四部
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川尻早人を背後へ庇う。アマネはスタンド使いではないので吉良吉影がスタンドを使い始めたら正直足手まといにしかなれない。薄ぼんやりしか見えない奴が前へ出過ぎても無謀なだけだ。
仗助と億泰が前へと出る。本来アマネが守らねばならないのに不甲斐ない。
承太郎と露伴達が予定していた待ち合わせ場所は、通りに出れば見えるすぐそこだ。アマネは本来承太郎と一緒にその待ち合わせ場所へ向かう予定だったが、朝に倒れた事で今日は休めと言われてホテルで待機、という予定だった。
その予定故に川尻早人が経験したであろう繰り返された時間の中へアマネは居なかったと思われる。だがその繰り返される時間が巻き戻されたことで行なわれた『世界の書き換え』にアマネが気付き、気付いたことでここへ来る事が出来たのだ。
つまり承太郎は、アマネがホテルで寝込んでいると思っている。
「空条がここに気付いてくれりゃ状況はもっと好転するんだけどなぁ」
「空条……承太郎さん?」
早人が小声で訪ねてくるのに、この子は繰り返した時間の中で露伴や承太郎が死ぬとこを見たのだと思い出した。だから名前を知っているのだろう。
ここは仗助と億泰へ任せ、承太郎達の元へ知らせに走るべきか。その場合早人も連れて行くべきか。吉良吉影が吹っ飛ぶ。
雨が強い。音がかき消される。行くなら今だと通りの方へ踵を返そうとした瞬間、億泰のわき腹がえぐれた。
「さ……『触られて』ねえ……お、おれは触られてねえ……」
億泰がのけぞり、倒れていく。
「億泰ッ!」
えぐれた腹部。植え込みへ億泰が倒れてる。
周囲へ飛び散った血が、水たまりと混ざり合って薄く広がっていく。
血の赤が。足下でビチャリと音を立てる水が。広まっていくそれらが。
服に付いた血が。倒れている人間の身体が。雨の音が叫ぶ声が子供が青年が男が血が雨が水が子供が声が血が雨が水が青年が血が男が水が。
「――ッ」
「アマネサン!」
背後で押しのけた青年の声がする。壁へ寄りかかっていた男が気付く。にそりと笑うそれにしかし振りかぶった拳は気にせず男を殴る。
よろけた男が植え込みの方へとふらついていく。後ろで青年が叫んでいるが脳が理解しない。するつもりがない。
すぐ耳の脇で爆発が起こった。けれどもアマネへ傷が付くことはない。何かがすり抜ける。男が驚いたようにアマネを見た。その顔を殴る。
殴るのは苦手だ。けれども殴るのは一番の攻撃方法だ。
すぐ傍で何かが爆発する。殴る。もう一度殴ろうとして、声が聞こえた。
「殴っちゃダメだァ!」
仗助と億泰が前へと出る。本来アマネが守らねばならないのに不甲斐ない。
承太郎と露伴達が予定していた待ち合わせ場所は、通りに出れば見えるすぐそこだ。アマネは本来承太郎と一緒にその待ち合わせ場所へ向かう予定だったが、朝に倒れた事で今日は休めと言われてホテルで待機、という予定だった。
その予定故に川尻早人が経験したであろう繰り返された時間の中へアマネは居なかったと思われる。だがその繰り返される時間が巻き戻されたことで行なわれた『世界の書き換え』にアマネが気付き、気付いたことでここへ来る事が出来たのだ。
つまり承太郎は、アマネがホテルで寝込んでいると思っている。
「空条がここに気付いてくれりゃ状況はもっと好転するんだけどなぁ」
「空条……承太郎さん?」
早人が小声で訪ねてくるのに、この子は繰り返した時間の中で露伴や承太郎が死ぬとこを見たのだと思い出した。だから名前を知っているのだろう。
ここは仗助と億泰へ任せ、承太郎達の元へ知らせに走るべきか。その場合早人も連れて行くべきか。吉良吉影が吹っ飛ぶ。
雨が強い。音がかき消される。行くなら今だと通りの方へ踵を返そうとした瞬間、億泰のわき腹がえぐれた。
「さ……『触られて』ねえ……お、おれは触られてねえ……」
億泰がのけぞり、倒れていく。
「億泰ッ!」
えぐれた腹部。植え込みへ億泰が倒れてる。
周囲へ飛び散った血が、水たまりと混ざり合って薄く広がっていく。
血の赤が。足下でビチャリと音を立てる水が。広まっていくそれらが。
服に付いた血が。倒れている人間の身体が。雨の音が叫ぶ声が子供が青年が男が血が雨が水が子供が声が血が雨が水が青年が血が男が水が。
「――ッ」
「アマネサン!」
背後で押しのけた青年の声がする。壁へ寄りかかっていた男が気付く。にそりと笑うそれにしかし振りかぶった拳は気にせず男を殴る。
よろけた男が植え込みの方へとふらついていく。後ろで青年が叫んでいるが脳が理解しない。するつもりがない。
すぐ耳の脇で爆発が起こった。けれどもアマネへ傷が付くことはない。何かがすり抜ける。男が驚いたようにアマネを見た。その顔を殴る。
殴るのは苦手だ。けれども殴るのは一番の攻撃方法だ。
すぐ傍で何かが爆発する。殴る。もう一度殴ろうとして、声が聞こえた。
「殴っちゃダメだァ!」