四部
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救急車や消防車が来たことで野次馬の多かった現場では、応急処置的に仗助の腹部と脚へ刺さった木片を抜いてやることしか出来なかった。周囲に騒がられない様に霧の炎で辺り一帯に幻覚を掛け、同時に『虹色の光』を使うのはその前に『拒絶』の応用をしていたこともあって体力の限界だったのである。
露伴の車で仗助の家へと向かい、そこで仗助の治療を再開した。家の中までアマネは承太郎へ運んで貰ったのだが、姫抱きだったことは何となく解せない。確かに身体の前側を負傷していたのでおんぶは無理だっただろうが。
ソファの上で服を脱いでもらい、仗助の背中や顔の怪我を治していく。その間に仗助は破けた服をクレイジーダイヤモンドで直していた。
承太郎はホテルへ電話をしに行っている。吉良吉影が死んだことをトムやジョセフへ伝える為だ。
露伴は康一と共に川尻早人を送り届けに行った。億泰は吉良吉影が持っていた通称『猫草』というスタンド使いでもある謎の草を家へと置きに行っている。
手に灯した晴の炎を背中の傷へ押しつけながら仗助の背中を眺めた。今回の件とは関係なくとも、きっと今までに付いたのだろう傷跡がいくつも残っている。
彼は自分の傷は治せない。なのに傷付いても構わないとばかりに立ち向かっていく。殺されてしまった祖父を尊敬しているから、殺されてしまった友達の敵討ちの為に。それ以外にも、もしかしたら他人にとっては些細すぎるとも思われそうな理由で。思いで。
「……ッ、アマネさん?」
額を押しつけたからか驚いて仗助が振り返る。
アマネと違って若いのに広い背中だ。承太郎も体格が良いし、ジョースター家の血なのだろう。
「傷跡、残らなくていいよなぁ」
「え、……どっちでもいいっすよ」
「せっかく綺麗な肌だしぃ」
「男に綺麗な肌って」
「ありがとう」
ひくり、と肩が揺れる。
「謝るのは、君が怒りそうだから止めるなぁ。ありがとう。あの時逃げてくれて」
億泰を助けることは出来ても、意識はまだ戻らなかった時のこと。爆発を自分の身で押さえ込んだアマネに仗助は助けの手を伸ばさず、アマネがそうして欲しいと願った通りに逃げた。
けれどもそれは、仗助の性格を思えば断腸の思いだっだだろう。
辛い決断をさせた。痛い思いをさせた。
「……アマネさん。オレ、生きてますよ」
「……うん」
「アマネさんの同級生の人とは違いますけど、ちゃんと生きてます」
「うん」
「だから、その、なんて言えばいいんスかね」
アマネが押しつけていた額を離させて仗助が振り返る。支えるようにか掴まれた両肩がわずかに痛い。
「アマネさんがいて良かったです。オレ」
露伴の車で仗助の家へと向かい、そこで仗助の治療を再開した。家の中までアマネは承太郎へ運んで貰ったのだが、姫抱きだったことは何となく解せない。確かに身体の前側を負傷していたのでおんぶは無理だっただろうが。
ソファの上で服を脱いでもらい、仗助の背中や顔の怪我を治していく。その間に仗助は破けた服をクレイジーダイヤモンドで直していた。
承太郎はホテルへ電話をしに行っている。吉良吉影が死んだことをトムやジョセフへ伝える為だ。
露伴は康一と共に川尻早人を送り届けに行った。億泰は吉良吉影が持っていた通称『猫草』というスタンド使いでもある謎の草を家へと置きに行っている。
手に灯した晴の炎を背中の傷へ押しつけながら仗助の背中を眺めた。今回の件とは関係なくとも、きっと今までに付いたのだろう傷跡がいくつも残っている。
彼は自分の傷は治せない。なのに傷付いても構わないとばかりに立ち向かっていく。殺されてしまった祖父を尊敬しているから、殺されてしまった友達の敵討ちの為に。それ以外にも、もしかしたら他人にとっては些細すぎるとも思われそうな理由で。思いで。
「……ッ、アマネさん?」
額を押しつけたからか驚いて仗助が振り返る。
アマネと違って若いのに広い背中だ。承太郎も体格が良いし、ジョースター家の血なのだろう。
「傷跡、残らなくていいよなぁ」
「え、……どっちでもいいっすよ」
「せっかく綺麗な肌だしぃ」
「男に綺麗な肌って」
「ありがとう」
ひくり、と肩が揺れる。
「謝るのは、君が怒りそうだから止めるなぁ。ありがとう。あの時逃げてくれて」
億泰を助けることは出来ても、意識はまだ戻らなかった時のこと。爆発を自分の身で押さえ込んだアマネに仗助は助けの手を伸ばさず、アマネがそうして欲しいと願った通りに逃げた。
けれどもそれは、仗助の性格を思えば断腸の思いだっだだろう。
辛い決断をさせた。痛い思いをさせた。
「……アマネさん。オレ、生きてますよ」
「……うん」
「アマネさんの同級生の人とは違いますけど、ちゃんと生きてます」
「うん」
「だから、その、なんて言えばいいんスかね」
アマネが押しつけていた額を離させて仗助が振り返る。支えるようにか掴まれた両肩がわずかに痛い。
「アマネさんがいて良かったです。オレ」