四部
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仗助視点
「戻れ『キラークイーン』!」
露伴達と合流して川尻早人へ話を聞きにいく予定だった日。電話音で遅刻を回避して億泰と待ち合わせ場所へ向かう途中、降り出した雨に足を早めて向かった先で仗助が見つけたのはアマネだった。
いつもの様にストールを肩へ羽織ってはおらず髪も一つに縛っている。降り始めた雨に傘を差すこともせず、アマネは今日会う予定だった川尻早人を片手で抱き上げ、その父親である川尻浩作を殴ろうとしていた。
殴ることは出来ていなかったのだ。アマネの拳を吉良吉影のスタンドであったキラークイーンがくい止めていたから。
キラークイーンに守られていた川尻浩作が目を見開いて仗助を見る。それに合わせてキラークイーンも仗助を見た。
「どうやら確定したね? 吉良吉影」
アマネの声に仗助は悟る。『こいつが吉良吉影』だ。
無関係な相手にアマネが暴力を振るうとは思わない。何の根拠もなしにアマネがそう言うとも思えなかった。
機嫌悪そうに顔を歪めた吉良吉影が動く。キラークイーンと競り合いを行なっていたアマネが後ろへと跳び退けた。距離をとったことと仗助達という味方が来たからかアマネが抱き上げていた早人を降ろすと、早人が急いですぐ横の道路へと駆けていく。
「――やった! 間に合った! 『運命』に勝った!」
何が間に合って何の運命に勝ったのか知らないが、おそらくそれは仗助達へ味方したものだろう。でなければアマネはきっとここへいない。
「この『川尻浩作』が『吉良吉影』とはよォー! いきなり出会うとは大当たりだぜッ!」
「億泰君。これは偶然じゃねぇよ。大嫌いな言葉だけど『運命』だぁ」
びしょ濡れの髪を背中へ流してアマネが笑う。その口の端へ血のようなものが付いているように見えたが、本人は気にしていないようだった。
予定では露伴達と合流して話を聞きに行くのだったが、ここで吉良吉影と出会ったのが『運命』というのなら仕方がない。
ここでヤツを倒す。
「『川尻浩作』となって別にお前達から逃げていた訳ではない。お前等を始末しようと思えばいつでも殺すことはできた。やらなかったのは単に私が『闘い』の嫌いな性格だったからだ。『闘争』は私が目指す『平穏な人生』とは相反しているから嫌いだ。……一つの『闘い』に勝利することは簡単だ。だが次の『闘い』の為にストレスが溜まる。愚かな行為だ」
「実際にやりもしねぇうちは好き勝手言えるよなぁ。『始末しようと思えばいつでも殺すことはできた』? ふん」
アマネが早人を背後へ庇いながら悠然と構えた。
「やらねぇ負け犬の戯言は聞いてらんねぇよ」
「戻れ『キラークイーン』!」
露伴達と合流して川尻早人へ話を聞きにいく予定だった日。電話音で遅刻を回避して億泰と待ち合わせ場所へ向かう途中、降り出した雨に足を早めて向かった先で仗助が見つけたのはアマネだった。
いつもの様にストールを肩へ羽織ってはおらず髪も一つに縛っている。降り始めた雨に傘を差すこともせず、アマネは今日会う予定だった川尻早人を片手で抱き上げ、その父親である川尻浩作を殴ろうとしていた。
殴ることは出来ていなかったのだ。アマネの拳を吉良吉影のスタンドであったキラークイーンがくい止めていたから。
キラークイーンに守られていた川尻浩作が目を見開いて仗助を見る。それに合わせてキラークイーンも仗助を見た。
「どうやら確定したね? 吉良吉影」
アマネの声に仗助は悟る。『こいつが吉良吉影』だ。
無関係な相手にアマネが暴力を振るうとは思わない。何の根拠もなしにアマネがそう言うとも思えなかった。
機嫌悪そうに顔を歪めた吉良吉影が動く。キラークイーンと競り合いを行なっていたアマネが後ろへと跳び退けた。距離をとったことと仗助達という味方が来たからかアマネが抱き上げていた早人を降ろすと、早人が急いですぐ横の道路へと駆けていく。
「――やった! 間に合った! 『運命』に勝った!」
何が間に合って何の運命に勝ったのか知らないが、おそらくそれは仗助達へ味方したものだろう。でなければアマネはきっとここへいない。
「この『川尻浩作』が『吉良吉影』とはよォー! いきなり出会うとは大当たりだぜッ!」
「億泰君。これは偶然じゃねぇよ。大嫌いな言葉だけど『運命』だぁ」
びしょ濡れの髪を背中へ流してアマネが笑う。その口の端へ血のようなものが付いているように見えたが、本人は気にしていないようだった。
予定では露伴達と合流して話を聞きに行くのだったが、ここで吉良吉影と出会ったのが『運命』というのなら仕方がない。
ここでヤツを倒す。
「『川尻浩作』となって別にお前達から逃げていた訳ではない。お前等を始末しようと思えばいつでも殺すことはできた。やらなかったのは単に私が『闘い』の嫌いな性格だったからだ。『闘争』は私が目指す『平穏な人生』とは相反しているから嫌いだ。……一つの『闘い』に勝利することは簡単だ。だが次の『闘い』の為にストレスが溜まる。愚かな行為だ」
「実際にやりもしねぇうちは好き勝手言えるよなぁ。『始末しようと思えばいつでも殺すことはできた』? ふん」
アマネが早人を背後へ庇いながら悠然と構えた。
「やらねぇ負け犬の戯言は聞いてらんねぇよ」