五部
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「その『手すりの影』を踏むなッ! コーイチ君ッ」
ジョルノの部屋へ再突入すると聞こえた声に鏡を戻す余裕もなく窓から外を見れば、階段の上で康一が“見えない何か”に襲われているようだった。何もない空中から弓矢の矢尻の様な物が飛び出してくる。
その矢尻には見覚えがあった。
「『弓と矢』!?」
近くの手すりが朝顔の蔓へと変貌し、垂れ下がる。同時に康一の傍から悲鳴のような物が聞こえた。
階段の下にいるジョルノの手がいつの間にか傷ついて血が出ている。康一が何かに引っ張られるように朝顔へと変貌した手すりの間からジョルノの元へと降りていった。
「おしい! 近くに影があったから逃げられた……。しかしやはりヤツは日光の中に来るとダメージを受けるのは分かった!」
ジョルノが冷静に何かを考察している。そこから判断するにそうやら何者かのスタンドへ襲われているのだろう。それはおそらく、トムにとっては何もない場所から現れた『弓と矢』が証明している。
「なんでアレがイタリアに……? 父さんが回収した筈だろ?」
二年前、康一の故郷である杜王町でその姿を見ることとなった『弓と矢』は、トムが知っている限りでは『スタンド使いを生み出す』道具だ。十二年前に初めてその姿をこの世へ現し、それから数人の手を渡りつつ二組の『弓と矢』が現在回収されていた。
それがここへあるということは、盗まれたのか新しい一組か。ジョルノは何故かその『弓と矢』を持っているスタンドへ襲われている。
「君はあの『矢』のことを知らないっていうのか!」
「……知らない。何なんだ、あの『矢』は……」
喘ぐように言うジョルノは嘘を吐いているようには思えなかった。
トムはポケットへ鏡を押し込んで窓から飛び降りる。それから階段を駆け下りて康一とジョルノと合流した。
階段の真下には絶命している老人が倒れていたが、今は構っていられないだろう。
「このジョルノ・ジョバァーナには正しいと信じる夢がある」
そんな事を言っている場合でもない。
日光へ当たるとダメージを受けるようだと言っていたのを思い出して、トムはポケットから鏡を取り出し太陽光を建物の影へと反射させてみた。
スタンドがどこにいるのかはトムには分からないので、一通り届く範囲へ反射させてみる。反射させた光を動かしている最中にさっきと同じ悲鳴のようなものが聞こえた。
「当たった?」
「君には見えてない?」
「うん。僕はスタンド使いじゃないんだ。あ、これ返すよ」
鏡をジョルノへ渡す。
ジョルノの部屋へ再突入すると聞こえた声に鏡を戻す余裕もなく窓から外を見れば、階段の上で康一が“見えない何か”に襲われているようだった。何もない空中から弓矢の矢尻の様な物が飛び出してくる。
その矢尻には見覚えがあった。
「『弓と矢』!?」
近くの手すりが朝顔の蔓へと変貌し、垂れ下がる。同時に康一の傍から悲鳴のような物が聞こえた。
階段の下にいるジョルノの手がいつの間にか傷ついて血が出ている。康一が何かに引っ張られるように朝顔へと変貌した手すりの間からジョルノの元へと降りていった。
「おしい! 近くに影があったから逃げられた……。しかしやはりヤツは日光の中に来るとダメージを受けるのは分かった!」
ジョルノが冷静に何かを考察している。そこから判断するにそうやら何者かのスタンドへ襲われているのだろう。それはおそらく、トムにとっては何もない場所から現れた『弓と矢』が証明している。
「なんでアレがイタリアに……? 父さんが回収した筈だろ?」
二年前、康一の故郷である杜王町でその姿を見ることとなった『弓と矢』は、トムが知っている限りでは『スタンド使いを生み出す』道具だ。十二年前に初めてその姿をこの世へ現し、それから数人の手を渡りつつ二組の『弓と矢』が現在回収されていた。
それがここへあるということは、盗まれたのか新しい一組か。ジョルノは何故かその『弓と矢』を持っているスタンドへ襲われている。
「君はあの『矢』のことを知らないっていうのか!」
「……知らない。何なんだ、あの『矢』は……」
喘ぐように言うジョルノは嘘を吐いているようには思えなかった。
トムはポケットへ鏡を押し込んで窓から飛び降りる。それから階段を駆け下りて康一とジョルノと合流した。
階段の真下には絶命している老人が倒れていたが、今は構っていられないだろう。
「このジョルノ・ジョバァーナには正しいと信じる夢がある」
そんな事を言っている場合でもない。
日光へ当たるとダメージを受けるようだと言っていたのを思い出して、トムはポケットから鏡を取り出し太陽光を建物の影へと反射させてみた。
スタンドがどこにいるのかはトムには分からないので、一通り届く範囲へ反射させてみる。反射させた光を動かしている最中にさっきと同じ悲鳴のようなものが聞こえた。
「当たった?」
「君には見えてない?」
「うん。僕はスタンド使いじゃないんだ。あ、これ返すよ」
鏡をジョルノへ渡す。