四部
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そう長い時間地面の下へ潜り込んでいた様には思えなかったが、仗助達が逃げ込んだ家が爆破されていた。その門のところでは背中から血を流して座り込んでいる吉良吉影の姿がある。
正直戦える程度にまではアマネも自身を回復させなかった。頭痛が酷くてそこまで治せる余裕がなかったというのもあるし、何が起きるのか分からない以上、余力も残しておきたかったのだ。
爆破の起きた家の中へ仗助達はいるのか。よろけながらも壁へ手を突いて何かへ気付いた吉良吉影がその門の向こうを覗き込んだ。
アマネも行かねばならない。立ち上がろうとしたが慣れない“拒絶”の余韻で目眩がした。
地面の水たまりへ手を突く。
「――斑鳩?」
声がして、振り返れば承太郎が康一と露伴と一緒にこちらへ向かって歩いてくるところで。
最初から通りの向こうにいたのだ。強い雨の音にかき消されて彼らに声が届かず気付いてもらえなかっただけで。
けれどもその雨は止んでいた。おそらくアマネが地面へ潜っていた間にしたであろう、一軒家の爆発音も今度こそは承太郎達へ届いたのだ。
だから彼らは音を気にしてこちらへ来た。
座り込んでいる血だらけのアマネを見て、承太郎達が駆け寄ってくる。
「お前ホテルで休んでたんじゃねえのか」
「……く、じょぅ」
そうしてアマネを支えてくれるのに、アマネは手を借りながらも吉良吉影と仗助達のいる民家を指差した。響きわたったのだろう爆発音に近隣住民がそれぞれ家から出てくる。
ボロボロの吉良吉影がこちらを振り返っていた。その向こうには更にボロボロな格好の仗助と、意識が戻ったのか億泰と早人がいる。
仗助など自分で自分の傷は治せないというのに、腹部にも足にも木片が突き刺さってしまっていた。ただの爆発ではなく周囲の物を巻き込んでのそれに飛んできた物が刺さったか。やはり余力を残しておいてよかったと思う。
「お前に味方する『運命』なんて、お前が乗れるかどうかの『チャンス』なんて――今! ここにある『正義の心』に比べればちっぽけな力なんだッ!」
早人が吉良吉影へ向けて叫んでいる。消防車のサイレン。
承太郎と露伴の手を借りて立ち上がった。
「確実にここにある! 今、確かにここにある『心』に比べればなッ!」
生き進むことを選んだ心が。
ズルズルと足を引きずりながら吉良吉影が逃げようとする。けれども前には仗助達、後ろにはアマネを含めた承太郎達が立ち塞がっていて、その他の逃げ道も消防車や近隣住民の野次馬か塞いでいく。
足を滑らせた吉良吉影が転ぶのに、何も知らない女性消防団員が近付いていった。
正直戦える程度にまではアマネも自身を回復させなかった。頭痛が酷くてそこまで治せる余裕がなかったというのもあるし、何が起きるのか分からない以上、余力も残しておきたかったのだ。
爆破の起きた家の中へ仗助達はいるのか。よろけながらも壁へ手を突いて何かへ気付いた吉良吉影がその門の向こうを覗き込んだ。
アマネも行かねばならない。立ち上がろうとしたが慣れない“拒絶”の余韻で目眩がした。
地面の水たまりへ手を突く。
「――斑鳩?」
声がして、振り返れば承太郎が康一と露伴と一緒にこちらへ向かって歩いてくるところで。
最初から通りの向こうにいたのだ。強い雨の音にかき消されて彼らに声が届かず気付いてもらえなかっただけで。
けれどもその雨は止んでいた。おそらくアマネが地面へ潜っていた間にしたであろう、一軒家の爆発音も今度こそは承太郎達へ届いたのだ。
だから彼らは音を気にしてこちらへ来た。
座り込んでいる血だらけのアマネを見て、承太郎達が駆け寄ってくる。
「お前ホテルで休んでたんじゃねえのか」
「……く、じょぅ」
そうしてアマネを支えてくれるのに、アマネは手を借りながらも吉良吉影と仗助達のいる民家を指差した。響きわたったのだろう爆発音に近隣住民がそれぞれ家から出てくる。
ボロボロの吉良吉影がこちらを振り返っていた。その向こうには更にボロボロな格好の仗助と、意識が戻ったのか億泰と早人がいる。
仗助など自分で自分の傷は治せないというのに、腹部にも足にも木片が突き刺さってしまっていた。ただの爆発ではなく周囲の物を巻き込んでのそれに飛んできた物が刺さったか。やはり余力を残しておいてよかったと思う。
「お前に味方する『運命』なんて、お前が乗れるかどうかの『チャンス』なんて――今! ここにある『正義の心』に比べればちっぽけな力なんだッ!」
早人が吉良吉影へ向けて叫んでいる。消防車のサイレン。
承太郎と露伴の手を借りて立ち上がった。
「確実にここにある! 今、確かにここにある『心』に比べればなッ!」
生き進むことを選んだ心が。
ズルズルと足を引きずりながら吉良吉影が逃げようとする。けれども前には仗助達、後ろにはアマネを含めた承太郎達が立ち塞がっていて、その他の逃げ道も消防車や近隣住民の野次馬か塞いでいく。
足を滑らせた吉良吉影が転ぶのに、何も知らない女性消防団員が近付いていった。