四部
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
成仏、というと俗な表現だが、やっと未練を消化した杉本鈴美が愛犬のアーノルドの魂と一緒に空へ消えていくのを、仗助達スタンド使いが見送った。
彼女は仗助達へ感謝を示す為にギリギリまで振り返っていたから、先導する青い蝶には気付かなかったかも知れない。けれどいくら振り返ったとしても、彼女が無数の手へ引っ張られることはないだろう。
吉良吉影が殺しその身体を爆発して消滅させた行方不明者達は、今後も何の手がかりさえ出てくることはない。犯人は人知れず死んでしまったし、真実を知ることになった者は口を閉ざすことを選んだ。
そのうちの一人であるアマネも、杜王町を後にすることになった。
ビザの関係でジョセフがアメリカへ帰ることになったのである。それに付随して承太郎とアマネも帰ることにしたのだ。
承太郎は元々アメリカを拠点に海洋冒険家として活動している。承太郎の頼みで杜王町へ来たアマネも、副業はこちらへ持ってきてやっていたものの、スピードワゴン財団の仕事はジョースター家の一人である承太郎の補助として動くことで来日していたものだから、承太郎が帰るのならアマネも帰って本部へ報告をしなければならない。
財団から手配された船を待つ。
「結局、貴方を読むことが出来なかったのが心残りだ」
「ふふ、でも億泰君のお父さんのこともあるので、定期的に俺はまた来ますよ」
港へまで車を出してくれた露伴が隣へ並ぶ。早朝の港で、学校へ向かう前の仗助達も見送りに来て別れを惜しんでいた。トムがアマネ達が居なくなることは理解しているらしい億泰の父親が泣いているのを、呆れながら慰めている。
「……貴方は、スタンド使いじゃない。ヨモツリモリヒトなんて思わせぶりな事を言うから変に考えを巡らせてしまった」
潮風が冷たい。
「俺はスタンド使いだって言ったこと、ありませんよ」
「それだ。それなのに承太郎さんと一緒にいるから騙された! そんな気になる謎を残して去っていく貴方が憎い!」
「すみません」
「だが嫌いではない。是非またこの町へ来てくれ」
ジョセフや承太郎との挨拶を終えたのか仗助がこちらへ向かって歩いてくる。
「彼女が誇りに思っていた町だ」
露伴がアマネへ背を向けて康一達の元へと歩いていく。途中で仗助とすれ違うが言葉を交わすでもなく、すれ違った仗助の方が不思議そうにその姿を振り返っていた。
前を向いてアマネと目が合うと仗助が軽く手を挙げて笑う。アマネもストールを肩へ引き上げて笑い返した。
彼女は仗助達へ感謝を示す為にギリギリまで振り返っていたから、先導する青い蝶には気付かなかったかも知れない。けれどいくら振り返ったとしても、彼女が無数の手へ引っ張られることはないだろう。
吉良吉影が殺しその身体を爆発して消滅させた行方不明者達は、今後も何の手がかりさえ出てくることはない。犯人は人知れず死んでしまったし、真実を知ることになった者は口を閉ざすことを選んだ。
そのうちの一人であるアマネも、杜王町を後にすることになった。
ビザの関係でジョセフがアメリカへ帰ることになったのである。それに付随して承太郎とアマネも帰ることにしたのだ。
承太郎は元々アメリカを拠点に海洋冒険家として活動している。承太郎の頼みで杜王町へ来たアマネも、副業はこちらへ持ってきてやっていたものの、スピードワゴン財団の仕事はジョースター家の一人である承太郎の補助として動くことで来日していたものだから、承太郎が帰るのならアマネも帰って本部へ報告をしなければならない。
財団から手配された船を待つ。
「結局、貴方を読むことが出来なかったのが心残りだ」
「ふふ、でも億泰君のお父さんのこともあるので、定期的に俺はまた来ますよ」
港へまで車を出してくれた露伴が隣へ並ぶ。早朝の港で、学校へ向かう前の仗助達も見送りに来て別れを惜しんでいた。トムがアマネ達が居なくなることは理解しているらしい億泰の父親が泣いているのを、呆れながら慰めている。
「……貴方は、スタンド使いじゃない。ヨモツリモリヒトなんて思わせぶりな事を言うから変に考えを巡らせてしまった」
潮風が冷たい。
「俺はスタンド使いだって言ったこと、ありませんよ」
「それだ。それなのに承太郎さんと一緒にいるから騙された! そんな気になる謎を残して去っていく貴方が憎い!」
「すみません」
「だが嫌いではない。是非またこの町へ来てくれ」
ジョセフや承太郎との挨拶を終えたのか仗助がこちらへ向かって歩いてくる。
「彼女が誇りに思っていた町だ」
露伴がアマネへ背を向けて康一達の元へと歩いていく。途中で仗助とすれ違うが言葉を交わすでもなく、すれ違った仗助の方が不思議そうにその姿を振り返っていた。
前を向いてアマネと目が合うと仗助が軽く手を挙げて笑う。アマネもストールを肩へ引き上げて笑い返した。