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曦澄SSまとめ


ふたつの引力

強く惹きつけられてしまうのは、どうしてだろうか。その髪、瞳、全てにおいて。愛おしく思う、初めての感情だ。仄かに香る甘い香り、安らぎを与えてくれる優しい声。彼が、此方の名前を呼び。花が綻ぶような笑みを向け。触れ合う温もり、逢えない日々を埋めるように。

彼の腕の中で、ふと思う。
この幸福を知ってしまった己は。もう知らなかった頃には戻れない。

「……藍渙」

名前を呼ぶ。呼びかけに応えた彼があやす様に、此方の頭を撫でた。心地良い、永遠にこの時が続けばいいのに。

(あなたがいないともう、)
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