四部
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億泰へ触れた右手が爆発する。走った激痛に歯を食いしばっても、自分の右手が吹き飛ぶという視覚的効果にはやはり目に余るものがあった。
「アマネさん!」
「億泰君を治せぇ!」
仗助が億泰を治す。それからアマネの右手を治してくれた仗助に、意識のない億泰を担ぎ上げる間にアマネは吉良吉影へと向き直った。
怪我は治ったとしてもそれは外傷的なものだけで、億泰の意識まで戻すと言うことは出来ない。身体の一部をえぐられたことと出血多量で一度は止まりかけたであろう心臓が正常へ戻るまでにも時間はかかる。
その間、アマネと仗助が億泰と早人を守らなければならない。
仗助に治してもらったアマネの右手を見て、吉良吉影が不可解だとばかりに首を傾げる。
「おかしい。さっきのは右手だけではなく全身が爆破してもおかしくなはない爆発だった筈だ。何故右手だけで済んだ? まさか瞬間的に右手以外を転移させたという訳でもないだろう?」
その言葉から、どうやら吉良吉影は他の者達と同じ『勘違い』をしているのだと悟った。
アマネは自分からスタンド使いだと名乗ったことはない。同時に転移以外の能力も使っているが、その前後には何かしら空間転移を連想させる発言をしていた。
例外は承太郎と仗助だ。それ以外の場所でアマネを見ていたのなら、アマネを『転移能力のスタンド使い』だと誤認識しているのは正しい。
正しい、が、それすら間違っている。
「……まぁ、貴様へ効かないのなら、他の手を試すだけだ。そうだろう?」
背後へ億泰を担いだ仗助と早人を庇っているので、吉良吉影が攻撃するとしたら先にアマネだ。アマネにスタンドは見えない。けれどもアマネ自身へ向かってくる攻撃なら“拒絶”でかわせるので問題はないだろう。
問題と気になるのは吉良吉影の他の手を試すだけだという言葉。
じり、と足を動かした直後、すぐ耳の脇を何かがすり抜ける。それに後ろを振り返ったところで、アマネと仗助達との間にシャボン玉のようでもっと透明な空気の弾が見えた。
吉良吉影は自身のスタンドの爆発させるタイミングを選べる。だからアマネへ当たらないのならそのまま仗助達を狙えばよいと考えたのか。
「仗す――」
手を伸ばす。空気の弾が破裂しようとする。億泰を担いでいる分仗助は素早く動けない。空気弾を違う場所へ転移させればいいとい考えることは出来たのに、それを行動へ移す前に身体が動いていた。
ネズミの狩りを行なった時と同じだ。あの時は承太郎がいたから“拒絶”出来なかった。今はいない。けれども仗助達がいる。
壁になるしか、ない。
「アマネさん!」
「億泰君を治せぇ!」
仗助が億泰を治す。それからアマネの右手を治してくれた仗助に、意識のない億泰を担ぎ上げる間にアマネは吉良吉影へと向き直った。
怪我は治ったとしてもそれは外傷的なものだけで、億泰の意識まで戻すと言うことは出来ない。身体の一部をえぐられたことと出血多量で一度は止まりかけたであろう心臓が正常へ戻るまでにも時間はかかる。
その間、アマネと仗助が億泰と早人を守らなければならない。
仗助に治してもらったアマネの右手を見て、吉良吉影が不可解だとばかりに首を傾げる。
「おかしい。さっきのは右手だけではなく全身が爆破してもおかしくなはない爆発だった筈だ。何故右手だけで済んだ? まさか瞬間的に右手以外を転移させたという訳でもないだろう?」
その言葉から、どうやら吉良吉影は他の者達と同じ『勘違い』をしているのだと悟った。
アマネは自分からスタンド使いだと名乗ったことはない。同時に転移以外の能力も使っているが、その前後には何かしら空間転移を連想させる発言をしていた。
例外は承太郎と仗助だ。それ以外の場所でアマネを見ていたのなら、アマネを『転移能力のスタンド使い』だと誤認識しているのは正しい。
正しい、が、それすら間違っている。
「……まぁ、貴様へ効かないのなら、他の手を試すだけだ。そうだろう?」
背後へ億泰を担いだ仗助と早人を庇っているので、吉良吉影が攻撃するとしたら先にアマネだ。アマネにスタンドは見えない。けれどもアマネ自身へ向かってくる攻撃なら“拒絶”でかわせるので問題はないだろう。
問題と気になるのは吉良吉影の他の手を試すだけだという言葉。
じり、と足を動かした直後、すぐ耳の脇を何かがすり抜ける。それに後ろを振り返ったところで、アマネと仗助達との間にシャボン玉のようでもっと透明な空気の弾が見えた。
吉良吉影は自身のスタンドの爆発させるタイミングを選べる。だからアマネへ当たらないのならそのまま仗助達を狙えばよいと考えたのか。
「仗す――」
手を伸ばす。空気の弾が破裂しようとする。億泰を担いでいる分仗助は素早く動けない。空気弾を違う場所へ転移させればいいとい考えることは出来たのに、それを行動へ移す前に身体が動いていた。
ネズミの狩りを行なった時と同じだ。あの時は承太郎がいたから“拒絶”出来なかった。今はいない。けれども仗助達がいる。
壁になるしか、ない。