四部
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「その人を『キラ』へ近付けさせちゃ駄目だァー!」
早人が叫ぶ。だが時既に遅く、瀕死の吉良吉影の手が女性消防団員の手を掴んでいた。
「『人質』なんて生っちょろいもんじゃあない。今まで説明するヒマが無かったけれど、アイツには隠された『能力』があるんだ!」
「……隠された能力なら」
「『バイツァ・ダスト』っていう時間を吹っ飛ばす『能力』なんだ――ッ!」
アマネの言葉が無碍無く遮られる。そうしている間にも吉良吉影は女性消防団員の手を握っていた
「あいつがとことん絶望した状況に発動できる、時間を一時間ほどだけ戻す『爆弾』なんだ!」
吉良吉影が恍惚の表情で女性の手へ頬ずりし、負傷者とはいえ変な男へ手を掴まれてしまったと思っていそうな女性へ話しかける。
「私の名前は『吉良吉影』……。今まで四十八人の手の綺麗な女性を殺しました。あなただけだッ! 私の『正体』を知る者はあなただけになる!」
発動条件が揃った。吉良吉影の絶望的状況。スタンド使いではない無力な人間。女性にだけ知らされた正体。
《バイツァ・ダイト》の発動を止めようと皆が一斉に走り出した。キラークイーンにスイッチを押させるなと仗助が叫んでいる。
承太郎のスタープラチナによる時を止める能力も、射程範囲ではないので届かない。仗助のクレイジーダイヤモンドもしかり。そもそも仗助が殆ど走れてすらいない。
スイッチを入れられてしまえば終わる。あれだけ仗助が負わせた深手も記憶も全てが元通りになってしまう。
アマネは。
アマネは、承太郎と康一の背中を押した。
二人が一瞬で『転移』して吉良吉影の目前へと迫る。
康一がスタンドのエコーズを発動させ、キラークイーンのスイッチでもある右手を重くして動けなくさせた。
「《スタープラチナ・ザ・ワールド》!」
承太郎が叫ぶと同時に、吉良吉影の身体が更に酷く打撃を受けたように吹き飛んでいく。落ちた先は後退している最中の救急車の真後ろで、時を止めた承太郎以外にとっては瞬間移動した様な移動に、一般人である消防隊員がブレーキを踏む余裕もなく、吉良吉影を曳き殺した。
先程まで吉良吉影に手を握られていた女性隊員が悲鳴を上げる。周りの消防隊員や救急隊員が一気に爆発のあった家からこちらの騒ぎへと駆けつけてきた。
消防活動の最中に人を引いてしまったかもしれないという騒動に、隊員達が慌ててアマネ達を囲いテープの外へ追い出そうとしてくる。仗助とアマネの血だらけな格好へ気付いた隊員が声を掛けてきたが、それは気にせず囲いの外から吉良吉影の周囲へ集まった隊員達の会話を聞く。
「だめです、死亡してます。即死です」
早人が叫ぶ。だが時既に遅く、瀕死の吉良吉影の手が女性消防団員の手を掴んでいた。
「『人質』なんて生っちょろいもんじゃあない。今まで説明するヒマが無かったけれど、アイツには隠された『能力』があるんだ!」
「……隠された能力なら」
「『バイツァ・ダスト』っていう時間を吹っ飛ばす『能力』なんだ――ッ!」
アマネの言葉が無碍無く遮られる。そうしている間にも吉良吉影は女性消防団員の手を握っていた
「あいつがとことん絶望した状況に発動できる、時間を一時間ほどだけ戻す『爆弾』なんだ!」
吉良吉影が恍惚の表情で女性の手へ頬ずりし、負傷者とはいえ変な男へ手を掴まれてしまったと思っていそうな女性へ話しかける。
「私の名前は『吉良吉影』……。今まで四十八人の手の綺麗な女性を殺しました。あなただけだッ! 私の『正体』を知る者はあなただけになる!」
発動条件が揃った。吉良吉影の絶望的状況。スタンド使いではない無力な人間。女性にだけ知らされた正体。
《バイツァ・ダイト》の発動を止めようと皆が一斉に走り出した。キラークイーンにスイッチを押させるなと仗助が叫んでいる。
承太郎のスタープラチナによる時を止める能力も、射程範囲ではないので届かない。仗助のクレイジーダイヤモンドもしかり。そもそも仗助が殆ど走れてすらいない。
スイッチを入れられてしまえば終わる。あれだけ仗助が負わせた深手も記憶も全てが元通りになってしまう。
アマネは。
アマネは、承太郎と康一の背中を押した。
二人が一瞬で『転移』して吉良吉影の目前へと迫る。
康一がスタンドのエコーズを発動させ、キラークイーンのスイッチでもある右手を重くして動けなくさせた。
「《スタープラチナ・ザ・ワールド》!」
承太郎が叫ぶと同時に、吉良吉影の身体が更に酷く打撃を受けたように吹き飛んでいく。落ちた先は後退している最中の救急車の真後ろで、時を止めた承太郎以外にとっては瞬間移動した様な移動に、一般人である消防隊員がブレーキを踏む余裕もなく、吉良吉影を曳き殺した。
先程まで吉良吉影に手を握られていた女性隊員が悲鳴を上げる。周りの消防隊員や救急隊員が一気に爆発のあった家からこちらの騒ぎへと駆けつけてきた。
消防活動の最中に人を引いてしまったかもしれないという騒動に、隊員達が慌ててアマネ達を囲いテープの外へ追い出そうとしてくる。仗助とアマネの血だらけな格好へ気付いた隊員が声を掛けてきたが、それは気にせず囲いの外から吉良吉影の周囲へ集まった隊員達の会話を聞く。
「だめです、死亡してます。即死です」