五部
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
国際電話を終わらせた康一が受話器を戻す。意図せずスタンド使いへ遭遇してしまったことについて、承太郎が盗まれた荷物や財布、ホテルの手配をしてくれることになったらしい。ならば最初から康一へ任せるなとは思ったが、きっと承太郎も『ジョルノ・ジョバァーナ』に会いたくなかったのだろう。
トムだってそう思った。
父の知人を殺した男の、息子。
「『ジョルノ・ジョバァーナ』……」
「とりあえずホテル手配してくれるなら一安心かな? パスポートはどうしよう」
「大使館へ連絡するしかありませんね。康一さんは日本人だから日本大使館か。でも再発行に一週間から二週間は掛かりますね」
康一に返しながらもトムが考えるのは『ジョルノ』のことだった。
彼は実の父の行なった事を知っているのだろうか。知らないとしたらその知らない父の事をどう思っているのかなどが気になった。
人殺しの息子、だとか殺された人の息子だとかそういう事はどうでもいい。そんなものはザラにいる。
トムの琴線へ触れたのは、ジョルノのその『立場』だ。
「これからどうします? 承太郎さんが手配してくれるホテルへ向かうのが一番いいと思いますけど」
「うーん。観光って気分でもないしね」
「ただその場合、僕は行くところがあるので一人で行ってきます」
「え、どこ行くの?」
「ネアポリス中高等学校寄宿舎、だと思います。ジョルノにナギニを忍ばせたから回収に行かないと」
「なんでそんなことしてるの!? いや、黙ってるの!? そんなのぼくも行くよ!」
騒ぐ康一に耳を塞ぐ。煩い。
「空港に降りたってすぐに荷物を盗まれるような人の面倒見るの疲れるんですけど。もう失う物が無いと思って楽観視していて、今度臓器とか奪われても怒られるのは僕なんですし」
「臓器なんて怖いこと言わないで」
流石に臓器を奪われることはないだろうが、着ている服を奪われることはあるだろう。スタンド使いだから大丈夫という言い訳は既に通用しない。
ここは面倒だが一緒に行動するのが一番なのだろう。いずれにせよホテルへは連れて行かなければならないし、そのホテルだって手配が済むまでは部屋にも入れない。最初から康一ではなくトムがお金やカードを預かっておけば良かった。
だがそんな後悔も今更だ。
向かう先が学校の寄宿舎であることから、流石にそんな場所で泥棒を行なう奴はいないだろうと考える。
「仕方ない。一緒に行ってもいいですけど勝手な行動はしないでくださいね」
「年下に注意されるぼくって……」
トムだってそう思った。
父の知人を殺した男の、息子。
「『ジョルノ・ジョバァーナ』……」
「とりあえずホテル手配してくれるなら一安心かな? パスポートはどうしよう」
「大使館へ連絡するしかありませんね。康一さんは日本人だから日本大使館か。でも再発行に一週間から二週間は掛かりますね」
康一に返しながらもトムが考えるのは『ジョルノ』のことだった。
彼は実の父の行なった事を知っているのだろうか。知らないとしたらその知らない父の事をどう思っているのかなどが気になった。
人殺しの息子、だとか殺された人の息子だとかそういう事はどうでもいい。そんなものはザラにいる。
トムの琴線へ触れたのは、ジョルノのその『立場』だ。
「これからどうします? 承太郎さんが手配してくれるホテルへ向かうのが一番いいと思いますけど」
「うーん。観光って気分でもないしね」
「ただその場合、僕は行くところがあるので一人で行ってきます」
「え、どこ行くの?」
「ネアポリス中高等学校寄宿舎、だと思います。ジョルノにナギニを忍ばせたから回収に行かないと」
「なんでそんなことしてるの!? いや、黙ってるの!? そんなのぼくも行くよ!」
騒ぐ康一に耳を塞ぐ。煩い。
「空港に降りたってすぐに荷物を盗まれるような人の面倒見るの疲れるんですけど。もう失う物が無いと思って楽観視していて、今度臓器とか奪われても怒られるのは僕なんですし」
「臓器なんて怖いこと言わないで」
流石に臓器を奪われることはないだろうが、着ている服を奪われることはあるだろう。スタンド使いだから大丈夫という言い訳は既に通用しない。
ここは面倒だが一緒に行動するのが一番なのだろう。いずれにせよホテルへは連れて行かなければならないし、そのホテルだって手配が済むまでは部屋にも入れない。最初から康一ではなくトムがお金やカードを預かっておけば良かった。
だがそんな後悔も今更だ。
向かう先が学校の寄宿舎であることから、流石にそんな場所で泥棒を行なう奴はいないだろうと考える。
「仕方ない。一緒に行ってもいいですけど勝手な行動はしないでくださいね」
「年下に注意されるぼくって……」