五部
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「でもまぁ、そういう事はあまり口にしちゃいけない事ですしね。この街は治安が良いって事だけ覚えておきましょう」
「ボクの荷物は盗まれたのに?」
「空港入り口付近は他の勢力も入り交じってる可能性も高いですし、イタリア人じゃない犯罪者もいれば自警団が見張りきれない小悪党もいますよ」
町中より空港の方が危ないのはそういうことだ。飛行機から降り立ってまだ警戒心が育っていないというのもある。そういうことを下調べしておらず、かつ油断した康一が悪い。
トムの説明を聞いていたらしいカフェのマスターが感心した様にカウンターへ頬杖を突いた。
「お客さん詳しいですね。どうです? ケーキかサンドイッチでも」
「残念なことにエスプレッソも飲めないくらい急いでるんだ。そうだ、この店って学生も立ち寄る店かな?」
「来ますよ。今だってホラ」
マスターが示した方を振り返れば、学校帰りと思われる女学生達がテラス席へ座っていた男子学生へと絡んでいる。絡んでいるといっても黄色い声で話しかけているだけだが、年頃の頭の軽そうな女性の声は聞くだけでトムは頭が痛かった。
あんな低脳そうな態度で本能へ忠実に、理想の異性を捜そうとする女は苦手だ。トムは理性的かつ知的な女性が好みである。
女学生達が去っていった向こうに、座っていた男子学生の姿が露わになった。こんなところで紙幣を数えていた人物は、捜していた『ジョルノ・ジョバァーナ』である。
「お前はッ!」
「あ」
「何だよ!? それ誰のお金だよっ? 使っちゃってるのか? もう残り少ないみたいじゃないか!」
荷物を盗んだ相手を見つけて康一が激昂していた。まだ盗んだ康一の金かどうかもわかっていないし、興奮するより冷静に話せと思うのだが仕方ないだろう。ジョルノはトム達がここへ現れた事へ驚いていた。
「ぼくのパスポートを返せ! ぼくの荷物はどこだ!」
「本当、心が痛むけど、もう無いんだ。もう売っぱらちゃってさあ。気の毒だけど……だからもう追ってこないで!」
「今度は逃がすもんかッ!」
椅子から立ち上がり、逃げようと背を向けたジョルノに康一がスタンドを出して紙幣を持っていたジョルノの手を重くする。まだ相手がスタンド使いかも分かっておらず、そうでなくとも逃がさない為だけに超能力へ近い存在を使うなとも思ったが、逃がさない為の手段としてはちょうど良かった。
重くなったジョルノの手がテーブルへめり込む。その重さへ耐えきれずにジョルノがテーブルごと倒れた。
「――《ゴールド・エクスペリエンス》!」
「ボクの荷物は盗まれたのに?」
「空港入り口付近は他の勢力も入り交じってる可能性も高いですし、イタリア人じゃない犯罪者もいれば自警団が見張りきれない小悪党もいますよ」
町中より空港の方が危ないのはそういうことだ。飛行機から降り立ってまだ警戒心が育っていないというのもある。そういうことを下調べしておらず、かつ油断した康一が悪い。
トムの説明を聞いていたらしいカフェのマスターが感心した様にカウンターへ頬杖を突いた。
「お客さん詳しいですね。どうです? ケーキかサンドイッチでも」
「残念なことにエスプレッソも飲めないくらい急いでるんだ。そうだ、この店って学生も立ち寄る店かな?」
「来ますよ。今だってホラ」
マスターが示した方を振り返れば、学校帰りと思われる女学生達がテラス席へ座っていた男子学生へと絡んでいる。絡んでいるといっても黄色い声で話しかけているだけだが、年頃の頭の軽そうな女性の声は聞くだけでトムは頭が痛かった。
あんな低脳そうな態度で本能へ忠実に、理想の異性を捜そうとする女は苦手だ。トムは理性的かつ知的な女性が好みである。
女学生達が去っていった向こうに、座っていた男子学生の姿が露わになった。こんなところで紙幣を数えていた人物は、捜していた『ジョルノ・ジョバァーナ』である。
「お前はッ!」
「あ」
「何だよ!? それ誰のお金だよっ? 使っちゃってるのか? もう残り少ないみたいじゃないか!」
荷物を盗んだ相手を見つけて康一が激昂していた。まだ盗んだ康一の金かどうかもわかっていないし、興奮するより冷静に話せと思うのだが仕方ないだろう。ジョルノはトム達がここへ現れた事へ驚いていた。
「ぼくのパスポートを返せ! ぼくの荷物はどこだ!」
「本当、心が痛むけど、もう無いんだ。もう売っぱらちゃってさあ。気の毒だけど……だからもう追ってこないで!」
「今度は逃がすもんかッ!」
椅子から立ち上がり、逃げようと背を向けたジョルノに康一がスタンドを出して紙幣を持っていたジョルノの手を重くする。まだ相手がスタンド使いかも分かっておらず、そうでなくとも逃がさない為だけに超能力へ近い存在を使うなとも思ったが、逃がさない為の手段としてはちょうど良かった。
重くなったジョルノの手がテーブルへめり込む。その重さへ耐えきれずにジョルノがテーブルごと倒れた。
「――《ゴールド・エクスペリエンス》!」