五部
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国際電話で時差の事を告げずに康一へ電話させたのは三割くらい承太郎への嫌がらせだったが、どうやら普通に起きていたらしい。
『汐華初流乃』がイタリアでは『ジョルノ・ジョバァーナ』と呼ばれていること、髪の毛が黒から金へと変わっていること、そしてスタンド使いであることを康一が承太郎へ告げる。ついでに荷物を盗まれたことも話していた。
「スタンド能力はチラッと見ただけでかなり謎が多い能力のようなんですが、『相手の攻撃をそのまま相手に返す』」
トムは見ていないが、単純にその言葉だけの物ではないのだろう。空港のタクシーの中で見たカエルが気になったのも、別に可愛かったからだけではない。
普通、カエルの卵がたった一つで放置されていることもなければ、車の助手席なんて水気どころか暑い場所へある訳がなかった。大きさもテニスボール大と蛇の卵よりも大きい。となれば当然それは何かしらの“普通とは異なるもの”と考えるべきだ。
あれもジョルノのスタンド能力に関わるモノだとしたら、一概に『相手の攻撃をそのまま相手に返す』と思うのは早計である。
「聞かせてもらえますか? 承太郎さんと『ジョルノ・ジョバァーナ』はどんな関係なんですか?」
電話の向こうの承太郎の声が響く。
『彼の『父親』はわたしが殺した。名前は『ディオ・ブランドー』』
電話故に聞き取りにくいその会話に、けれどもトムは肩を揺らした。
スピードワゴン財団の調査で分かったらしい『ディオ・ブランドー』通称『DIO』の子供かも知れない可能性。そしてそれが確かならジョルノが『DIO』の遺伝子を引き継いでいるのか。それが康一をイタリアへ寄越して調べたかった事だと承太郎は言う。
康一へ頼んで電話を代わってもらい、トムは承太郎へ訪ねた。
「承太郎さん。その事は父さんも知ってるんですか?」
『……いや。斑鳩にはまだ話していない』
だろうな、と思う。もし養父のアマネがそれを知っていたのなら、フランスでの仕事などそっちのけでイタリアへ来ていた筈だ。
承太郎は自分がジョルノの父である『DIO』を殺したと言った。その『DIO』はトムがこの世界へ転生する理由を作った男で、アマネの“知人”を殺している。
父の知人を殺した男の息子。
康一へ受話器を返す。
『二人とも、『スタンド能力』を受け継いでいると分かった以上、もう『ジョルノ・ジョバァーナ』には近づかなくていい』
「最後に一つだけ。彼は『敵』なんですか? それとも『味方』なんですか?」
『わたしもそれを知りたい』
『汐華初流乃』がイタリアでは『ジョルノ・ジョバァーナ』と呼ばれていること、髪の毛が黒から金へと変わっていること、そしてスタンド使いであることを康一が承太郎へ告げる。ついでに荷物を盗まれたことも話していた。
「スタンド能力はチラッと見ただけでかなり謎が多い能力のようなんですが、『相手の攻撃をそのまま相手に返す』」
トムは見ていないが、単純にその言葉だけの物ではないのだろう。空港のタクシーの中で見たカエルが気になったのも、別に可愛かったからだけではない。
普通、カエルの卵がたった一つで放置されていることもなければ、車の助手席なんて水気どころか暑い場所へある訳がなかった。大きさもテニスボール大と蛇の卵よりも大きい。となれば当然それは何かしらの“普通とは異なるもの”と考えるべきだ。
あれもジョルノのスタンド能力に関わるモノだとしたら、一概に『相手の攻撃をそのまま相手に返す』と思うのは早計である。
「聞かせてもらえますか? 承太郎さんと『ジョルノ・ジョバァーナ』はどんな関係なんですか?」
電話の向こうの承太郎の声が響く。
『彼の『父親』はわたしが殺した。名前は『ディオ・ブランドー』』
電話故に聞き取りにくいその会話に、けれどもトムは肩を揺らした。
スピードワゴン財団の調査で分かったらしい『ディオ・ブランドー』通称『DIO』の子供かも知れない可能性。そしてそれが確かならジョルノが『DIO』の遺伝子を引き継いでいるのか。それが康一をイタリアへ寄越して調べたかった事だと承太郎は言う。
康一へ頼んで電話を代わってもらい、トムは承太郎へ訪ねた。
「承太郎さん。その事は父さんも知ってるんですか?」
『……いや。斑鳩にはまだ話していない』
だろうな、と思う。もし養父のアマネがそれを知っていたのなら、フランスでの仕事などそっちのけでイタリアへ来ていた筈だ。
承太郎は自分がジョルノの父である『DIO』を殺したと言った。その『DIO』はトムがこの世界へ転生する理由を作った男で、アマネの“知人”を殺している。
父の知人を殺した男の息子。
康一へ受話器を返す。
『二人とも、『スタンド能力』を受け継いでいると分かった以上、もう『ジョルノ・ジョバァーナ』には近づかなくていい』
「最後に一つだけ。彼は『敵』なんですか? それとも『味方』なんですか?」
『わたしもそれを知りたい』