛おしい人を見つめる。規則的な呼吸を繰り返し、警戒心もなく安らかな寝顔を此方に向けていた。胸の奥に広がる温かな感情、何とも幸せな朝だろうか。
ふわり、ほのかに感じる優しい香り。眠りにつく前、絡ませた指をそのままに眠る恋人。手を優しく握り返し、頬に口付けを落とす。
未だ、眠りの世界にいる恋人は。くすぐったそうに、それでいて幸せそうに微笑んだように見えた。

ああ、もう少しこのままで居たい。
幸せな朝、この瞬間を毎日迎えることが出来ればいいのに。


「どうして起こしてくれないんだ!」
「あなたがあまりにも可愛らしくて……」
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