四部
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ホテルへ戻ると承太郎はまだ戻ってきていないようだった。確か病院に負傷したスタンド使いを追いかけていったのだったなと仗助の話を思い出して、肩に掛けていたストールをソファへ放る。
旅費の節約と情報伝達の便利さを考えて同室になったものの、流石世界的不動産王や世界的音楽家の血筋というべきか、承太郎がとっていた部屋は広すぎた。多分このホテルでも最上級の部屋だろう。
ただの調査でそんな高級な部屋をとってどうするのかと思わなくもない。承太郎はともかくアマネは一般人である。
珈琲を淹れてソファへ腰を下ろし一息吐いた。杜王町へ来てからずっと能力を使う日々が続いていて、他にもスタンド使いへ警戒しなければならないと気が休まる暇がない。
ただでさえ『ペルソナの能力』と誤魔化しているのだ。スタンドも見えず、しかしスタンド能力に似た何かが出来ることは無為に晒せない。
承太郎以外には。
廊下に繋がるドアが開く。
「もう帰っていたのか」
「仗助君の怪我を治させたかったら、もうちょっと単刀直入に言えぇ」
「彼は自分の怪我は治せない」
「お陰でスタンド使いかって疑われた」
「それは、悪かったな」
「スタンド使いだと疑われるのはいい。でもスタンド使い“とは違う”って悟られたら困る」
部屋へ戻ってきても帽子を取らない男は、アマネを一瞥すると肩をすくめるだけだった。もう耳タコな会話だろうとアマネは気にしない。
きっとこれからも続けるだろう。
自分で珈琲を淹れてアマネの向かいへ座った承太郎に、ソファの背もたれへ放置していたストールを引き寄せて膝へ掛ける。
「この町へいるスタンド使いについての調査結果だけど、どうにも億泰君のお兄さんは手当たり次第『弓と矢』を撃ったんだろうなぁ。この町には戦闘に向き不向きに関わらずスタンド使いが多い」
「父親を救うのに必死だったんだろう」
「一部はそのスタンド能力を個々の希望へ有効活用して何ら問題の無ぇ日常生活を送ってる。一応確認出来た奴は危険度を三段階へ分けてリストアップはしておいたが、億泰君のお兄さんを殺したスタンド使いはまだ見つけてねぇ」
億泰の父親を治す為の作業の合間にそれだけ調べたのだから、正直なところボーナスをもらっても許されるくらいだ。とはいえこの町にはまだアマネの知らないスタンド使いがいる。
「一応財団本部へ報告はするけど、お前が困る記述が無ぇかだけ確認しておけぇ」
「……お前は、『矢』に貫かれたいと思うか?」
温くなった珈琲へ口を付けたところで聞かれ、アマネはカップをテーブルへ戻して承太郎を見た。
「空条は、俺に何人背後霊を背負わせるつもりだぁ?」
旅費の節約と情報伝達の便利さを考えて同室になったものの、流石世界的不動産王や世界的音楽家の血筋というべきか、承太郎がとっていた部屋は広すぎた。多分このホテルでも最上級の部屋だろう。
ただの調査でそんな高級な部屋をとってどうするのかと思わなくもない。承太郎はともかくアマネは一般人である。
珈琲を淹れてソファへ腰を下ろし一息吐いた。杜王町へ来てからずっと能力を使う日々が続いていて、他にもスタンド使いへ警戒しなければならないと気が休まる暇がない。
ただでさえ『ペルソナの能力』と誤魔化しているのだ。スタンドも見えず、しかしスタンド能力に似た何かが出来ることは無為に晒せない。
承太郎以外には。
廊下に繋がるドアが開く。
「もう帰っていたのか」
「仗助君の怪我を治させたかったら、もうちょっと単刀直入に言えぇ」
「彼は自分の怪我は治せない」
「お陰でスタンド使いかって疑われた」
「それは、悪かったな」
「スタンド使いだと疑われるのはいい。でもスタンド使い“とは違う”って悟られたら困る」
部屋へ戻ってきても帽子を取らない男は、アマネを一瞥すると肩をすくめるだけだった。もう耳タコな会話だろうとアマネは気にしない。
きっとこれからも続けるだろう。
自分で珈琲を淹れてアマネの向かいへ座った承太郎に、ソファの背もたれへ放置していたストールを引き寄せて膝へ掛ける。
「この町へいるスタンド使いについての調査結果だけど、どうにも億泰君のお兄さんは手当たり次第『弓と矢』を撃ったんだろうなぁ。この町には戦闘に向き不向きに関わらずスタンド使いが多い」
「父親を救うのに必死だったんだろう」
「一部はそのスタンド能力を個々の希望へ有効活用して何ら問題の無ぇ日常生活を送ってる。一応確認出来た奴は危険度を三段階へ分けてリストアップはしておいたが、億泰君のお兄さんを殺したスタンド使いはまだ見つけてねぇ」
億泰の父親を治す為の作業の合間にそれだけ調べたのだから、正直なところボーナスをもらっても許されるくらいだ。とはいえこの町にはまだアマネの知らないスタンド使いがいる。
「一応財団本部へ報告はするけど、お前が困る記述が無ぇかだけ確認しておけぇ」
「……お前は、『矢』に貫かれたいと思うか?」
温くなった珈琲へ口を付けたところで聞かれ、アマネはカップをテーブルへ戻して承太郎を見た。
「空条は、俺に何人背後霊を背負わせるつもりだぁ?」